第98回全国算数・数学教育研究大会が8月1日からの5日間、岐阜県岐阜市の長良川国際会議場などで開催。そこで同大会のテーマである「学ぶ充実感のある算数・数学教育」について、日本数学教育学会会長の藤井斉亮同学教授、東京学芸大学附属小金井中学校の柴田翔教諭、同附属小学校の加固希支男教諭が鼎談による鼎談・学者、研究者、実践者から提言をもらった。   ◎ 鼎談 学ぶ充実感のある算数・数学教育 part1 | part2 | part3   ◎ 学者、研究者、実践者からの提言 筑波大学人間系准教授 蒔苗直道「知的な喜びや満足を期待」 都留文科大学文学部初等教育学科非常勤講師 滝井章「数学的見方の活用で充実感を」 東京都文京区立第六中学校主幹教諭 岡田春彦「比較・観察の目を教師自身が持つ」 元東京都公立中学校校長 楚阪博「メタ認知を活用し議論する」

知的好奇心、資料活用力など伸ばす 疑問を丹念に調べて探ることから (公財)図書館振興財団主催の「図書館を使った調べる学習コンクール」は、今年で20回を迎える。図書館資料を活用して、各自の調べたいテーマについて調べて学んで考えたことを整理して発表する同コンクールは、21世紀を生きる子どもたちに求められる力の育成に大きく貢献してきた。このことは国立教育政策研究所がこのたび実施した同コンクールの教育効果に関する調査でも示されている。そこで、審査員長を務める銭谷眞美東京国立博物館長と調査当時の国研所長である大槻達也東北大学理事に対談してもらい、コンクールの功績、意義などについて語ってもらった。 (進行・齊藤英行(株)教育新聞社代表取締役社長) 地域での学びづくりに効果 大槻達也 東北大学理事(前国立教育政策研究所長) 図書館活用は学力の向上へ 銭谷眞美 東京国立博物館長(元文部科学事務次官) ――「図書館を使った調べる学習コンクール」の功績、意義は。 銭谷 学校に設置されている学校図書館、あるいは各都道府県や市町村などの各自治体が設置する公共図書館などを利用して、子どもから大人まで多くの方がいろいろな学習活動をしています。図書館には、書籍、雑誌、新聞、さらには視聴覚関係の資料もあります。これらの図書館資料を活用して、各自の調べたいテーマについて調べて学んで考えたことを整理して発表する、このコンクールはこのような企画です。昨年の19回では、これまでに最多の7万点を超える作品の応募がありました。 審査員長を務めていますが、毎回、子どもも大人も日頃の生活で疑問や課題に感じていることなどについて丹念に調べて追究する作品が目立ちます。入賞者には、五つの角がある星のかたちをした楯を贈呈しています。五つの角は、「不思議だなと思う知的な好奇心」「図書館でいろいろな資料を使って調べる力」「調べた結果を読み取る力、理解する力、読解する力」「調べた結果をよく考えて、もっと調べることはないかと考える力」「それらをまとめ上げる力」を表しています。年々素晴らしい作品が増えてきていることから、コンクールがこの五つの力を子どもたちが身につけていくことに、大きな役割を果たしてきたのではないか、と考えています。 大槻 コンクールが20周年を迎えるにあたり、これまでの成果や役割、生涯学習における意義などを調査分析するよう図書館振興財団から国立教育政策研究所に依頼がありました。読書活動、読書教育について研究実績のある研究所内外の研究者によって、質問紙調査と訪問調査を行いました。質問紙は、18歳以上となったコンクール入賞者を対象に「図書館を使った調べる学習」が今の生活にどのような影響があるかを聞いたほか、地域コンクール主催者や入賞した指導者にも尋ねています。訪問調査は、調べる学習が盛んな6つの地域をピックアップし、現地で聞き取りを実施しました。 特徴的な結果としては、入賞者は「調べる学習」により「知的好奇心」「図書館の文献・資料を活用する力」「学ぶことへの意欲」「文献を適切に参照する力」「文章を構成する力」「文章を表現する力」などが身に付いたとしています。指導者の見取りでも、文献などから適切な情報を得てまとめる力や学ぶ意欲などが育ってきたという結果が出ています。――図書館の活用と学力との関連については。 銭谷 現行の学習指導要領では、言語活動の充実を大きく打ち出しており、そのために読書活動の推進を強調しています。読書活動は言語活動に大きく貢献すると私は考えています。 平成5年に国において初めての学校図書館整備計画が定められました。まず子どもたちの利用に資するため、蔵書を増やすということに取り組み、蔵書や新聞等の図書館資料の整備を推進しました。続いて平成9年には、学校図書館法を改正して「学校図書館の専門的職務をつかさどる」司書教諭の配置を12学級以上の学校に義務づけました。学校図書館を活用した教育活動を企画することなどがねらいです。24年度から公立小・中学校の学校司書の配置にかかる経費について地方財政措置が講じられることになり、さらに26年には学校図書館法が改正され、学校には司書教諭のほか学校司書をおくよう努めなければならないことになりました。学校図書館の活用は、このように進んできており、子どもたちの図書館利用およびその指導はますます拡充していくことと存じます。