【いじめに向き合う学校(8)】基本方針のコピペはいけない

森田志歩 特定非営利活動法人Protect Children~えいえん乃えがお~代表

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 2013年に成立した「いじめ防止対策推進法」の第13条には、「学校は、いじめ防止基本方針又は地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする」と示されています。しかし、多くの学校や教育委員会は、文科省が策定した基本方針のひな型をほぼ変えることなく、そのまま用いているように見受けられます。

 自治体や学校によって規模なども異なるのに、多くの自治体が同じような内容の基本方針を用いていることには、少し違和感があります。基本方針には、いじめの防止対策や発生後の対応も含まれていますので、各学校の実情に応じた方針を策定し、学校の誰もがいじめ問題と向き合わなければならないのだということを確認・自覚することが重要です。

 この基本方針に沿って、いじめの防止対策や発生後の対応がきちんと計画されていれば、いじめの抑止につながります。また、いじめが発生した後も基本方針にのっとって対応していくことができますので、学校と保護者、児童生徒の間に、無用な不信感や対立が生じることを防げるケースも増えるのではないかと思います。

 文科省が17年に策定した「いじめの防止等のための基本的な方針」や、18年に出した通知「いじめ防止対策の推進に関する調査結果に基づく勧告を踏まえた対応について」では、「策定した学校いじめ防止基本方針については、各学校のホームページへの掲載その他の方法により、保護者や地域住民が学校いじめ防止基本方針の内容を容易に確認できるような措置を講ずるとともに、その内容を、必ず入学時・各年度の開始時に児童生徒、保護者、関係機関等に説明する」と示されています。しかし、年度初めに、学校いじめ防止基本方針の説明をきちんと実施している学校は、少ないように感じます。

 いじめ対策は、学校だけで行うものではありません。子どもや保護者もいじめを正しく理解した上で未然防止に努め、もし発生してしまった際は解決・改善のために協力しなければなりません。そのためにも学校が、子どもたちや保護者の方々に対して、学校いじめ防止基本方針を適時・適切に説明し、周知することが大変重要です。必ず実施していただきたいと思います。

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