キシリトールで健康な歯に なぜむし歯になるかを知り予防法を学ぶ オンラインで「歯の健康づくり講座」

 歯の健康を守るための学校プログラム「楽しく学ぼう!歯の健康づくり講座」が9月15日、栃木県さくら市立上松山小学校(小竹伸一校長)でオンラインにて行われた。この授業は(公財)日本学校保健会が企画・監修/共催し、(株)ロッテが協力したもの。同校の4年生77人が約45分の授業を受け、むし歯予防の重要性を学んだ。

【協賛企画/(株)ロッテ】


講師は日本大学歯学部・尾崎教授

 講師は日本大学歯学部医療人間科学分野の尾崎哲則教授が務め、「むし歯はなぜできるのか」「むし歯を予防するにはどうすればいいのか」の2つのテーマで授業を行った。子どもたちはむし歯のメカニズムに興味津々で、最後まで意欲的に学んでいた。

むし歯の進行プロセスを解説

 授業はまず、歯の構造の紹介、むし歯の進行プロセスの解説からスタートした。

 尾崎教授は、分かりやすく順を追って次のように説明していく。

 「噛み合わせ部分に小さなむし歯ができたときは、まだ痛くもかゆくもありません。もう少しむし歯になると冷たいものを食べたときなどにしみてきます」

 「学校の検診で『すぐに治療しなさい』と言われても放っておくと、歯が欠けて歯髄(しずい)という歯の神経までいってしまい、そうすると痛くて眠れないほどになります」

 「もっと深くなると神経が腐ってしまって今度は痛みがなくなります。噛める歯ではなくなって歯の根っこに膿(うみ)がたまってしまいます」

動画を交えてむし歯のメカニズムを解説

 次に、「むし歯はなぜできるのか」を知るためにビデオを視聴。

 尾崎教授は「登場したのは、歯・口、むし歯菌(ミュータンス菌)、食べ物(お砂糖)、歯垢(しこう)、酸の5つでしたね」と確認した上で、「むし歯菌は口の中にいます。歯・口とむし歯、食べ物がバラバラでもむし歯になるのでしょうか。むし歯菌1人でむし歯になるのでしょうか」と問い掛けた。

 「口の中のむし歯菌はお砂糖が大好きなので、お砂糖を食べながら仲間を作っていきます。そして、がっちりとスクラムを組んで歯垢(しこう)を作ります。さらに、歯の上に酸を吐き出します。これがむし歯になります」

 「歯とむし歯菌と食べ物が重なって黒くなってしまったのがむし歯です。このむし歯発生の3つの要因をカイスの輪と言います」

 「この3つの要因が重ならないように、むし歯菌や食べ物を歯の表面から取り除くには歯みがきが大切です」などと解説し、授業はむし歯予防の話に進んだ。

むし歯の予防方法を伝授

 「むし歯を予防するには、歯みがきをして、むし歯菌やお砂糖を歯の表面から取り除くことが大切です。でも、むし歯菌と食べ物がくっつくと酸が出てきて歯を攻撃してしまいます。そこで、その酸から歯を守るために、歯の表面を強くするフッ素(※)の入った歯みがき粉を使いましょう。お家で使っている歯みがき粉を見て「フッ素配合」と書かれていれば、むし歯予防のある歯みがき剤です」などと歯みがきとフッ素の有用性を説明。

実習で用いた2色のガム

 さらに、尾崎教授はキシリトールという物質について話を進める。キシリトールは砂糖と同じくらい甘いのに、むし歯菌におかされず、歯垢も作らず、酸も作らないから、むし歯の発生を防ぐ効果があることを伝えるとともに、「でも、どんな食べ物にもキシリトールが入っているわけではなくて、おいしい食事を作るにはお砂糖は大切な役目をしているので、食後の歯みがきは大切です」と説いた。

 また、むし歯予防のためによく噛んで食べることの大切さを強調。早寝早起きすると朝食の時間を取ることができ、食べ物をよく噛むと脳の刺激になって勉強にも身が入ることなどを伝えた。

実際によく噛む実習を

 授業は、よく噛むことを学ぶ実習へと進んだ。

2色ガムで咀嚼(そしゃく)状況を確認した

 子どもたちには、キシリトール入りの赤と青のガムが配られた。その2色ガムを口に入れ、尾崎教授の合図で噛み始める。「1、2、3…」のカウントに合わせて噛み、60数えたところでストップ。よく噛んで混ざり合うと紫色になり、よく噛んでいないとまだら模様になる。噛み終わったガムを取り出し、60回噛んだ後の自分の歯、口、ガムの様子をチェックした。

 「よく噛むと唾液がたくさん出てきて、歯の表面はつるつるに、口の中はさっぱりするはずです。唾液は99.5%が水分なので、口の中をきれいにする、酸の力を弱らせるなどの働きがあります」と説明し、よく噛むことが歯、口の健康の秘訣だと強調した。

むし歯から歯を守るためのまとめ

 最後に、むし歯から歯を守る方法を確認した。「歯をみがく」「フッ素入り歯みがき剤を使う」「規則正しい生活をする」「よく噛んで食べる」「ダラダラ食べたり、ながら食べをしたりしない」「歯医者さんへ定期的に行く」――の6つだ。

 終わりに、尾崎教授はキシリトールの故郷は白樺が多く生えるフィンランドで、キシリトールの原料はその白樺であることを伝えた上で、「歯・口の健康を守ってくれるキシリトールを作るために、自然環境を大切にすることも忘れないでください」と締めくくった。
 参加した児童からは「今日の話を聞いて噛むことが大切だと分かってよかった。これからはよく噛んで食べるようにしたいです」との感想が語られ、授業が終了となった。

※フッ素…ここで言うフッ素とはフッ化物のこと。

制作:教育新聞ブランドスタジオ 

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