よく噛んで歯の健康守る キシリトールで丈夫な歯に

東京都北区立十条台小学校

むし歯ができるメカニズムに興味津々の児童ら

子供たちに歯の健康について考えてもらおうと「2018年度『学校プログラム』楽しく学ぼう! 歯の健康づくり講座」が9月14日、東京都北区立十条台小学校(髙橋基夫校長、児童数158人)で行われた。(公財)日本学校保健会が企画・監修/共催し、㈱ロッテが協力して実施。同校の5、6年生計45人が学校図書館に集合し、45分の授業を受けた。

講師は、日本歯科大学生命歯学部衛生学講座の福田雅臣教授。この日の授業の目的は「むし歯のできるメカニズムを知る」ことと、「むし歯の予防法を知る」ことの二つ。

スクリーンに映し出された歯の組織図を前に、福田教授は「歯の表面はエナメル質という身体の中でもっとも固い物質でできていて、その下に、歯の神経が通っています。そして、このエナメル質に穴があくことをむし歯といいます」と説明した。

続いて、むし歯ができるメカニズムについて1分間のビデオを視聴。口の中にいるミュータンスというむし歯菌が、歯の表面や隙間にもぐりこんだ食べ物の糖を分解して歯の表面に歯垢(しこう)を作り、その中でばい菌が糖を分解して酸を生じさせて、この酸が歯の表面のエナメル質を溶かすことでむし歯になるのを、児童に理解させた。

ビデオ視聴後、福田教授はむし歯を予防する方法について、「大半の人の口の中にはむし歯菌がありますが、それだけではむし歯にはなりません。食べ物を食べることによってむし歯菌が活発に活動してむし歯ができます。つまり、『口・歯』『むし歯菌』『食べ物』の三つがそろうと、むし歯になるわけです。でも、食事をしないわけにはいきませんから、どうしても食べ物の糖がむし歯菌と出合ってしまいます。つまり、むし歯を作らないためには歯を強くしないといけないわけです。歯を強くするもの、それが歯磨き粉に含まれているフッ素なのです」と説明。

「フッ素」という言葉に児童たちから「あ~」と言葉がもれ、福田教授が「フッ素入りの歯磨き粉を使っている人は?」と聞くと、半数ぐらいの児童が手を挙げた。

「でも、いくら食後に歯磨きをしても、食べ物とむし歯菌が出合うと酸が作られてしまいます。ところが、お砂糖と同じような甘さなのに、むし歯菌に酸を作らせないものがあります。それは何でしょうか」と福田教授が聞くや、すかさず、ある児童が「キシリトール」とつぶやいた。

キシリトールはむし歯菌を弱らせ、酸を作れなくするため、歯垢の量も少なくなるという。しかし、どんな食べ物にもキシリトールが入っているわけではない。食べ物を食べたら糖とむし歯菌とが出合い、酸ができしまう。それを防ぐためには「やはり歯磨きが大切です」と福田教授は強調した。

咀嚼状況を確認する2色ガム

次いで、よく噛(か)むことの大切さを学ぶため、赤と青のキシリトール入りの2色のガムが児童に配られた。

福田教授が「1、2、3……」と数え、60回噛んだところでストップ。噛み終わったガムを取り出し、色をチェックする。よく混ざっているときれいな紫色に変わり、よく噛んでいないと赤と青の色がまだらに残った状態になる。噛んだ後の感想を聞くと「歯がすべすべになった」「唾液がいっぱい出た」といった感想が聞かれた。

また、噛んだときのガムの固さや大きさ、味、唾液の出方、歯の表面の様子などをアンケート用紙に記入。福田教授から「ガムを噛むと唾液がたくさん出るよね」と声をかけられ、多くの児童がうなずく。

「実は、唾液にはむし歯菌が作る酸の力を弱らせる作用があります。唾液の99%は水分なのですね。つまり、歯をきれいにし、歯を守ってくれるわけです。また、よく噛むと食べ物を小さくして消化しやすくしてくれます。さらに、口の働きをなめらかにして、飲み込みやすくしたり、話しやすくしたりします」

最後に授業のまとめとして、▽よく噛んで食べる▽おやつの回数を減らす▽だらだらと食べ続けない▽フッ素を使う▽取りきれない歯石をきれいにするために定期的に歯医者に行く――などを確認して授業を終えた。

その後、ロッテから絵本『たのむぞ! がんばれ! 騎士リ・トールくん』が贈呈された。

福田教授と一緒に食べた「給食授業」

メインの授業が終わった後、学校図書館から教室に移動。福田教授が児童らと一緒に給食を食べる「給食授業」が始まった。この日のメニューは豚キムチと卵スープにご飯。何度もおかわりしておいしく食べた後、児童らに緑色の咀嚼チェックガムが配られ、同じように60回噛んでもらった。それを取り出すと色がピンクに変わっていて、児童らから驚きの声があがった。

その理由を「唾液がたくさん出ると色が変わるのです」と福田教授が説明。「しっかり噛むことで唾液が出て、口の中をきれいにするのですね」と再確認し、歯の授業を締めくくった。