1人1台端末の効果的な活用で 読み放題で新しい読書環境を

電子書籍の新しいサービスを体験

 GIGA端末を活用した新しい読書の形を体験――。㈱ポプラ社は8月21日、「未来の先生フォーラム2021」(8月21日~22日、オンライン)でこのほど新たにスタートさせた電子書籍のサブスクリプションサービスが体験できるセッションを開催した。

 小中学生向けの電子書籍が読み放題というサブスクリプションサービスで、名称は『Yomokka!』(よもっか!)。「この端末で何ができるの? ~電子書籍サブスクリプションサービスの可能性を一緒に考えませんか?~」と題するセッションは、1人1台端末を活用してこのサービスを実体験するもので、小中学校の教師、司書教諭、学校司書らが参加した。

子どものためのコンテンツを開発しよう
『Yomokka!』の特性を解説する齋木氏

 登壇者は、『ポプラディアプラス 世界の国々』などの編集を歴任し、現在、こどもの学び研究所の主席研究員である齋木小太郎氏。まず、「書籍とは何か?」を問い、紙の本が電子書籍となることによるインパクトを説明するところからセッションはスタートした。

 GIGAスクール構想によって学校現場で1人1台端末環境が整備され、その活用が進んできているとはいえ、十分なコンテンツが子どもたちに提供されているとはいえない。こうした状況では、調べ学習などの時間に子どもが端末を利用して検索しても、正しい情報にうまくたどり着けない可能性が高いことを指摘した。

 「例えば、『ナメクジ』をGoogleで検索すると、上位2つに表示されるのは企業サイトである。監修者が付いていて信頼できるソースではあるが、企業が発信したい内容のコンテンツ。次に出てくるのはWikipedia。信頼できるかどうかはそれぞれの判断だが、少なくとも小学生の授業でお勧めできるものではないだろう」と論じた。

 その上で、「子どもの興味関心を刺激し、調べ学習などにふさわしい子ども向けのコンテンツを用意することが必要な時期に来ている」と提言した。

紙の本へと誘導する役割も期待

 『Yomokka!』は、小中学校のGIGAスクール端末に対応した、本と学びのプラットフォーム「MottoSokka!(もっとそっか!)」の第一弾サービス。デジタルの特性を生かし、全ての子どもに新しい読書環境を提供することを狙いとしたものである。どこでも誰でも好きなだけ本を読める場を提供することで、読書への興味の喚起を目指す。本を読む習慣が付くだけでなく、デジタル上での読書をきっかけに紙の本へと誘導する役割も期待できるという。

 今回、参加者は、配布された限定IDを用いて自分の端末でログインして『Yomokka!』を体験した。

興味関心を引くために多様な工夫がなされている

 トップページには「みんなのランキング」や「なにがでるから きょうの1さつ」「シリーズ1巻目特集」、読んだことのある本がたまる「自分の本だな」などが表示されている。さらに、これまでに読んだページ数が表示されるなど、本が好きな子どもだけでなく、本にあまり興味のない子どもを呼び込むためのさまざまな仕掛けがあることに気付かされる。

 実際に操作してみると、ネット上で電子書籍が読み放題というだけでなく、GIGA端末を活用するからこそできる、新しい読書環境が用意されていることが分かる。蔵書数は、7月現在で約700冊、2022年度には他の出版社のタイトルも導入される。

 参加者からは、「ページ送りがスムーズで読みやすかった」「図書の時間の読み聞かせをYomokka!を使ってやろうと思っている」、一方で「授業でYomokka!を使おうと思うとトップ画面で寄り道してしまう子どもがいそう」などの意見が出された。

授業や家庭での活用場面を考える

 実際に体験しながら、どのような本が読めるのか、ページ送りはスムーズに行うことができるか、読みやすさはどうか、などを確認しながら、電子書籍を授業や家庭の場でどのように活用できそうかを考える機会となった。 

 齋木氏は最後に、「デモIDでどんどんYomokka!を触ってもらって、こんな機能があったらいいのに、などの意見を出してほしい」と参加者に促した上で、「GIGAスクール構想によって1人1台端末の活用が進んでいると言われているが、ポプラ社としては、端末や接続状況、学務アプリなどの整備で終わりではなく、ぜひ子どもたちが読むコンテンツにも目を向けてもらえたらと考えている」と締めくくった。

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