よく噛んで歯の健康守る キシリトールで丈夫な歯に

生活習慣を規則正しく整える
埼玉県杉戸町立高野台小学校
児童らは福田教授の問いかけに元気に手を挙げていた
児童らは福田教授の問いかけに元気に手を挙げていた

むし歯予防と生活習慣の大切さを児童に伝える出張授業「2017年度『学校プログラム』楽しく学ぼう!歯の健康づくり講座」がこのほど、埼玉県杉戸町立高野台小学校(佐藤茂校長、児童数337人)で開催された。(公財)日本学校保健会が企画・監修/共催し、(株)ロッテが協力。同校の5年生児童60人が、45分の授業を受けた。

講師は、日本歯科大学生命歯学部衛生学講座の福田雅臣教授。むし歯の写真や図などをスクリーンに映し出しながら、むし歯ができる原因、むし歯を防ぐ生活習慣、キシリトールの効用などについて説明した。

「口の中にいるむし歯菌は元気になりたいので、食べ物のお砂糖を見つけて食べ、糖を分解して増え続け、プラーク(歯垢)をつくります。むし歯菌がどんどん増えていくと、酸がつくられ、かたい歯のエナメル質も溶かしてしまいます。これがむし歯です」と説明。

咀嚼判定ガム
咀嚼判定ガム

60年くらい前にむし歯について研究したカエスという学者が、むし歯ができる原因を調べて考えた「カエスの輪」の図をスクリーンで紹介した。

「むし歯を防ぐためには、口の中をきれいにすること。歯磨きすることが基本です。でもそれだけでは不十分で、歯の表面を強くすることが大切だけど、どうしたらいいかな?」と問いかけると、児童から「フッ素」という答えが出た。

同教授は「そう、フッ素は歯磨き粉に入っているから、歯磨き粉をつけて歯を磨くことが大切です。家にある歯磨き粉を見てみてください」と教えた。

続いて「今朝、朝ごはんを食べてきた人?」「朝ごはんをよく噛んで食べた人?」「歯磨きしてきた人?」と聞くと、ほとんどの児童が手を挙げた。

「1日3食を規則正しくとることが大切。朝ごはんをよく噛んで食べるためには、早起きしないとできない。そのためには早寝すること。噛めば噛むほど頭がすっきりして、目が覚める。これも噛むことの効用で、生活習慣とかかわっている」と説明した。

そして、「むし歯菌が歯垢や酸をつくる材料にできないものがあります。キシリトールって知っているかな?」と質問。

キシリトールという言葉は、児童たちは聞いたことがあったようだ。だが、「キシリトールはシラカバの木からとれます」と聞くと、驚きの声が上がった。

同教授は「キシリトールは砂糖と違い、むし歯菌のミュータンス菌によって分解されないので、口の中に酸ができないのです。キシリトールを規則正しく、長い間食べていると、むし歯菌は増えることができなくなり、数が少なくなります。砂糖などの糖からも酸をつくれなくなるので、むし歯菌が弱ってしまいます」と説明した。

そして、赤と青2色の咀嚼判定ガムが児童に配られた。「赤と青を混ぜると、何色になるでしょう?」と福田教授が聞くと、「紫!」と元気のよい声が返ってきた。咀嚼判定ガムは、よく噛んで混ざり合うと紫色になる。色のまだらの残り具合で、咀嚼が十分かが眼で見てわかるようになっているもの。噛むことの大切さを伝える効果がある。

「1、2、3…」。福田教授や先生方の掛け声に合わせて、児童たちは60回ガムを噛み、口から取り出して、ガムの色の混ざり具合を自分たちで確かめた。ガムを噛んだ感想を聞かれると、「口の中がさっぱりした」などの意見が出た。

植樹されたシラカバの木
植樹されたシラカバの木

最後に授業のまとめとして、▽よく噛んで食べる▽おやつの回数を減らす▽勉強やゲームをしながら、「だらだら食べ」や、「ながら食べ」をしない▽口の中をきれいにしておく▽フッ素を使う▽口の中を自分で100%きれいにするのは難しいので、定期的に歯医者に行く――など説明。

「規則正しい生活習慣を身に付けることが、からだの健康を守り、歯の健康にもよいことを覚えておいて、しっかりと守って」と、むし歯予防の面にも注目させるように児童に伝えて、授業を締めくくった。

授業後、ロッテから絵本『たのむぞ!がんばれ! 騎士リ・トールくん』が贈呈された。次にキシリトールの元となるシラカバの苗木とプレートが学校に贈られた。

児童からは「早寝早起きの大切さなど、今日学んだことを生かして、これからは歯磨きにも生かしていきたい」「自分はよく噛んでいないときがあるから、これからは気をつけたい」などの感想が出た。

最後に佐藤茂校長が、「今日はみんな歯の健康について、よく勉強しましたね。シラカバの木の成長を見守っていきましょう」と締めくくった。