普門館を目指す――。全日本吹奏楽コンクールが、かつて東京都杉並区の普門館で行われていた頃は、野球部が甲子園を目指すように、多くの吹奏楽部が普門館での演奏を目標にした。年間を通じて、大小さまざまなコンクールがある。合唱なども同様だ。これらのコンクールに勝つのを目標に、日々練習に励んでいる生徒は多いだろう。 コンクール以外にも、音楽系部活動が関係する対外行事は多い。運動部の応援演奏、地域の小学校の運動会での入場行進、保育所の音楽会、公共施設や商業施設でのイベント出演など、これらは私の母校(公立中・高)のウェブサイトに載っていたものだ。集客が見込めるからだろうか、お盆休みも行事が入っている。部活動の「自主公演」もある。これらの行事に向けた準備も必要だ。 公演やコンクールの当日は楽器の運搬も必要なことが多い。……

東京理科大学教職教育センター准教授 井藤 元
仁(にん)を知るという課題の後には、それを的確に打ち出すことが求められる。プロの漫才師と共に授業を運営する中で、彼らのリフレクションの精度の高さには度々驚かされた。その姿はさながらプロ棋士のようである。 将棋の世界では対局後、開始から終局までを振り返る、いわゆる感想戦が行われる。棋士たちは一手目からの流れを全て記憶している。感想戦では一手一手に込められた意図が明かされ、悪手の場合はどこに打てば最善手となったか検討する。 笑育の授業後もまた感想戦が行われる。……

東京理科大学教職教育センター准教授 井藤 元

 今回はキャラとの対比で仁(にん)の問題をさらに掘り下げていく。キャラと仁は決定的に異なる。イジられキャラ、モテキャラ、陰キャラ……それらは仁ではない。「キャラが仁に合っている」という表現は可能だが、キャラ自体が仁とイコールなわけではない。キャラは状況ごとに変えられるが、仁は場面ごとにコロコロと変わるものではない。また、キャラは他人とカブることがあるが、仁は決してカブらない。  そもそもキャラは状況依存的に変わっていくのが常である。例えば、大学では誰から見ても物静かな女子学生が、バイト先ではシフトリーダーとして振る舞い、家族の前ではお調子者、といったことも珍しくない。どれかが本物というわけではなく、いずれの顔も状況に応じて現れた彼女の姿に他ならない。もっとも、それぞれのキャラはバラバラに分裂しているのではなく、緩やかに統合されている。複数のキャラのうち、自分らしさが発揮できているものがあれば、それは「仁に合ったキャラ」ということになる。  キャラの考え方は実に便利である。キャラがあることで役割分担が明確になり、コミュニケーションが円滑になる。……

 学校の正課外活動の指導者の在り方に関しては、主に運動部の問題として取り上げられてきたように見受けられる。  スポーツ庁の2016年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によれば、全国の中学校で、男子8割、女子6割が運動部に参加しているのに対し、文化部は男子の1割、女子の3割にとどまっている現状がある。この差が問題の発生や一般からの注目度合いに関係していると推察できる。  「文化部指導者の在り方に関する問題」の本質的な恐ろしさが、実はここに潜んでいる。……

東京理科大学教職教育センター准教授 井藤 元

われわれはどのようにして自らの仁(にん)を知ることができるのであろうか。今回は笑育で行っている実践のうち、道徳の授業内でも活用できるワークを紹介したい。 仁を知るヒントは漫才師へのインタビューの中にあった。彼らからは、先輩芸人による指摘をきっかけに仁が引き出されたという話をしばしば耳にする。仁は他者によって見抜かれることもあり、むしろ自分では気付きにくいものなのかもしれない。漫才コンビ、オジンオズボーンを例にとろう。 ボケ担当の篠宮暁は、20代はイケメンで売っていたのだが、30歳を迎える頃、自らの強みが分からなくなりスランプに陥ったことがあったという。……

■「スーパーティーチャー」は底辺の生徒を救えるのか?
日本では大阪市長が、全国学力調査の結果を教員の業績評価などに反映させると表明し、大変な騒動になっている。そこで参考として、「困難校に優秀な教員を配置したら、成績は上がるのか」を実験したスウェーデンの番組を紹介したい。 スウェーデン公共放送(SVT)で2008年から放送されたドキュメンタリー番組「Klass 9A」(9年A組)では、全国から選ばれた8人の優秀な教員をスウェーデンで最も成績が悪い学校に送り込んだ。日本の中学3年生に相当する9年A組に「スーパーティーチャー」を配置し、B組は普通の教員を配置して、半年間の比較実験を行った。 A組の学級目標は「スウェーデンで3番以内の成績を取る」ことだった。……

部活動での生徒の長時間練習や教員の過重労働がメディアで取り上げられるようになった。いずれも議論の中心は運動部活動の話題である。今回は文化部活動を運動部と対比し、現役教師の視点から考察する。 運動部と文化部の違いの一つに競技人数がある。運動部は例えば、野球が9人、サッカーが11人と、試合に出場できる人数が限られている。レギュラーで活躍できない生徒は、「控え」になる。 それに対し文化部は、吹奏楽が55人(全日本吹奏楽コンクールA編成)、合唱が40人(NHK全国学校音楽コンクール)、演劇は人数制限なし、軽音楽は5人で複数バンドが大会出場可能といったように、大会出場に多くの人数が必要になる。演劇は、スタッフも全て在籍校の生徒でなければならない。……

東京理科大学教職教育センター准教授 井藤 元

前回は個性を絶対値で捉える芸人固有の価値観に触れたが、それは他者理解の場面のみならず、自己認識の際に決定的に重要となる。 「汝(なんじ)自身を知れ」。古代ギリシャのデルフォイの神殿に刻まれていたといわれるこの格言は、日々舞台で格闘する芸人たちにとって非常に切実な問題である。「汝自身」、それを彼らは「仁(にん)」と呼ぶ。「仁が分かれば売れる」「仁が出ている漫才は面白い」など、この言葉はさまざまな文脈で使用される。では仁とは何か。元々歌舞伎界の用語であり、容姿や人柄、声質など役者が持っている個性=その人らしさを指す。ある役柄が仁とうまくマッチしている場合「仁に合っている」と表現され、自然なパフォーマンスとして称賛される。だが、仁に合っていないと不自然さが現れ、すぐに観客に見破られてしまうのだという。 仁は漫才師たちに大きな葛藤をもたらすことがある。……

愛知県豊根村にある村立豊根小学校(村松久彰校長、児童数35人、学級数5)では、「仲間とともに問題を解決していく子どもの育成~対話を通して学びを深める算数科の授業づくり~」を研究主題として、研究を進めている。 今年度から1・2年が複式学級となった。子どもの数は今後、さらに減少していき、いずれは完全複式の学級編成になる見込みである。……

スポーツ庁が出した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」には、休養日についての文言があります。 それによると、▽学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける▽平日は少なくとも1日、土日は少なくとも1日以上を休養日に充てる▽週末に大会参加などで活動した場合は、休養日を他の日に振り替える――としています。1日の活動時間は、長くとも平日で2時間程度、休業日は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動とすることを求めています。 この「総量規制」について、明確な数字が示されたことに対する現場の受け止め方は実にさまざまです。……

公式SNS

16,279ファンいいね