公益財団法人教科書研究センター(理事長・常田寛光村図書出版(株)代表取締役会長)が、創立40周年を迎える。〝主たる教材〟として学校教育上大きな役割を担う教科書について、先進的な調査研究を実施するとともに、蔵書豊富な教科書図書館の運営でわが国の教科書研究をリードしている。常田理事長に、これまでの活動の成果、功績、および今後の展望などを聞いた。

小学生が、世界各国出身のキャンプリーダーたちと英語でのコミュニケーションに挑戦しながら、生活を共にし、国際理解を深める「イングリッシュ・イマージョン・キャンプ(EIC)2017」(公文教育研究会主催)が滋賀県守山市と静岡県河津町で開催された。

3月31日に告示された新学習指導要領。「主体的・対話的で深い学び」の実現が求められている中、学校図書館が果たす役割は大いに期待されるところ。学校図書館の教科との連携、家庭・地域との連携、ICTの活用、司書教諭と学校司書の協働した学校図書館運営など、ヒントになるさまざまな多様な実践事例が盛りだくさん。学校図書館に対する国の施策も分かりやすく解説している。

(一社)日本図書教材協会加盟の出版各社はこのほど、小・中学校用平成28年度版図書教材を発行した。基礎基本の定着や活用力の育成のためにさまざまな工夫をこらした図書教材を紹介する。

新学習指導要領で定められた、平成32年度の小学校の英語教科化(外国語科)を前に、教員の指導力と児童の英語学習への意欲の向上が課題となっている。そんな中で、指導と評価の一体化の具体的な方法が探られている。そこで注目されているのが、小・中学生向けに開発された英語テスト「TOEFL Primary(R)(トフルプライマリー)」である。先駆けて同テストを昨年度に導入実施した、秋田県由利本荘市立由利小学校(畠山隆校長、児童212人)の実践を取材し、同校の指導に当たった町田智久国際教養大学准教授にインタビューした。

(公財)博報児童教育振興会(成田純治理事長)が主催する第13回博報教育フォーラム(文科省後援)2月13日、東京都千代田区の日本工業倶楽部で開催された。テーマは「子どもの心が動くとき、大人や地域が変わっていく」。今年度第46回博報賞受賞者の中から、特別支援教育部門1件と教育活性化部門2件、研究者による基調講演、フロア参加型のパネルディスカッションが行われた。想像を超える子どもの力から派生する実践に対し、登壇者と参加者が一体となって理解を深めていた。 基調講演 「共有型しつけ」で 親子対話が学力格差を克服 内田伸子お茶の水女子大学名誉教授 内田伸子お茶の水女子大学名誉教授は、「子どもの貧困は超えられるか?~学力格差は経済格差を反映するか」をテーマに基調講演し、次のように語った。 ◇  ◇  ◇ しつけの「スタイル」に着目すると、1つには親子の触れ合いを大切に子どもと一緒に楽しい経験を共有する「共有型しつけ」がある。他方、子どもをしつけるのは親の役目だから、悪いことをしたら罰を与えるのは当然と、禁止や命令など力のしつけを多用する「強制型しつけ」があり、2つが対比できる。 子どもたちのリテラシーについて、日本、韓国、中国、ベトナム、モンゴルの大都市の3~5歳児3千人ずつを、子どもたちが小学校に入学するまで追跡調査を行い、親、幼稚園や保育所の先生にもアンケートを行った(結果は平成24年に発表。詳細は『世界の子育て格差―貧困は超えられるか?』/金子書房)。それによると、所得格差と関係なく、「共有型しつけ」の親のもとで育てられた子どもの方が、リテラシーの得点・語彙得点は高かった。幼児期に、親や保育者の大人が、子どもの主体性を大事にした関わり方をしていることが重要である。 ここから、学力格差は経済格差を超えられるといえる。重要なのは、ほめる、はげます、ひろげるといった共有型しつけに基づいた親子のコミュニケーションである。 難関校といわれる学校に通う学生、医師や官僚といった難関職種といわれる職業に就いている人の話を聞くと、子どものころに「共有型しつけ」を受けていたという。 また遊びを通して子どもは「楽習」する。自我同一性や人間としての豊かさが形成される9歳から10歳までに、主体的で自発的な遊びを通して「楽習」させることが大切。この時期までに「楽習」をしていないと、意志力や判断力などが形成される時期を乗り越えられない。 博報賞を受賞した3つの事例は、教師や地域の達人など大人に学ぶことで子どもが変わり、そのことで大人も変わる姿を示していた。また地域の絆や底力を育むためには、コミュニケーションが大切であることが学び取れる。 【第13回博報教育フォーラム】 ◇パネルディスカッション=失敗体験・自分事・感動が大切 ◇特別支援教育部門=届く言葉をかけ共にやってみる 岡山県津山市特別支援教育推進センター 吉田英生所長 ◇教育活性化部門=思いを知り共感しふるさとに愛 新潟県胎内市立中条小学校 ◇教育活性化部門=キャリア教育を深め郷土愛が育つ 秋田県大館市教育研究所