環境整備が図られ、学校図書館がより身近なものになれば、子どもの学習活動の活性化、ひいては学力の向上につながっていくでしょう。 大槻 図書館を使っていろいろ調べるということで、知る喜び、分かる楽しさなどが感じられた、ということが調査では出ています。情報活用してまとめる力が培われ、作品をまとめるという達成感を味わったことで生涯にわたって学習することへの動機づけになった、学び方を習得したなど、多様な成果が調査によってわかっています。 銭谷 次期学習指導要領の改訂が進められる中でアクティブ・ラーニングが注目を集めています。いま、大槻さんの話を聞いていて、図書館を使った調べる学習がそのベースではないかと感じました。例えば、ある国について調べる学習に取り組んだとして、まず図書館でいろいろな資料にあたり調べていく、調べたことを整理してその調べ方でいいのかどうか考える、そしていろいろな考察を加え調べたことをまとめる、最後に発表する、これは立派なアクティブ・ラーニングです。今求められているアクティブ・ラーニングを実施する上で、学校図書館は大きな役割を担っていくと思いますし、大きな成果が期待できます。 大槻 調査で浮かび上がってきたのは、「調べる学習をしなさい」と言ってもなかなかできるものでもなく、司書教諭などが導いていく必要があるということです。例えば、夏休みの自由研究について、休みに入る前に「調べ方講座」のようなものが学校図書館や公共図書館の主催で行われています。公共図書館と学校図書館、社会教育と学校教育の双方が連携して開講している例、地域の専門家や会社の経営者などが協力する例などもあります。 銭谷 フィンランドは学力が高いことで有名ですが、以前、調査団として同国を訪問しました。同国は国語であるフィンランド語をとても大切にしています。学校図書館に案内してもらったのですが、蔵書が多く、かつそこには必ず大人の人がたくさんいました。司書、またはボランティアのスタッフということで、子どもたちの手助けをしていました。 ――図書館活用のいい事例は。 大槻 福岡県宇美町では、町長が社会教育出身の方で、社会教育に熱心です。公共図書館と学校図書館、あるいは教育委員会の学校教育部局と図書館、社会教育が非常にうまく連携しています。千葉県袖ケ浦市なども同様です。 地域で熱心に取り組んでいるところでは、「図書館を使った調べる学習」の実際の姿が「見える化」しているのです。上の学年の取り組みが、下の学年の子どもたちによく見える。どういうことをテーマにどのような学習をしているかがわかり、自分たちもやってみたい、と下の学年のモチベーションにつながっているようです。 銭谷 公共図書館でも学校図書館でも蔵書が増えるのはいいことですが、「調べる学習」にはガイダンスが必要になります。子どもたちが今何を調べたいのか、それにはこういう観点が大事で、このように調べたらよい、などというアドバイスがあり、それに沿って子どもが本を選んで読んでいく、そういうことが最近、図書館の役割として大事になってきています。 ――図書館の活用で、教師にアドバイスを。 銭谷 学校図書館は、子どものためだけではなく教師のためのものでもあります。教師は多忙ですが、ぜひ教師自身が時間をつくって学校図書館に足を運んでいただきたい。自分の授業の中で学校図書館をどのように活用できるか、子どもたちにどういう力をつけたいのかを考えたとき、どう活用できるのか。こういうことを考え、ぜひ図書館を教室にしてほしいのです。 大槻 そのような授業を横浜市などでも見たことがあります。例えば、小学校の国語の授業で、担任と司書が協力し、図書館を教室にして、調べてまとめ発表するもので、子どもたちも主体的に取り組んでいました。 ――同コンクールへの期待は。 銭谷 学校図書館は学校の教育課程の展開に貢献できる施設であり、公共図書館は地域の方の生活の向上や地域の方々の読書活動への貢献など、生涯学習の発展のベースとなる施設です。このような学校図書館と公共図書館を活用した「図書館を使った調べる学習」コンクールは20回目を迎えるわけですが、今後ますます多くの方が参加をしていただき、各自の学習活動を楽しんでもらいたいと考えます。図書館は、読書センター、学習センター、情報センターという三つの機能を持っています。このコンクールは、その三つの図書館の機能を満たし応募できる、というものです。生涯学習の発表の場、学校教育の展開を問う場として適しています。さらに多くの方に参加していただければありがたいと思います。 大槻 調査で訪問した福岡県宗像市では、複合文化施設の中に図書館があり、全体をうまく使って「子ども祭り」を開催していましたが、調べる学習の地域コンクールの表彰式もそれに合わせて行っていました。子どもたちが保護者と一緒に作品を見て動機づけられ、図書館の利用にもつながっていき、このような好循環が地域での学びづくりにとても有効だと思われました。地域コンクールが全国的に実施されるようになれば、各地の魅力づくりにもつながると思います。地域コンクールの実施にぜひ挑戦してほしいですね。

