部活中の注意点を教授 大塚製薬が白鵬女子高で講座

熱中症の対処法や正しい水分補給など
「電解質」「栄養バランス」にも注目
熱中症の正しい知識を伝える松藤さん
熱中症の正しい知識を伝える松藤さん

大塚製薬(株)はこのほど、「部活動における熱中症予防・パフォーマンス向上と水分補給」をテーマに、白鵬女子高校(横浜市/佐藤恭子校長)で、運動部に所属している生徒約250人を対象に講座を行った。

同校では、陸上、水泳、体操競技、柔道、バスケットボールなどの運動部活動が盛ん。数々の優秀な成績を残している。

同講座を受けるにあたり同校の高橋雄太教諭は「部活を指導する上で、熱中症対策の正しい知識を教員間で共有する必要があると感じていた。生徒自身には、自己管理ができるようになってほしいとの思いがあった」と語る。

【熱中症のしくみ】

講師を務めたのは、同社横浜支店の松藤直子さん。「部活中に、頭痛やめまい、吐き気、筋肉がつるなどの症状を経験したことはありますか」と問いかけ、経験した生徒には熱中症の可能性があったと指摘。熱中症の4つの症状(熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病)を具体的に解説した。

ヒトは発汗して体温を調節する。その際、水分と電解質(イオン)が失われるため、それらの補給が必要になるが、水分と電解質のバランスが崩れたり、体温調節がうまくできなくなったりすると、熱中症になると説明した。

【水分を補う意味】

「ヒトの体の約60%は水分。体温調節には水分(血漿)の役割が重要となります。水分は細胞の中、細胞と細胞の間、血管の中に分布しています。血液中の水分が汗腺を通って外に出てくるのが汗です。しっかりと汗をかくには、水分を補給し、血漿量を保つのが大切です。部活動で良いパフォーマンスをするには、水分補給は極めて重要」と述べた。

【水分とともに電解質の補給が重要】

水分の体内吸収を考える上では、「のどの渇きを感じる前の水分補給が大切です。運動を始める前の水分補給と、運動中のこまめな水分補給が重要となります」と指摘。

「熱中症対策に適している飲料のナトリウム量は、100ミリリットルあたり40~80ミリグラム。水分補給時に、失われた電解質が補われないまま、ただの水やお茶だけを飲むと、体液濃度(浸透圧バランス)が下がり、これ以上水分で体液が薄まらないようにと、のどの渇きが止まってしまいます。さらに尿で水分を排泄し体液濃度を元に戻そうとするために、結果的に体液不足になるわけです」と解説。

「『電解質』に加えて『糖(ブドウ糖)』が含まれていると、腸管への吸収スピードが速くなります。水分を取るといっても、正しい水分補給が大切なのです」と訴えた。

【朝食が重要】

松藤さんは、さまざまなスポーツでの発汗量を示した上で「ヒトの体は1日あたり2・5リットル程度の水分が出入りしており、そのうちの1リットルを食事から摂取しています。食事をしっかり取ること。特に朝食は重要です」と強調。「水分と電解質、食事を正しく取らないと、集中力の維持や疲労の蓄積、体温調整に大きな影響を及ぼします。食事を適切に取ると、熱中症予防につながるだけではなく、集中力が保てるので、部活動で良いパフォーマンスにつながります。けがの防止にもつながるのです」と述べた。

【熱中症が疑われる場合の対処法】

万が一、熱中症が疑われる場合の対処法について松藤さんは「まずは、意識障害があるか確認します。確認方法は、いつもであれば簡単に答えられる質問をします。『名前は?』『ここはどこ?』と問いかけてみて、答えられなかったら、意識障害があり、熱中症が疑われます。そうした場合には、ためらわず、すぐに救急車を呼んでください。救急車を待っている間は、涼しく風通しの良い場所で、体を冷やします。服をゆるめ、靴を脱がせ、こもった熱を分散させます。体を冷やすポイントは3カ所、首と脇の下と足の付け根です。そこには太い血管が通っていて、この3カ所を重点的に冷やすと、冷やされた血液が全身に回り、体温を下げるのを助けます」と説明した。

また「簡単な質問に答えられて、意識障害がない場合には、涼しい場所で自力で水分補給ができるかを確認します。できなければ、たとえ意識があっても、すぐに病院に連れていきます。自力でできるのであれば、電解質を含む水分を補給させます。回復したとしても、その日は部活を休ませます」と語った。

最後に、「体調が悪いときには、我慢せずに申し出てください。部活動中に、下級生が体調不良だと言いにくい状況を作り出さないためにも、上級生や部活の顧問などは声掛けなどをこまめにして、コミュニケーションを図るようにしてほしいです」と結んだ。