知的好奇心、資料活用力など伸ばす 疑問を丹念に調べて探ることから (公財)図書館振興財団主催の「図書館を使った調べる学習コンクール」は、今年で20回を迎える。図書館資料を活用して、各自の調べたいテーマについて調べて学んで考えたことを整理して発表する同コンクールは、21世紀を生きる子どもたちに求められる力の育成に大きく貢献してきた。このことは国立教育政策研究所がこのたび実施した同コンクールの教育効果に関する調査でも示されている。そこで、審査員長を務める銭谷眞美東京国立博物館長と調査当時の国研所長である大槻達也東北大学理事に対談してもらい、コンクールの功績、意義などについて語ってもらった。 (進行・齊藤英行(株)教育新聞社代表取締役社長) 地域での学びづくりに効果 大槻達也 東北大学理事(前国立教育政策研究所長) 図書館活用は学力の向上へ 銭谷眞美 東京国立博物館長(元文部科学事務次官) ――「図書館を使った調べる学習コンクール」の功績、意義は。 銭谷 学校に設置されている学校図書館、あるいは各都道府県や市町村などの各自治体が設置する公共図書館などを利用して、子どもから大人まで多くの方がいろいろな学習活動をしています。図書館には、書籍、雑誌、新聞、さらには視聴覚関係の資料もあります。これらの図書館資料を活用して、各自の調べたいテーマについて調べて学んで考えたことを整理して発表する、このコンクールはこのような企画です。昨年の19回では、これまでに最多の7万点を超える作品の応募がありました。 審査員長を務めていますが、毎回、子どもも大人も日頃の生活で疑問や課題に感じていることなどについて丹念に調べて追究する作品が目立ちます。入賞者には、五つの角がある星のかたちをした楯を贈呈しています。五つの角は、「不思議だなと思う知的な好奇心」「図書館でいろいろな資料を使って調べる力」「調べた結果を読み取る力、理解する力、読解する力」「調べた結果をよく考えて、もっと調べることはないかと考える力」「それらをまとめ上げる力」を表しています。年々素晴らしい作品が増えてきていることから、コンクールがこの五つの力を子どもたちが身につけていくことに、大きな役割を果たしてきたのではないか、と考えています。 大槻 コンクールが20周年を迎えるにあたり、これまでの成果や役割、生涯学習における意義などを調査分析するよう図書館振興財団から国立教育政策研究所に依頼がありました。読書活動、読書教育について研究実績のある研究所内外の研究者によって、質問紙調査と訪問調査を行いました。質問紙は、18歳以上となったコンクール入賞者を対象に「図書館を使った調べる学習」が今の生活にどのような影響があるかを聞いたほか、地域コンクール主催者や入賞した指導者にも尋ねています。訪問調査は、調べる学習が盛んな6つの地域をピックアップし、現地で聞き取りを実施しました。 特徴的な結果としては、入賞者は「調べる学習」により「知的好奇心」「図書館の文献・資料を活用する力」「学ぶことへの意欲」「文献を適切に参照する力」「文章を構成する力」「文章を表現する力」などが身に付いたとしています。指導者の見取りでも、文献などから適切な情報を得てまとめる力や学ぶ意欲などが育ってきたという結果が出ています。――図書館の活用と学力との関連については。 銭谷 現行の学習指導要領では、言語活動の充実を大きく打ち出しており、そのために読書活動の推進を強調しています。読書活動は言語活動に大きく貢献すると私は考えています。 平成5年に国において初めての学校図書館整備計画が定められました。まず子どもたちの利用に資するため、蔵書を増やすということに取り組み、蔵書や新聞等の図書館資料の整備を推進しました。続いて平成9年には、学校図書館法を改正して「学校図書館の専門的職務をつかさどる」司書教諭の配置を12学級以上の学校に義務づけました。学校図書館を活用した教育活動を企画することなどがねらいです。24年度から公立小・中学校の学校司書の配置にかかる経費について地方財政措置が講じられることになり、さらに26年には学校図書館法が改正され、学校には司書教諭のほか学校司書をおくよう努めなければならないことになりました。学校図書館の活用は、このように進んできており、子どもたちの図書館利用およびその指導はますます拡充していくことと存じます。環境整備が図られ、学校図書館がより身近なものになれば、子どもの学習活動の活性化、ひいては学力の向上につながっていくでしょう。 大槻 図書館を使っていろいろ調べるということで、知る喜び、分かる楽しさなどが感じられた、ということが調査では出ています。情報活用してまとめる力が培われ、作品をまとめるという達成感を味わったことで生涯にわたって学習することへの動機づけになった、学び方を習得したなど、多様な成果が調査によってわかっています。 銭谷 次期学習指導要領の改訂が進められる中でアクティブ・ラーニングが注目を集めています。いま、大槻さんの話を聞いていて、図書館を使った調べる学習がそのベースではないかと感じました。例えば、ある国について調べる学習に取り組んだとして、まず図書館でいろいろな資料にあたり調べていく、調べたことを整理してその調べ方でいいのかどうか考える、そしていろいろな考察を加え調べたことをまとめる、最後に発表する、これは立派なアクティブ・ラーニングです。