図書館標準の達成校増加 学校司書配置率も伸張【学校図書館特集】

第4次学校図書館図書整備計画

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文科省「学校図書館の現状について」(クリックで拡大)

今年度で、平成24年度からの「第4次学校図書館図書整備5か年計画」は最終年度となる。5年間で1千億円の地方交付税措置が講じられ、増加・更新冊数を含む図書標準を達成した小・中学校が増加した。また努力義務ではあるが、一昨年に法制化され、昨年4月から施行された学校司書の配置率が伸びている。学校図書館を取り巻く環境整備は、年々進んでいる。その一方で、交付税措置の中で、学校図書館を充実させるのに十分な予算化が講じられていない自治体があり、その温度差が大きい。

学校図書館は、読書をする読書センターであるだけでなく、授業に役立つ資料を備える学習支援センターの機能をもつほか、インターネットに接続できるパソコンを配置するなどして情報活用能力を育成する情報センターの側面もある。このような機能を十分に活用できるように、図書の整備と人材の配置などの充実が目指されている。

公立小・中学校が学校図書館に整備すべき蔵書の基準を示した「学校図書標準」を達成した小学校は、25年5月1日時点で60.3%。前年比3.5ポイントの増となった。中学校は47.5%から50.0%に伸張した。

第4次整備計画から開始された新聞配備は、それ以前と比較して倍増以上となった。小学校は22年に16.9%だったが、26年には36.7%。中学校は14.5%が31.8%となった。それでも、全校配備にはまだ遠い。

学校が学校図書館の活用のねらいや方針などを独自に定める「学校図書館全体計画」の策定状況をみると、26年が小学校85.6%(1万7235校)、中学校72.9%(6967校)。同計画がスタートした平成24年度に比べる、小・中学校ともに5ポイント以上増加した。

整備計画では、人材配置のためにも財政措置が講じられている。学校司書は、26年6月に改正学校図書館法が成立し、学校司書がはじめて法律上に位置付けられた。

施行は昨年4月1日からだが、それ以前の「いわゆる『学校司書』」は平成26年調査によれば、小学校で配置率54.4%で、前回調査の24年よりも6.6ポイント、中学校では53.1%で4.9ポイント、それぞれ増加している。

司書教諭は、必置の12学級以上は小・中学校ともに9割以上となっており、配置率は頭打ちの状態だ。小学校は98.4%で前回調査比1.2ポイント減となった。中学校も98.4%から97.2%と減した。

文科省省初中局児童生徒課の担当者は「学校図書館は学校の中心となる重要な施設だ。蔵書と学校司書の充実に向けて各地方公共団体には努力してもらいたい」と話す。

第5次整備計画に向け論点整理案 学校図書館有識者会議で

図書館資料の充実など柱に

平成29年度からスタートする「第5次学校図書館図書整備計画」の策定に向けて、文科省は昨年6月に、学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議(座長・堀川照代青山学院女子短期大学教授)を設置。今年3月には、図書館資料の充実や学校司書といった専門的人材の育成などを柱にした論点整理案を示している。

同案では、学校図書館には、10年以上経過した図鑑などが配架されている場合があると指摘。図書館資料の適切な廃棄と更新が重要として「廃棄基準」を設けるよう求めた。

学校図書館の運営に関わる学校司書については、十分な知識や技能を習得できるように国がモデルとなるような研修プログラムを作成するよう明示した。小規模の地方公共団体では単独で研修プログラムを考案するのが困難であるとの背景がある。

また学校図書館が長時間開放されるように、児童生徒が登校してから下校するまで開館に努めるのが重要と強調。読書の場だけでなく、学校になじめない子どもの居場所としての役割を果たすねらいもある。