キシリトールで歯を健康に むし歯のメカニズムと予防法を学ぶ

歯の健康を守るための出張授業「楽しく学ぼう!歯の健康づくり」が9月8日、東京都豊島区立朝日小学校(田中良行校長、児童数224人)で行われた。この授業は(公財)日本学校保健会が企画・監修/共催し、㈱ロッテの協力のもと実施されたもの。同校の4~6年生が集まり、約45分の授業を受けた。

【協賛企画/㈱ロッテ】


日本歯科大学・福田教授を講師に
授業を受ける子供たち

講師は、日本歯科大学生命歯学部衛生学講座の福田雅臣教授が務め、「むし歯はなぜできるのか」「むし歯を予防するにはどうしたらよいのか」をテーマに授業を行った。むし歯のメカニズムは初めて学ぶ子供も多く、全員が興味をもって参加していた。

驚きの表情を見せる子供たち

授業は、「むし歯って何」を知ることから始まった。

「歯の表面は、身体の中で一番固いエナメル質という物質でできています。その固い物質に穴が空いてしまうことがむし歯です。穴が小さいと痛みはないし、症状は何もありません。歯医者さんで処置をしてもらえばちゃんと治ります」

「その下にある歯髄(しずい)という部分に近づいていくと、少ししみてきます。歯髄には、歯の中に栄養を送る血管や神経が通っているからです。そのままにしておくと神経が通っている歯髄の穴にまで行ってしまって、飛び上がるような痛みを感じます。それでも放っておくと、今度は痛みがなくなってきます。でも治ったわけではありません」

「痛くなくなるのは、神経が死んでしまうからです。歯の根っこにばい菌が入って、歯茎が腫れてくることもあります。そうすると歯を抜かなくてはなりません」などと福田教授が説明していく。その内容に、子供たちは驚いた表情を見せるばかりであった。

むし歯のメカニズムをやさしく説明

続いて「むし歯はなぜできるのか」について、ビデオを交えて解説した。

「ほとんどの皆さんの口の中にはミュータンス菌というむし歯菌がすんでいます。おやつや食事をすると、砂糖などの糖が歯の表面や隙間にくっつき、この糖をむし歯菌が分解して、歯の表面にばい菌のすみ処(か)である歯垢(しこう)を作ります。そして、歯垢の中では、ばい菌が糖を分解して酸を作ります。酸には物質を溶かす働きがあるので、固いエナメル質も溶かしてしまいます。これがむし歯のできるメカニズムです」と分かりやすく説いた。

むし歯ができる条件は、歯、むし歯菌、糖の3つがそろうことであると説明した上で、授業はむし歯予防の話に進んだ。

「むし歯菌や食べ物を、歯の表面から取り除くためにはどうしたらいいかな」と福田教授が問い掛けると、「歯磨き!」と子供たちは即答した。

「そうだね。食後の歯磨きが大切ですね。そのとき、フッ素※入りの歯磨き粉を使うと歯が強くなります」と説明し、次いで「子供用の歯磨き粉を使っている人はいるかな」と尋ねると、半数程の子供が手を挙げた。

「子供用は100%、大人用も90%以上の歯磨き粉にフッ素が入っています。フッ素は歯の表面を強くし、歯の表面を攻撃する酸から歯を守ってくれるので、フッ素の入った歯磨き粉を使いましょう」と強調した。

キシリトールの有用性を強調
2色ガムの説明を受ける

さらに、福田教授はキシリトールという物質について解説した。キシリトールには砂糖と同じような甘さがあるのにむし歯菌に攻撃されず、歯垢も作らず、酸も作らないので、むし歯になるのを防ぐ効果があることを伝えた。むし歯予防には毎日の歯磨きの習慣が最も大切であると念を押し、「キシリトールは歯磨きの効果を向上させます」とこの授業の重要なポイントを繰り返した。

続いて、よく噛むことの大切さを学ぶ実習へと進んだ。事前に配られた赤と青の2色ガムを60回噛んでみようという実習。福田教授が「1、2…」とカウントを始め、60になるまで頑張ってガムを噛み続ける。よく噛んで混ざり合うと紫色に、よく噛んでいないとまだら模様になる。噛み終わると、ガムを口から取り出し色をチェックする。子供たちからは「唾液がいっぱい出てきた」「ガムが固くなってきた」などの感想が上がった。

福田教授は「よく噛むと歯の表面の汚れが取れ、唾液もたくさん出てきます。唾液は、酸の力を弱らせたり、歯を保護したり、消化を促したり、ばい菌を弱らせたりするなど多くの働きをしてくれます。よく噛んで食べるようにしましょう」とアドバイスした。

「歯磨き」「よく噛む」など6つのポイントを示す
2色ガム

最後に、本日のまとめとして福田教授は、次の6点を確認した。「歯磨き」「よく噛んで食べる」「フッ素入りの歯磨き粉を使う」「早寝早起きの習慣」「ダラダラ食べ、ながら食べなどをしない」「定期的に歯医者さんに行く」――の6点である。早寝早起きをすれば、朝ごはんをよく噛んで食べる時間の余裕を持てる、脳の働きもよくなり勉強に身が入ることも説明した。

授業が終了した後は、「未来に生かす歯の健康づくり~キシリトールガムを活用して~」をテーマに、福田教授による保護者向けの講義が行われた。

保護者も2色のキシリトールガムを60回噛む実習を体験。キシリトールがむし歯の発生を防ぐ効果があることの他、子供たちに伝えた「むし歯を予防するための6つのポイント」の説明も受け、歯の健康について改めて学ぶ機会となった。

※フッ素…ここで言うフッ素とはフッ化物。