教員になりたい、と思ったらいつでもチャレンジできる!【大学通信教育課程特集】

教員になる夢の実現、教員としての資格や力量のアップ――。

大学通信教育課程とは何か。文科省担当者による教職員免許法改正に伴う教職課程の変化や学びの注意点、通信教育課程を経て教員を目指す方の体験談なども紹介。

大学通信教育課程で教員を目指す志望者のガイダンス資料として特集した。

教員への道は、いつも開かれている 大学通信教育を選ぶ理由はここだ!

大学通信教育課程は、時間や場所に縛られることなく自分のペースで学べるため、働きながらでも両立しやすい。社会人経験を積んで、新たに教員にチャレンジする人。自身の教員としての幅を広げるため、現在持っている免許状より上位のものを取得したり、他教科や隣接校種の免許状にチャレンジしたりする人。さまざまな目的を持った人たちが、自分らしく学んでいる。また、新学習指導要領などを見据えて、2016年11月に教育職員免許法の改正、17年11月には教育職員免許法施行規則の改正があり、一連の法改正に基づく新たな教職課程は19年度の4月に大学に入学する学生から開始する(参照)。大学通信教育課程での免許状取得の主なケースや、法改正による注意点とは何か。通信教育課程で教員を目指している方の体験談をガイダンス資料として特集した。

◆通信教育課程では普通免許状が取得可能

教員免許状には普通、特別、臨時の3種類がある。そのうち、通信教育課程で取得できるのは普通免許状だ。普通免許状には、小、中、高、特別支援学校、幼稚園、養護、栄養の各教諭があり、それぞれ専修、1種、2種(高等学校教諭の免許状は、専修および1種)に分かれている。

大学によって取得できる普通免許状は異なる。自分が希望する免許状や資格が取得できるか、免許取得までの学費、面接授業(スクーリング)の実施方法などに着目して、適した大学を選ぶとよいだろう。近年は「メディアを利用して行う授業」としてテレビ会議式の遠隔授業やインターネットを活用した授業を実施する大学や、教員採用試験対策講座など、サポート体制が充実している大学も増えている。

◆代表的な免許状取得の方法

免許状取得の方法として、主に次の4つのケースがある。

①新たに教員免許状を取得するケース

▽最終学歴が高校卒業の場合=希望の免許状の取れる大学または短期大学を選び、どの学部・学科に入学するかを決め、「正科生」として入学する。大学卒業の条件を整えると同時に、教職課程の必要科目を履修して、免許取得の所要資格を満たしておけば、卒業と同時に免許状が取得できる。

▽他大学卒業時に教員免許を取得していない場合=出身大学が通信課程での教職課程認定を受けていれば、不足する教職・教科専門科目を、通信課程に入って履修する。出身大学が通信課程認定を受けていない場合は、免許状が取得できる大学通信教育課程に編入学し、免許状取得に必要な教職課程の科目を全て履修登録する。

免許状取得には教育実習を必ず行わなければならない。実習先は自ら探し、受け入れの内諾を得ることが必要だ。その上で、各大学の定める教育実習の受講許可要件を満たす必要がある。

②現在持っている免許状を上位の免許状に上進させるケース

中学校社会科2種免許状を1種免許状にしたい場合などが、このケースに当たる。各都道府県教育委員会の教育職員検定による免許取得の方法だ。教員としての所定の現職経験年数が必要となり、不足していると上進はできない。既に有する免許状を基に、取得後、所定の経験年数と上位免許状取得に必要な科目と単位をそろえる。「科目等履修生」として学習するのが一般的だ。

上位免許状取得に必要な単位・科目は、授与権者である勤務地の都道府県教育委員会規則を確認し、指導を受ける必要がある。教育委員会の指導を受けずに自分だけで決めてしまうと、免許申請時に不適切な履修が指摘され、申請できない場合がある。