今求められているアクティブ・ラーニングを実施する上で、学校図書館は大きな役割を担っていくと思いますし、大きな成果が期待できます。 大槻 調査で浮かび上がってきたのは、「調べる学習をしなさい」と言ってもなかなかできるものでもなく、司書教諭などが導いていく必要があるということです。例えば、夏休みの自由研究について、休みに入る前に「調べ方講座」のようなものが学校図書館や公共図書館の主催で行われています。公共図書館と学校図書館、社会教育と学校教育の双方が連携して開講している例、地域の専門家や会社の経営者などが協力する例などもあります。 銭谷 フィンランドは学力が高いことで有名ですが、以前、調査団として同国を訪問しました。同国は国語であるフィンランド語をとても大切にしています。学校図書館に案内してもらったのですが、蔵書が多く、かつそこには必ず大人の人がたくさんいました。司書、またはボランティアのスタッフということで、子どもたちの手助けをしていました。 ――図書館活用のいい事例は。 大槻 福岡県宇美町では、町長が社会教育出身の方で、社会教育に熱心です。公共図書館と学校図書館、あるいは教育委員会の学校教育部局と図書館、社会教育が非常にうまく連携しています。千葉県袖ケ浦市なども同様です。 地域で熱心に取り組んでいるところでは、「図書館を使った調べる学習」の実際の姿が「見える化」しているのです。上の学年の取り組みが、下の学年の子どもたちによく見える。どういうことをテーマにどのような学習をしているかがわかり、自分たちもやってみたい、と下の学年のモチベーションにつながっているようです。 銭谷 公共図書館でも学校図書館でも蔵書が増えるのはいいことですが、「調べる学習」にはガイダンスが必要になります。子どもたちが今何を調べたいのか、それにはこういう観点が大事で、このように調べたらよい、などというアドバイスがあり、それに沿って子どもが本を選んで読んでいく、そういうことが最近、図書館の役割として大事になってきています。 ――図書館の活用で、教師にアドバイスを。 銭谷 学校図書館は、子どものためだけではなく教師のためのものでもあります。教師は多忙ですが、ぜひ教師自身が時間をつくって学校図書館に足を運んでいただきたい。自分の授業の中で学校図書館をどのように活用できるか、子どもたちにどういう力をつけたいのかを考えたとき、どう活用できるのか。こういうことを考え、ぜひ図書館を教室にしてほしいのです。 大槻 そのような授業を横浜市などでも見たことがあります。例えば、小学校の国語の授業で、担任と司書が協力し、図書館を教室にして、調べてまとめ発表するもので、子どもたちも主体的に取り組んでいました。 ――同コンクールへの期待は。 銭谷 学校図書館は学校の教育課程の展開に貢献できる施設であり、公共図書館は地域の方の生活の向上や地域の方々の読書活動への貢献など、生涯学習の発展のベースとなる施設です。このような学校図書館と公共図書館を活用した「図書館を使った調べる学習」コンクールは20回目を迎えるわけですが、今後ますます多くの方が参加をしていただき、各自の学習活動を楽しんでもらいたいと考えます。図書館は、読書センター、学習センター、情報センターという三つの機能を持っています。このコンクールは、その三つの図書館の機能を満たし応募できる、というものです。生涯学習の発表の場、学校教育の展開を問う場として適しています。さらに多くの方に参加していただければありがたいと思います。 大槻 調査で訪問した福岡県宗像市では、複合文化施設の中に図書館があり、全体をうまく使って「子ども祭り」を開催していましたが、調べる学習の地域コンクールの表彰式もそれに合わせて行っていました。子どもたちが保護者と一緒に作品を見て動機づけられ、図書館の利用にもつながっていき、このような好循環が地域での学びづくりにとても有効だと思われました。地域コンクールが全国的に実施されるようになれば、各地の魅力づくりにもつながると思います。地域コンクールの実施にぜひ挑戦してほしいですね。

教科書は、法律で〝主たる教材〟と規定され、教師の指導、児童生徒の学習において重要な役割、意義を担っている。このため、教科書研究は現場の発展にとって欠かせない研究活動となっている。この教科書研究に大きく貢献しているのが、教科書研究センターの「教科書図書館」だ。

7月17日は「海の日」。「海に親しむ」ことから始まり、「海を知る」ことで海への関心を高め、さらに海と人との共生のために「海を利用」しながら「海を守る」ことの大切さを学ぶ海洋教育について、鈴木大地スポーツ庁長官や東大海洋アライアンスのキーパーソンに話を聞いた。各団体の取り組みも紹介。

調べる学習を通じて物事を自ら掘り下げ、地道に調べるプロセスの大切さ、考える楽しさを学んだ――。筑波大学附属聴覚特別支援学校小学部の仲濱佳穂教諭は「図書館を使った調べる学習コンクール」で2回の優秀賞受賞経験を持つ。そんな同教諭に同コンクールで身に付いた力、進路への影響、調べ学習の意義などを尋ねた。

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