最新機器でおいしい給食 東京都豊島区立目白小学校 

郷土料理など和食を提供
保護者向け試食会も開催

東京都豊島区立目白小学校(宮澤晴彦校長、児童数594人)は、今年で創立87周年を迎える。1年半前に新校舎が完成し、単独校方式の給食室は約300平方メートルの広さがある。集中排気で空調負荷を低減し、エネルギーコストや二酸化炭素の排出量も削減できる最新機器を設置している。
都内でも数少ない食物アレルギー対応調理室を設け、これまでのアレルギー対応をより確実に実施しているのが、特長のひとつ。食物アレルギー児童のために他の食材と混ざらないように配慮している。

献立では和食に力を入れ、地方の郷土料理も提供している。また給食の献立を学校のホームページに公開している。
調理室には、従来よりも輻射熱を抑えた涼厨対応のガス機器を数多く設置。煮たり炒めたりと活用できる回転釜を4台設けている。二重構造と燃焼排気を上部に集中排気する煙突構造により、機器表面を触っても熱くならず、やけどの心配がない。機器前での作業でも暑さをそれほど感じず、効率的に調理ができる。

加熱処理した野菜などを急速冷却する真空低温冷却機も大活躍。急速冷却することで危険な温度帯を回避するので食中毒防止にも効果的だ。児童らの食の安全安心に、一端を担っている。
ガススチームコンベクションオーブンは、多様な用途で活躍する。スチーム(水蒸気)とホットエアー(熱風)の量を設定して調理する。▽焼く▽煮る▽炊く▽茹でる▽蒸す▽温めるの多機能加熱調理機器。約600人分の食材を一気に調理できる。

また3釜同時に炊ける炊飯器を3台設置している。おかゆや炊き込みご飯、無洗米にも対応。最適な火力で、おいしい米飯が提供できる。
安全対策も十分。万が一未着火や失火、停電、空焚きなどが発生したときには、即座にガスを遮断する。ランプとブザーで知らせる自己診断機能が付いている。
このほかフライヤーもあり、さまざまなメニューが用意できる体制を整えている。

こうした最新設備も整えている同校では、和食に力を入れている。
ホームページには「給食だより」というコーナーを設け、その日の給食メニューを写真付きで公表。クリックすると、食材や調理法の概要、盛りつけの工夫など、食育を意識した解説文が掲載されている。

ごはん、味噌汁、魚、和え物の一汁二菜を基本とした和食を週2回提供
ごはん、味噌汁、魚、和え物の一汁二菜を基本とした和食を週2回提供

6月1日を例にすれば、「牛乳、ごはん、白身魚の甘酢だれ、野菜のごまあえ、なめこ汁」がこの日の献立。「なめこを覆っているぬめり成分は『ムチン』という食物繊維です。お腹の中をきれいにそうじしてくれる効果があります」などといった食の豆知識を加えている。
食の欧米化が進んでいる昨今、献立を考えている神山弥沙子学校栄養職員は、「週に2回は和食を出しています」と話す。ごはん、味噌汁、魚、和え物の一汁二菜が基本だ。栄養価の高いひじきや切干大根などを月1回は提供しているとも。

郷土料理のメニューでは、これまで、秋田県の「きりたんぽ汁」、青森県の「せんべい汁」、東京下町の味である「深川飯」も手がけた。子どもたちからは大好評だったという。
保護者向けには給食試食会を実施している。レシピを尋ねる保護者もいるという。

大野一美副校長は「最近の各家庭では子どもの嗜好に合わせ、骨のある魚料理を作る機会があまりないと聞きます。本校では、和食をできるだけ多く提供しています。先日もししゃもを初めて食べた児童が、『おいしい』と、はにかんでいました」と笑顔で語っていた。