総合的な学習の時間と学校経営の実践に最優秀賞 東書教育賞

教育現場の優れた教育実践論文を表彰する、第34回東書教育賞(共催・東京書籍(株)、(公財)中央教育研究所)の贈呈式が2月3日、東京都北区の東京書籍本社ビルで行われた。「未来を担う子どもと共に歩む確かな教育実践」をテーマに、小・中学校教員と教育関係者から応募があった115編の中から、最優秀賞2編、優秀賞5編、特別賞1編、奨励賞4編が選ばれた。

小学校部門の最優秀賞は、田山雅博熊本市立日吉東小学校教諭による「『社会に開かれた教育課程』の実現を『総合的な学習の時間』から」(総合的な学習)。明治22年の熊本大地震の際、後世に伝えるため当時の様子が数え歌にされていたことを紹介した熊本日日新聞の記事の存在を知り、平成の熊本地震について後世に伝え記憶を風化させないため、「熊本地震復興数え歌」をつくることを通して、社会参加・社会貢献する児童を育てる実践を試みた。各方面の協力を得ながら、児童(6年生)は情報を交換、精査するなど意欲的に学習を続け、「熊本地震復興数え歌」の発表会を開催し、工夫を凝らしたプレゼンテーションや招待客への対応を行った。1年間(平成29年度)を通じた活動の中で、主体的で対話的な学習を導き、学校外の社会との連携・協働にもつながった。

中学校部門の最優秀賞は、沼田芳行【草かんむりは旧字体】所沢市立三ヶ島中学校校長による「未来を拓く学校づくり 朝鑑賞を土台としたチームミカジマの挑戦」(学校経営)。毎週、金曜日の朝の学活前の10分間に、近隣の高校や武蔵野美術大学との連携のもと、担任教師が絵画等の作品を各教室に持参し、「思ったこと、考えたこと」を口にする対話型芸術鑑賞を行う実践。この実践を通し、生徒は他者の意見や個性を認め合うことが醸成され、教師は生徒に共感する術を身につけ教師力を高めた。校長のリーダーシップのもと教科を超えて連携する授業研究を実現した「チーム学校」を具現化した内容であった。

受賞した田山教諭は自身の教員生活を振り返りながら「今、私たちが現場でできることは何かと考えた時、『継続』と『出会い』と『まとめ』の3つのことに対して『あと、ちょっとだけ~する』という姿勢をもつことだと思う。その積み重ねが経験、財産となる」と述べた。また、沼田校長は「生徒と教師が自由に意見を述べ合う時間の中で『考えたことを口にする』ことで、自然に他者の感じ方、考え方を楽しむようになった。この取り組みが日本の教育の転換点につながってほしい」と思いを述べた。

審査委員長の谷川彰英筑波大学名誉教授は「現場の先生の声を聴く機会がこの賞である。実践の中から新しい教育の指針を現場に広めてほしい」と期待感を寄せた。

論文は小・中学校別に論文集としてまとめられ、後日、全国の学校・教育機関などに配布される。

問い合わせは、(公財)中央教育研究所内「東書教育賞」審査事務局=〒114-0004東京都北区堀船2-17-1/TEL03(5390)7488。