③現在持っている免許状を基に、同校種の他の教科の免許状を取得するケース

既に中学校社会科免許状を所持している者が、中学校国語科免許状を取得したい場合がこのケースに当たる。必要な科目や単位を取れる大学・短期大学で、「正科生」または「科目等履修生」として単位を取得し、免許に必要な条件を満たせば、免許状を取得できる。

他教科を取るときは、現有免許状と同じ種か下の種の他教科となる。2種免許状を、他教科の1種免許状にはできないので注意が必要だ。

④隣接校種免許状を取得するケース

普通免許状を有し、実務証明責任者の証明を有する者(3年の教職経験により教員として良好な勤務成績で勤務した者)が必要な単位を修得すれば、隣接校種の教員免許状を取得できる。小中一貫校増加などの教育改革の動きを受け、各学校段階間の連携を強化するために設けられた制度だ。

この制度では教職経験を適切に評価することで、修得単位が軽減される。例えば、幼稚園教諭普通免許状を有し、3年以上の実務経験があれば、小学校教諭2種免許状は13単位で取れる。同様に高等学校教諭普通免許状を有し、3年以上の実務経験があれば、中学校教諭2種免許状は9単位で取得することができる。

◆2019年度入学から改正後の新法が適応に

これらの免許状取得に関しては、近年の教育職員免許法の改正に伴い、各大学・短期大学の入学コースによって、適応される法的区分(新法・旧法)が異なる。入学年度または入学形態により、在学中に履修しなければならない科目が異なる場合がある。特に通信教育課程は弾力的な受講をしている者が多く、自分が経過措置の対象であるのか、などについて、各校で履修指導を受けたほうがよい。

必要な場合は、学力に関する証明書(単位修得証明書)の発行基準なども問い合わせておく。

◆認定こども園法改正に伴う経過措置

12年8月の認定こども園法の改正によって、新たな「幼保連携型認定こども園」が創設された。これは学校教育と保育を一体的に提供する施設であるため、職員である「保育教諭」は、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を有するのが原則となっている。

18年度の調査によると、両方を所持している人は約9割。いずれか一方の免許状・資格しか保有していない「保育教諭」の割合は減少しているものの、「幼保連携型認定こども園」の施設数の増加に伴い、その人数は増加している。

「幼保連携型認定こども園」へ円滑な移行を進めるため、法律の施行後5年間は、いずれか一方の免許状・資格を有していればよいとの経過措置がある。5年間のうちに、所持していない方を取得すればよい。

幼稚園教諭、保育士として3年かつ4320時間以上の勤務経験者には、特例が設けられている。8単位を取得すれば、所持していない免許状が取れるので、この単位取得に通信教育課程を有効活用したい。

◆大学通信教育で取得できる主な諸資格

大学通信教育では、教員免許状以外にも学校図書館司書教諭、図書館司書、社会教育主事、博物館学芸員などの資格も取得できる。

詳細は(公財)私立大学通信教育協会サイト

「さまざまなキャリアパスを通じて教職にアクセスをしてほしい」

文科省総合教育政策局 教育人材政策課教員免許企画室 長谷 浩之室長に聞く

教育を取り巻く環境は大きく変化している。文科省総合教育政策局教育人材政策課教員免許企画室の長谷浩之室長に、今後の教員養成に関する課題、求められる教員像、未来の学校教育を創る教員志望者への期待と励ましなどを聞いた。

――通信教育による教員免許状の取得状況は。

最新の2016年度のデータによると、全国の短大、大学、大学院の通信教育課程で教員免許状を取得したのは4384人だった。学校種ごとの同免許状取得状況では、幼稚園免許が3976人で最多。続いて、小学校免許308人、高校免許168人などとなっている。

――文科省の組織編成により総合教育政策局が新設されたことによる変更点は。

総合教育政策局を新設したことで、学校教育と社会教育を通じた包括的で一貫した教育政策をより強力かつ効果的に推進していく。

教育人材政策課では、従来、初等中等教育局と高等教育局とに分かれて担当していた教員の養成、免許、研修についての業務を一元化した。教員養成から研修までワンストップで政策を進めることが可能になり、一体的な改革を体現していければと思う。

