座談会「安全安心な学校給食を実現」 part2

「衛生管理など様々なリスクを想定した学校給食実現のための課題」をテーマに学校給食関係者が集まり、座談会を行った。


 

司会 そうしたところにも、日頃の学級経営や食育の実態が表れるようですね。災害対応については。

給食施設を第三者の目で 栁沢氏
給食施設を第三者の目で
栁沢氏

栁沢 私が勤務している学校では、体育館の横に給食室があります。避難してきた人たちの食事を提供できるようになっています。学校は災害時の拠点となるので、調理室は重要な施設です。

熊谷 熊本地震では、弊社のサービス担当者が県内を回りました。地震発生の1週間後に、依頼を受けた学校に点検に行きました。冷蔵庫などが転倒したり、ずれが生じたりした所が何カ所かありました。すぐに調整して稼働できた学校もありましたが、本当に被害が大きい地域では、建物が立ち入り禁止になっているほか、ガスや電気などのライフラインが使えない状況でした。

司会 給食現場にメッセージを。

最新機器で衛生管理を 熊谷氏
最新機器で衛生管理を
熊谷氏

熊谷 学校給食を提供している人の努力には、本当に頭が下がる思いです。われわれは、熱さを伝えない低輻射の回転釜であったり、節水できる洗浄機であったりと、作業がより軽減できる技術革新の開発を進めています。最新機器をそろえた給食室であれば、作業の負担軽減もでき、異物混入や衛生管理に関する注意力が保たれると思います。また換気や清掃がしやすい設備などのハード面で総合力を上げていけば、事故が1件でも減っていくのではないかと考えています。そういった意味ではまだまだやらなければならない取り組みは、たくさんあると思っています。

栁沢 衛生管理の観点から、調理員や栄養教諭らが互いの施設を見合う研修会をしているところもあります。すごく有効な活動です。第三者の立場から現場を見たり見られたりするのは非常に大事です。学校給食を管理する立場の学校長や教育長も一緒に来ていただければ、ありがたいです。違う視点から見ると「こういう点がおかしい」「あの場面では本当は手洗いをしなければならないのでは」など自分では気が付かない点も指摘してもらえます。そういった機会を増やしていってほしいです。

中村 私は自分の仕事でいつも心がけているのは、現場から学ぶという点です。現場を大切にするということです。衛生管理についても同様です。現場でどういった作業をしたらよいのか、常に考えています。こうした中で、現場で働いている人たちに「言われたからやるのではなく、やらなければいけないからやる」と言っています。こうした点も踏まえ、学校給食の現場で働く従業員に対しての教育をしていかなければいけません。いろいろな話を聞きながら、特に調理機器メーカーや洗剤メーカーの人たちが、現場で常に前を向きながら、どうしたらよいものを学校給食現場に提供していけるのかを、いつも考えているのが印象的でした。これは、たいへん勉強になるところです。

肌に優しい洗剤で洗浄 岩間氏
肌に優しい洗剤で洗浄
岩間氏

岩間 洗剤はより殺菌効果の高いものを追い求めがちですが、基本は洗浄だと考えています。汚れがなくて、はじめて殺菌なり消毒ができるのです。手指であれば、本当に汚れの部分だけを落として、実際に人間がもっている健全な皮膚をどれだけ傷めずに洗浄力を保つのかが、よりよい洗剤だと思っています。昔のように、固形石鹸を使って、泡立てに一生懸命になっては、刺激を与えてしまいます。ですから泡を軽くもむだけで泡が増え、手により優しいかたちで、洗えるようにするのが、理想の形です。洗剤のほうも少しずつですが、進化はしていると思います。

齊藤 ヒヤリハット事例があった場合は、事故を起こさないために何ができるのか情報共有し、改善につなげてほしいと思います。それと、使い捨て手袋を装着すると安心感から器具等を触った手で食材を触ってしまう場合が見られます。使い捨て手袋の使い方について、手袋を使用する目的や必要性を理解し、どの作業で手袋を使用するのか、しっかりと認識しなければなりません。

座談会「安全安心な学校給食を実現」 part1に戻る