入り口の大型モニターに案内映像を配信【埼玉県立総合教育センター】

簡易に運用できると語る担当者
簡易に運用できると語る担当者
研修の別室配信も今後検討

埼玉県立総合教育センターは、「みらいスクールステーション」(富士ソフト(株))の映像配信システムを活用し、日々訪れる多くの研修者や来客に分かりやすい映像案内を提供している。2カ所の入り口に設置した大型モニターに、その日の研修内容や教室会場などを自動でインフォメーションする。将来的には、研修者数が多いときに、別教室に設けた大型モニターに講義をリアルタイムで配信するなどの活用策も検討している。

同センターでは昨年度に、使用していたICT機器のリース期間が終わる節目を迎えていた。そんな中で、あらゆる場面に生かせる今後の効果的なICT活用策と新たな機器導入の方向性が、熱心に検討された。その結果、毎日訪れる多くの研修者にそれぞれの研修内容や教室案内をこれまで以上に分かりやすく、より手軽に提供したいとの思いがあり、同ステーションの導入が決まった。

選択の理由について、同センター情報教育推進担当の田中克典指導主事は、「低価格、機器のコンパクトさ、ライブ配信という多機能性が決め手になった」と話す。現在、同センターの2カ所の玄関に設置した50インチの大型モニターに1日中、案内や情報画像を流している。

同システムの使用によって、センターサーバーにあるデータを、それぞれの大型モニターに併設した小型のセットトップボックスを介して簡単に配信が可能になった。情報や案内は担当職員が日々の研修に応じて、あらかじめ内容を変え、一括で設定し、操作できる。来訪者が多い時間帯には、研修が行われる教室の案内情報を提供したり、研修の終了時間には、最寄り駅までのバスの時刻表を示したりしている。日と時間帯に応じてふさわしい情報をアレンジし、簡易に運用できる良さに同指導主事は喜びの声を上げる。

将来的には、ライブ配信機能を利用して、受講者数の多い研修の際に、リアルタイムで別教室に内容を動画配信する仕組みを作っていければと同指導主事は展望を語る。県内の学校でも同ステーションを利用し、各教室に設けられた大型モニターや電子黒板で校長の講話や呼び掛けを簡易に動画で流せるようにしていると、教育現場でも多く利用されている点を話す。

一方、未来の学びに向けて同県では、ICTの効果的活用とアクティブ・ラーニングの促進に力を入れている。そのため今年度から、「近未来型学校教育創造プロジェクト」を実施。取り組みの中身は、▽タブレット端末を生かした授業実践と環境整備▽多様な学習形態に対応した教材の蓄積と共有化▽教員のデジタル教材作成技術の習得――の3本柱で展開していく。

同センターでは、「教員のデジタル教材作成技術の習得」と、今後、県が力を注いでいく「反転学習」の推進を見ながら、今年度から新事業をスタートしている。

「次世代型教育モデル創造プロジェクト~ICTを活用した反転学習モデルの開発と効果の検証」は、今年度から2年間で反転学習の効果検証と授業・教材開発を進めていく。昨年度のプレ研究期間を経て、今年度は県内公立中・高校6校を指定。各校の全研究協力員に反転授業の実践を実施してもらいながら、生徒の変容や学習効果などの効果検証を深める。

授業や教材開発に向けた研修では、県内公立中高校の教員120人を選定。反転学習に使う動画教材をそれぞれ作成する研修会を行う。動画を織り交ぜた教材づくりの基礎を解説した上で、各自の課題や視点を踏まえたオリジナルコンテンツの発案や授業開発を目指す。一般的な反転学習のスタイルにとらわれず、多様な学びに対応した教材や授業の見いだしを励ましたいとする。

事例として、生徒の所持率が高いスマートフォンでの学習や、逆に、スマートフォンやタブレット端末を所持していない生徒も学習に携われる展開アイデアなどを提示する。生徒にあえて間違った問題を示し、誤りがどこかを探究させ、発見させる学習事例も挙げ、多様で幅広い反転学習の在り方や教材研究を進めたいという。