――教員養成に関する現状と、今後の課題は。

学校現場では団塊世代の大量退職が進んだことにより、教員採用数が急激に伸びている。新規学卒者の民間企業への流出もあり、教員採用の競争倍率は低下傾向である。特に小学校では全国平均で3.5倍、東京都においては1.8倍、新潟県は1.2倍と、まさに売り手市場になっている。

11都道府県・指定都市(※1)の協力を得て、2017年度始業日時点における「教員の不足数」(※2)についてサンプル調査を行った。それによると小学校(11自治体のうち全て)では常勤が266人、非常勤が50人、中学校(11自治体のうち10自治体)では常勤が101人、非常勤が153人不足しているという結果だった。

教員不足の要因は、産休・育休取得者数の増加や、特別支援学級数の増加、講師登録名簿登載希望者数の減少、採用候補者が教員以外の職に就職済みなどが挙げられている。常勤のみならず、非常勤の教員の確保も難しい状況だ。したがって潜在的に免許を持っている方にもどんどんチャレンジしていただきたい。

――今後求められる教員像や、教員志望者へのエールを。

求められる教員像としては、これまで同様、教員自身が探求力を持ち、学び続ける存在であるべきということは変わらない。

加えて、アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善や、小学校における外国語教育の早期化・教科化、ICTの活用、発達障害を含む特別な支援を必要とする児童生徒等への対応など、新しい学校現場の状況に対応できる力を高めていくことも必要になってくる。さらに、「チーム学校」の考えの下、さまざまな人が学校に入ってくるようになり、学校の姿自体が変化してきている。それに伴い、教員の働き方にも変化が見られるので、養成段階から意識してほしい。今後は、社会人経験者が持つコミュニケーション能力や、多様な人材をコーディネートし組織で仕事をしていく力も、ますます重要になってくるだろう。

人材供給が足りなくなっている現状において、さまざまな学習形態で免許状を取得できる通信教育課程に期待を持っている。社会人経験者が新たに免許取得にチャレンジする、現職の教員が上位免許状や隣接校種の免許状を取得するなど、いろいろなキャリアパスを通じて、教職にアクセスしてほしいと思っている。

※1〈都道府県〉北海道、茨城県、埼玉県、千葉県、愛知県、福岡県、大分県、鹿児島県。〈政令指定都市〉大阪市、北九州市、福岡市。

※2「教員の不足」とは、学校に配置されている教員の数が、各自治体において学校に配置することとしている教員の数を満たしていない状態を指す。

厳しさの中で確かな知識が身に付いていく

玉川大学 正科生3年次編入学 小学校コース 堀江 隆汰

教師を目指すきっかけは、小学校時代の恩師です。一人一人を大切に、子供に自信を持たせてくれた素晴らしい方でした。「自分も先生のようになりたい」と憧れましたが、大学進学時に教員志望に絞る決心ができず心理学を専攻しました。しかし、その後も教師への思いは募るばかりでした。

そして私が選んだのは、大学卒業後に通信教育課程で小学校教員免許状を取得する道。玉川大学は他大学よりも単位認定が難しいという評判でしたが、むしろ私にはそこが魅力に思えました。教師を目指すからには、確かな知識をきちんと身に付けられる環境で学びたいと思ったからです。

入学後は厳しさよりむしろ知識が身に付く喜びの方が大きいですし、スクーリングで接する先生方は、優しく熱心な方ばかり。講義では学級経営のポイントや学習指導、生徒指導について、教員としての豊富な経験に裏付けされた実践的なお話を聞くことができました。また、教育実習の事前指導の際には、何度もレポートの添削をしていただき、おかげで実習目標が明確になり、充実した実習経験ができたと思います。また、スクーリングでは同じ志を持った多くの仲間と出会うことができます。彼らの教職に対する強い情熱に触れると教員採用試験へのモチベーションがいっそう高まりました。

