学校現場のICT活用 子供たちの現実を直視した導入を JAPET&CEC

(一社)日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)の教育ICT課題対策部会は12月15日、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターで「情報社会を生き抜くためのデジタル時代の教育のあり方と課題~子どものIT端末との付き合い方と学びはどうあるべきか~」をテーマにラウンドテーブルディスカッションを開催した。

大学の研究者、高校教員、PTA関係者、メディア関係者など多様なパネリストが、ICTを発展的に学びや生活、創作に生かせるスキルが重要になってくることを踏まえて活発に議論した。ファシリテーターは、横浜市立桜台小学校の西尾琢郎校長が務めた。

法政大学アジア太平洋メディア情報リテラシー教育センターの坂本旬代表は、「今の『情報モラル』教育は安全教育を徹底するあまり、主体的・創造的・生産的活動にICTが使われているかは疑問である。子供たちの社会環境を考えると普通にICTがある。今後は子供たちがICTを利用し情報社会の最前線で生きている現実を直視し、どんな力を身につければよいかを系統的に教える『デジタル・シチズンシップ』教育が重要になる」と指摘した。

さらに「『情報モラル』が情報社会で適正な活動を行うための基になる考えと態度に対し、『デジタル・シチズンシップ』は情報技術に関連する人的、文化的、社会的諸問題を理解し法的・倫理的にふるまうことといった『認知』と『スキル』『活用的』なことを意味する。子供たちが社会に出た時は、情報モラル指導にはない、『デジタル・アクセス(デジタル・デバイスの克服)』『デジタル・コマース(オンライン・ショッピング)』『デジタル・リテラシー(情報機器活用能力)』が求められることになる。これからの子供の『生きる力』を育む上で大切であり、早い段階で教えておくことが必要である」述べた。

他にもパネリストからは、次のような意見が出された。

▽現場にICTを導入する時は、子供に押しつけにならないよう配慮する。提供の際に活用シーンを想定し、子供たちが活用の主体になるようにすることが大事。教師が有効的な活用方法を提示することが重要である。

▽ICT活用を子供の自主性に任せる際は、依存のリスクについて、生活指導目線で「やめろ」という指導はしない。依存の基準は個々によって違う。自分と他者の違いを理解させ、自身がどのような立ち位置にいるのかメタ認知させる方法を教え、正しいICTとの付き合い方に導いてあげる。

▽学習者中心のICT活用は、指導方法とカリキュラムを熟考する。その際、子供の利用レベルがどの程度か、どういうことができるのかを把握する。