【いじめに向き合う学校(7)】いじめで保護者対応に悩んだら

森田志歩 特定非営利活動法人Protect Children~えいえん乃えがお~代表

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 私の元には連日、学校や教育委員会のみならず、先生個人からも相談が寄せられます。特に多いのは「保護者対応」に関する相談です。いじめが原因の場合は「保護者から訴えがあり、調査をしたが事実確認が取れず、説明したところ納得されない」「被害者なのだから寄り添うよう言われるが、どこまで寄り添えばよいのか」「説明もさせてもらえず、一方的に責任を追及されている」「保護者と生徒の主張や要望が異なるが、保護者の要望を受け入れないと、生徒を登校させないと言われている」等々、問題が長期化してしまい、大変困っておられるケースも少なくありません。

 時には保護者の了承を得ていただいた上で、話し合いの場に私が同席をすることもあります。そうした中には、わが子がいじめられたことが許せず、親としての正義を貫こうとし、子どもの気持ちより怒り、または思考を優先してしまう保護者もいます。

 たいていの保護者は子どもの話を聞いて感情的になっているので、私は「被害に遭ったという現場を見てもいないのになぜ、断言できるのですか」と保護者に聞きます。その上で「子どもが傷ついているならば、まずは子どもに対して今、何をすべきかを考えた方がよいのではないですか」と促します。

 多数の学校現場では、「いじめの解決」がすなわち「保護者の納得」という状況になっています。そこで置き去りにされているのは子どもたちです。被害者は子どもであり、子どもはそれぞれ受け止め方や望むことも違っています。本来ならば、学校と保護者が子ども本人の気持ちを尊重しながら、対応に当たるべきではないでしょうか。

 昨年、学校と教育委員会を対象に行ったアンケートでは、やはり保護者との連携や対応に苦慮しているとの回答が多数ありました。学校は保護者との関係をこじらせないよう極力、要望を受け入れようとすることがあります。また、保護者の理解を得られないと思うと毅然(きぜん)とした姿勢を示せず、曖昧な返答や対応になることもあります。そうした対応は、保護者との関係をさらにこじらせる原因となってしまいます。

 大切なのは保護者の意見や要望に対して、学校としてできること・できないことを明確に示すこと、そして、できないことに関しては丁寧に説明することです。それでも対応に苦慮する場合は、先生方だけではなく、教育委員会や外部機関の協力を得ることが重要だと考えます。

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