BRACによる公文式教室開設 バングラデシュ・ダッカで

貧困層向け持続可能なモデルを模索
オープニングセレモニーで。BRACアベド総裁(中央)
オープニングセレモニーで。BRACアベド総裁(中央)

公文教育研究会は今年10月から、バングラデシュの首都・ダッカに、バングラデシュ初となる公文式教室を2教室開設した。この公文式教室は、バングラデシュを拠点として活動を展開する世界最大級のNGO団体BRACとの提携により、同国の貧困層の子供たちにも継続的に公文式を提供することができるモデルを構築するためのプロジェクトとして始動した。

今回開設したのは「公文式ダンモンディ教室」「公文式ウッタラ教室」の2教室。いずれも算数・数学を教える。

BRACスクールで貧困層の子供たちに公文式に取り組んでもらい、8カ月間にかけて効果検証を行った
BRACスクールで貧困層の子供たちに公文式に取り組んでもらい、8カ月間にかけて効果検証を行った
■パイロットでの成果

同社は今回の教室開設に先立ってJICAの「協力準備調査(BOPビジネス連携促進)」(今年度からは「途上国の課題解決型ビジネス(SDGsビジネス)調査」)の委託事業としてJICAの支援を受け、BRACが運営する貧困層の子供たちを対象にしたBRACスクールにおいて、公文式導入の効果検証を2015年8月から8カ月間にわたって行った。

BRACは1972年に設立。貧困撲滅を目的にバングラデシュをはじめアフリカやアフガニスタンなどでも活動を展開しており、コミュニティーレベルで農業、保健・衛生、青少年活動への支援、人材研修や調査研究などを実施している。

BRACスクールはノンフォーマル(学校教育システム外の組織)な小学校という位置付けではあるが、バングラデシュ国内に約3万校を置き、子供たちへの教育を通じて貧困層の自立的なコミュニティー発展を支援している。

公文式導入の効果検証は、澤田康幸東京大学大学院経済学研究科教授(現アジア開発銀行チーフエコノミスト)の協力の下で行った。BRACスクール17校の3、4年生約500人を対象に公文式学習を実施。生徒の認知能力と非認知能力の向上に与える効果について、無作為化比較対照実験(RCT:Randomized Controlled Trial)により分析したところ、算数の習熟度や計算スピードが高まっただけでなく、自信や学習への意欲向上がみられた。

また、BRACのアベド総裁をはじめ、プロジェクトメンバーやBRACスクールの教員が、実際に公文式を学んだ子供たちに「自分で考えるようになった」「意欲的になった」「遅刻や欠席が減った」といった変化を感じたという。

今回のプロジェクトでは、まず中高所得者層向けの教室運営を2年間行い、バングラデシュに公文式学習が受け入れられるかどうかを見極める。将来的にBRACとの提携によって、バングラデシュ全体への公文式提供が可能となるモデルを検討、最終的にはBRACスクールで、貧困層の子供たちへの持続的な提供を目指す。

今回の同社の取り組みは、2015年9月に国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」の目標4「質の高い教育をみんなに」の達成に貢献するものとして推進していく。