小学校は平成32年度、中学校は平成33年度に、次期学習指導要領が全面実施される。言語活動の充実やコミュニケーション能力の育成が重要事項となり、指導方法に悩む先生方も多いだろう。 そこで活用したいのが辞典だ。言葉の意味や語源を調べるのも課題解決へのアプローチのひとつ。積極的な活用や効果的な使い方の指導を考えたい。 今回は、学習段階に見合った国語・英語関連の辞典をナビゲートする。 【国語関連】 【英語関連】

インクルーシブ教育の基本施策の1つに、「一人一人の教育的ニーズを把握し、それに応じた指導・援助の充実」を掲げる岐阜県多治見市。その一環として同市立養正小学校(安藤善之校長、児童349人)では、タブレット端末を活用した早期支援に取り組んでいる。「わかった・できたが実感できる、ユニバーサルデザインの授業づくり」を指導の重点に置く同校では、児童の自尊感情を重視しながら学習者用デジタル教科書(以下、デジタル教科書)を活用している。

公文教育研究会は今年10月から、バングラデシュの首都・ダッカに、バングラデシュ初となる公文式教室を2教室開設した。この公文式教室は、バングラデシュを拠点として活動を展開する世界最大級のNGO団体BRACとの提携により、同国の貧困層の子供たちにも継続的に公文式を提供することができるモデルを構築するためのプロジェクトとして始動した。

2020年度から小学校で、中学校ではその翌年度から、新学習指導要領が実施されます。今回の学習指導要領の改訂では、英語の教科化、道徳の教科化、授業時数の増加など多くの話題があり、プログラミング教育が始まることも関心を集めています。授業時数の確保も大切ですし、英語、道徳、プログラミングなど、指導内容の検討とその準備も大切です。しかし、今回の学習指導要領では、中央教育審議会においてその検討の過程が公開されていますので、目指すところを踏まえて、教育の情報化を進めていく必要があります。

