GIGAスクール本格運用に向け動き出す教育現場へ

 Society5.0時代を生きる子供たちに「個別最適化され、創造性を育む教育」を実現することを目的に、児童生徒1人1台の端末と教育現場の高速通信環境の整備などを進める『GIGAスクール構想』。今後の教育革新の背中を押すものとして注目を集めているが、大きなムーブメントであるために学校現場における反応が気になるところだ。前倒し実施となった2021年度は、「とにかく使ってみる」段階の自治体・学校も少なくなかった。2022年度は、まさに本格的な運用が求められている。GIGAスクール構想の現在の視界に焦点を当ててみる。

【協賛企画:EDIX実行委員会】

さまざまな授業形式の組み合わせを

 “とにかく使ってみた”上での課題としては、「運用の地域差」「教員への負担集中」「指導用端末が古い・未整備」などという項目が上がっている。これらはGIGAスクール以前から指摘されていたもの。“使ってみた”ことでより課題が顕在化したわけで、当然、着実な改善が次のステップとなる。

 一方、“使ってみた”ことで発見したメリットを、いかに定着させていくかが、今後学校現場や自治体には求められる。例えば、コロナ禍で制約された活動の一つが校外学習だが、オンラインで社会科見学を実施した小中学校も少なくない。首都圏のある中学校はこれまで県内の工場見学を実施していたが、昨年度はオンラインで九州の自動車工場を見学場所にした。校長は「移動距離の制約から解放され、実質、どの地域でも対象になる」と語り、海外の学校との交流も積極的にチャレンジしている。ただし、現状の指導環境では遠隔地と結んだ学習には不十分であるとも指摘する。文科省は次のステップとして教室環境の改善も予算に盛り込んでいるが、教員1人1台に加えて、高機能なカメラ、マイク、スクリーンなどの整備と言った整備が早急に望まれる。

 また、コロナ禍での学習は、対面の授業以外にも、リモートでのライブの授業、そしてオンデマンドでの授業動画を視聴するなど、多様な授業形式を体験することになり、そのメリットを発見することになった。こうしたさまざまな授業形式を的確に組み合わせ展開していくことが、教育の「個別最適化」の実現に向けて重要になる。

教育の将来像を共有しよう

 今後、ICT活用をさらに深化させていくためには、学校、児童生徒、保護者、地域が、GIGAスクール構想で実現する教育の将来像について、共通理解をいかに図っていくかが重要だ。ICTが浸透した将来の学校でどんな教育活動を展開したいと考えるのか、そのためには、いま何をするべきなのか。いわばバックキャスティングの考え方で未来の目標を設定し、その時点から振り返れば、現在するべきことがはっきりしてくる。

 その意味では、1人1台が本年度からスタートするとともに、「情報Ⅰ」が始まる高校の現場で、どのようにICTを活用するのかは、小中学校にとっても重要になる。例えば、高校でのプログラミング学習の内容を踏まえれば、中学校段階、小学校段階でどのような学習活動が必要になるのかも、自ずと変化せざるを得ない。

 高校では保護者負担で生徒1人1台のPCを揃える例も少なくないが、自分の持ち物であるPCのほか、スマートフォンを使い、さらにPC室の端末も併用することが可能な環境が生まれる。授業のリポートやプレゼン資料、日々の学習内容もクラウドに蓄積していけばポートフォリオになり、次の進路だけでなく将来にも生かすことができるだろう。

 いずれにしても、教育の将来像を思い描くには、先進校の実践事例から学んでいくことが重要だ。また、ICTに関しては最新技術に触れることから、新たな授業像を想像することも可能だ。その意味で、今年の教育総合展「EDIX」では、こうしたGIGAスクール構想で大きく変化する学校の改革に役立つ、新しい技術やシステムなどが展示され、多彩な専門家によるセミナーなどがラインアップされている。EDIX事務局の花籠良氏は「EDIXは出展社数・製品数・規模で日本最大の教育総合展です。来場された方からは『子供たちにこんな授業を受けさせたい』と、自らもわくわくさせられると言っていただいております。教育委員会や学校の管理職、ICT担当者には、子供たちの教育環境をもっと良くするためにぜひ会場に来てほしい」と呼び掛けている。

教育総合展 EDIX webサイト

[教育新聞ブランドスタジオ制作]

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