「グローバルに活躍したい!」その思いを育む part2【座談会】

「グローバルに活躍したい! 大学生がそう思った動機づけとプロセスから、グローバル人材育成を考える」をテーマに、座談会を行った――。
(司会・教育新聞編集委員 池田康文)


 

学びを深めていく環境作る ㈱公文教育研究会取締役副社長 中江 敏
学びを深めていく環境作る
㈱公文教育研究会取締役副社長
中江 敏

司会 支援の側からは。

船橋 話を聞いていて本当に面白く、うれしいです。「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」でとても重視しているのは、申請時に計画した目的を達成するための活動が7割。後の3割は、留学することで得られた縁やつながり、機会を活用し、それまでやったことがないこと、わざと違うことを体験しようと伝えています。そこで大切なのはアイデンティティーです。事前研修で既に多様な人たちと出会います。留学先では、さらに多様な人たちと出会います。そこで留学前にアイデンティティーを一度しっかりと見つめ直してみましょうと言います。自分が何者かを知らずに海外に行くと、振り回されて悩む場合が多いです。2人の話を聞いていて、世界を知る、日本を知る、自分を知る、の3つが大切だと思いました。そして自分の目で見ること、最後には自分の感性を信じることが重要だと。

細越 帰国後に日本が好きになったという留学経験者が結構増えるのが、私は意外でした。

司会 外に出て初めて、やはり自分は日本人だなとか、日本について尋ねられて答えられなかった自分がいたとかの経験から、あらためて日本を見直すのでしょうね。留学先では、具体的にどんな活動をしたのですか。

人間的な成長で影響受けた 大阪大学外国語学部ロシア語学科5回生 平野 美優
人間的な成長で影響受けた
大阪大学外国語学部ロシア語学科5回生
平野 美優

平野 ウズベキスタンで日本語教育と折り紙などの日本文化を伝えました。あちらの昔話と日本の昔話を比べたら、あちらの昔話には、日本にはない愛国心を育む内容が多かったです。

細越 農法などを調査しました。タンザニアでは山奥の急斜面が農地で、欧米系の支援が入っていましたが、彼らは自分たちのやり方で効率よくやろうという発想でした。結局それはうまくいっていませんでした。私は急斜面をよく観察し、現地の文化・伝統を尊重して支援を進めていくのが最重要だと考えました。

司会 それは、国際理解や国際協力をする上で、たいへん重要な着眼点だと思います。そんな意味を込めて、グローバル人材とは何なのでしょうか。
中江 多様性を受け入れて自分で判断し、自分で考え、行動できる人といえるでしょう。人生いかに生きるべきかを考えられる人に育ってほしいと思います。人がそのように育つためには、そういう経験ができる状態をしっかりと作っていくことが重要だと思います。

船橋 一言で言うと、自分が何者かを知っていて相手に伝えられる人だと思います。地球規模で考え、自分のいる場で行動する。日本人は、同質的な社会の中で自分についてあまり考えたことがない。自分のよさをあまり知らない。逆に、それを考え、それを知ると、グローバルに生きていけるはずです。各自がとんがった何かを持っています。視点を広く持ち、自分をしっかりと突き詰めて知っていく。それが原点だと思います。また英語などの学びとともに、自己肯定感を高め、ロジカルシンキングの力を養い、世界観を広げ、自分は何をしたいのかを考えていってください。これからは、15年後には現在ある65%の仕事がなくなるとか、45%がロボット化するとかいわれる時代です。多分、今までのように大人に言われたとおりにやれば良いということが通じなくなります。だから、1つだけ身に付けなければならないのは、自己責任という意識と、自分で道を切り開くんだというマインドだと私は思っています。

中江 小さなときから、やればできるという経験を重ね、自己肯定感を高めさせていきたいですね。それが先に進んでいく原動力になると思います。
司会 今後に生かしていきたい点などを。

平野 今、就職活動真っ最中です。会ったことがない人、異なる文化の人に関心をもち、知ろう、尊重しよう、互いに分かり合おうという視点を、ビジネスの中でも大事にしていけたらと思っています。

細越 世界の農業を知るうちに、今は立ち返って日本の農業をどうにかしなければいけないと思うようになりました。それには教育が大切なので、義務教育に農業の視点と実践を入れたいと考えています。

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