佐賀県立唐津工業高校建築科 全1年生が毎年挑戦 建築大工技能士3級試験に 佐賀県立唐津工業高校(池田積校長、生徒465人)は、「ものづくりによる人づくり」「部活動による人づくり」を教育目標に掲げる。その建築科では、平成26年度から1年生全員が、国家検定の建築大工技能士3級試験に毎年挑戦している。初年度は、全員合格を達成している。そうした成果には、同校の日々の取り組みと、「ものづくりマイスター派遣制度」が貢献している。 同校は、機械、電気、土木、建築の各科で構成。各科各学年4クラスの小規模校。そこで独自性を打ち出すため、ものづくりに特化した教育と、人格形成を大きな目標に据える。中でも建築科は、平成9年度に創設された、同校では比較的に新しい学科だ。 自身も同校の卒業生という池田校長は、「建築科は後発である分、卒業生が活躍する場を作ってあげたいと思った。そこで、例えば老朽化した水車の代わりの新しい水車を製作して寄贈するなど、まず地域貢献を始めた。その結果、地域からの信頼が厚くなり、それが生徒の自信につながった。そして、より自信をつけさせるために、全員で資格取得という運びになった」と、全員受検のきっかけを語り、後輩に当たる生徒たちの成長を温かく見守る。 3級試験は、建築大工技能士に必要な基礎知識と技術を問う検定で、実技と筆記を行う。入学したばかりの1年生には、のみやかんなの使い方は、まだおぼつかない。そんな生徒らを熱心に指導して知識と技能を習得させ、合格させた立役者が、建築科実習助手の青木康将さんだ。 青木さんは自らの指導力をより高めようと、1級技能士を取得。さらにオリジナル教材として、3級試験の実技課題を一通り自分で行って動画撮影し、要所ごとに編集。生徒が随時、青木さんのやり方をタブレットPCなどで見て復習できるようにするなど、その熱心な指導ぶりに定評がある。 青木さんは「生徒の熱意に応えるために、指導法をいろいろと工夫している。ものづくりマイスター制度の活用も、熟練した職人の技能を間近で見て指導が受けられれば、きっと生徒に有益だろうと思った」と決めたという。 「ものづくりマイスター制度」は、厚労省が25年度に創設。高度な技能を持ったものづくりマイスターが、技能競技大会の競技課題などを活用し、中小企業や工業高校等で広く若年技能者への実技指導を行い、効果的な技能の継承や後継者の育成を行う。同校では同年度に、希望者だけがマイスターから指導を受ける形でスタート。 翌年度からは、3級試験の全員受検に合わせて、1年生全員がマイスターの指導を受けるようになった。 同校を訪れるマイスターは、1級技能士の林田俊彦さんはじめ5人で、全員が熟練した大工。 40代から80代までと年齢層は幅広いが、全員が優しく、丁寧に生徒を指導してくれるという。 実技の内容ごとに担当を変え、指導に訪れるのは1人約10回。熟練の技を見る機会は、生徒の技能向上に大きく寄与している。 建築科2年生吉岡哲平さんの将来の夢は大工。「自分はのこがうまくなかったが、マイスターに丁寧に教えてもらって、まっすぐに引けるようになった。同じのこを使っても、マイスターは、のこが木材にどんどん入っていく。スムーズなのこの扱いを見て、本当にすごいと感動し、とても勉強になった」と目を輝かせる。 同じく2年生の、川添連さんの将来の夢は、主に建築物の設計に携わる建築士。「自分でうまくできない作業も、マイスターのやり方を見ると改善点がよく分かった。熟練した方の作業を目の前で見られたのは、将来の設計の仕事に生きてくると思う」と振り返る。 2人とも、青木さんの動画を見てイメージトレーニングし、実際に行ってみて、至らないところを青木さんの指導や、マイスターのチェックを受けて上達させていったという。マイスターの指導と、青木さんの日々の授業は、生徒らの試験合格や夢の実現に、着実に結びついているようだ。 池田校長は「ものづくり、地域との連携・貢献を通して、人づくりの効果が見えてきた。マスコミに取り上げられる機会が増え、意欲のある入学志望者が増えてきている。『将来を見据えて専門的なことを学びたい』という生徒のニーズに応えられていると思う。今後は、生徒がより主体的に発案し、取り組むような流れにしていきたい」と展望を語った。

(公財)博報児童教育振興会(成田純治理事長)主催、文科省後援の第15回博報教育フォーラムが2月24日、東京都千代田区の日本工業倶楽部で開催された。テーマは「つながりが生み出す 未来への道しるべ」。基調講演やパネルディスカッション、今年度第48回博報賞受賞者の中から3つの事例発表などが行われた。「子供の未来は今である」――子供の一瞬一瞬に未来への道しるべがあることに、登壇者や参加者が深く考えるよい機会となった。

公益財団法人博報児童教育振興会主催 (公財)博報児童教育振興会(成田純治理事長)主催、文科省後援の第14回博報教育フォーラムが2月25日、東京都千代田区の日本工業倶楽部で開催された。テーマは「足もとにある宝もの。気づきは未来をひらく」。今年度第47回博報賞受賞者の中から、事例発表3件と大学教授による基調講演、フロア参加型のパネルディスカッションなどが行われた。かけがえのない日常の中にある「あたりまえ」の大切さについて、登壇者や参加者が深く考えるよい機会となった——。   ◇基調講演=今があるから未来はひらかれる 鹿毛雅治慶應義塾大学教授 ◇パネルディスカッション・グループセッション=人の思いを感じられる体験を ◇特別支援教育部門=共に過ごすを当たり前に 特定非営利活動法人障がい者福祉推進ネットちえのわ ◇日本文化理解教育部門=つなぐ体験を生活文化に 京都市立高倉小学校 ◇教育活性化部門=ふるさとへの思いを形に 福島県飯舘村立飯舘中学校  

サモアの人々のおおらかで深い愛に学ぶ——。埼玉県立新座柳瀬高校(高橋厚裕校長、生徒数692人)で家庭科を指導する関美奈子教諭は、国際協力機構(JICA)が派遣する青少年海外協力隊の現職教員特別参加制度で、06〜08年まで、サモアのセカンダリースクールで家庭科の授業や教師研修の支援に携わった。教育環境や生活インフラが不十分な中で、創意あふれる調理実習を実施。視覚で学べるフードモデルの共同制作なども行った。帰国後は、民族衣装を着て世界を意識させる授業やブタを解体した経験を伝えて命を考える指導などを行っている。協力隊の経験を生かして生徒の学習意欲を向上させ、世界を意識する学びにつなげている。

公式SNS

15,520ファンいいね
44,267フォロワーフォロー