こうした学修と並行して、私は小学校の学習支援員として学校現場に身を置き、「自分ならどうするか」と日々考えながら通信教育で学んだ理論を深めていきました。通信で学ぶ「理論」と、現場での「実践」を行き来することで、次第に自分が目指すべき教師像が明確になっていくのを感じています。小学校時代の恩師のように、私も「子供に自信を付けさせることができる教師」になることが今後の目標です。

外部リンク:玉川大学通信教育課程

効率の良い学習計画で目標達成を目指す

明星大学教育学部教育学科正科・課程履修生 教科専門(英語)コース 西田 由佳

私は定時制高校を経て大学に進学し、卒業後は日本語講師などを経て今は翻訳の仕事をしながら通信教育部で学んでいます。

教員を目指すきっかけは、社会経験を重ね30歳を迎え自分の人生を振り返ったとき、高校時代の恩師への感謝の気持ちが蘇ってきたこと。

高校時代に不登校になった私を、当時の担任の先生は叱責することもなく、いつも笑顔で接し受け入れてくれました。その感謝への思いに応えるべく教員の道を目指す決意しました。

明星大学への入学の決め手は、とにかく分かりすく案内してくれたことです。教員免許状は単位の修得方法などが複雑なところがあり、不安もあった私にとっては丁寧に対応してくれたことはとても助かりました。

入学後も、不明点があれば職員の方が迅速に対応してくれます。おかげで教員免許状取得から逆算して緻密な学習計画を立てることができました。

自宅学習に加え通勤時間や仕事の休憩時間も有効に活用し1日約5時間の学習時間を確保していますが、理解を深めるためにもスクーリングは積極的に受講しています。知識だけではなく心構えも学べます。

働きながら学んでいる方はスクーリングの受講には休暇が必要なため、事前に職場の理解を得ておくことが大切です。

教育実習は十数年ぶりに不登校だった母校で行いました。その際、私の授業を恩師が見に来てくれました。実習後には生徒から感謝の言葉や励ましの手紙もいただき、多くのかけがえのない財産を得ました。

通信教育部で学ぶ中で刻み込まれた「教員になった後も、自分自身が学び続ける」という言葉を胸に日々を過ごしています。

外部リンク:明星大学通信教育部

キャリアカウンセリングできる英語教員に
佛教大学通信教育課程 課程本科 「英語」免許状取得課程 鍋野 あかね

志望大学の入試に失敗し、入学した短大から編入学した大学では心理学を専攻しました。得意な英語を生かして英語教員になりたかったのですが、所属学科では免許状の取得がままならず、そのまま社会人となり、数年前には大学の専攻を生かしてキャリアカウンセラー(CDA)資格を取得し、現在は児童福祉分野で発達相談員として働きながら、中学・高校の「英語」教員免許状取得課程で学んでいます。

近年、文部科学省においても早期キャリア教育に力を入れており、特に初等中等教育の最終段階である高校でのキャリア教育の必要性が叫ばれております。

私はCDA資格と自分が大学進学や就職で迷った経験を生かして、キャリアカウンセリングができる高校の英語教員になりたいと思っています。

通信教育課程を選ぶ際には、東京で開催された説明会で出会った佛教大学の職員の方がとても親身になって私の不安や疑問に答えていただいたこともあり、故郷である神戸に戻って学生となることを決意しました。

通信教育課程で学ぶ際に大切なのは「計画」と「仲間」です。仕事をしながら限られた時間を使って学ぶためには、「いつ、何を、どこまで」勉強するのかを常にハッキリさせておきたいもの。私はそのために手書きのノートに履修計画を書いて学習意欲を高めてきました。また、一人で乗り越えるのが大変なことも、同じ目標を目指す「仲間」と励まし合い、情報交換することで乗り越えることができます。私自身、一人で孤独に勉強するのは不得意だったので、入学してすぐに学友会支部で仲間をつくり、役員の仕事も引き受けました。これから入学されるみなさんも、ぜひ学友会に参加してください。目標達成に向けて力を合わせて頑張りましょう。

外部リンク:佛教大学通信教育課程