社会科や理科実験 ICTで印象を強化【情報教育特集】

写真を使って社会科の授業を行う松永主幹教諭
写真を使って社会科の授業を行う松永主幹教諭
効果的な活用で理解深める
湘南工科大学附属高等学校

湘南の海風を感じられる場所に建つ、神奈川県藤沢市の湘南工科大学附属高等学校(長谷部攝校長、生徒数1702人)は、▽技術コース▽進学アドバンス・スタンダードコース▽体育コース——の3コースを設置。技術コースでは、湘南工科大学と高大接続を行い、生徒が大学で受講するカリキュラムを設定している。

同校の特色はそれだけではない。

入り口から校舎に入ると、目の前には大きなモニターがある。連絡事項があるときは、このテレビを掲示板として利用する。生徒たちが朝すぐに確認できる場所に設置した。同掲示板はピロティにも。生徒たちは、学級以外の場所でも目にし、内容を把握できる。

同校では、富士ソフト(株)の「みらいスクールステーション」を活用。連絡事項の伝達以外にも、体育祭の写真や入賞したスポーツ大会の様子を映し出している。

最も力を入れて取り組んでいるのが、授業での活用だ。モニターは全学級および選択授業用教室に設置されている。活用されているのは、主に社会科や理科の実験や実力テストのリスニングなど。サーバーにコンテンツを入れておくと、リモコン1つでデータを呼び出せるようになっている。

取材に入ったのは、主に進学アドバンスコースの3年生が選択している日本史の授業。登壇した総務部主任の松永一彦主幹教諭は、サンフランシスコ平和条約の話をしながら、当時の吉田茂首相の写真をモニターに映す。

昨年度に担当した第二次世界大戦の授業では、戦時中の動画を観せた。要所で使用し、生徒の印象に、強く残すのがねらいだ。

同教諭は「講義形式の授業が多くなりがちだが、写真や動画を適時に使用すると、効果的に印象に残る。そうすると、問題に対したとき、生徒たちが自分の引き出しから答えを出してきやすい」と話す。

写真を見せるだけではなく、教科書に載っている図や表をモニターに表示させ、指示棒での説明も行っている。全員が同じ部分を注視し、理解が図られる。教員からは、生徒の理解度を推し量りやすい。こうした点は「効果的だと思っている」と話す。

メディア情報部主任の高橋佑輔教諭は「聞くだけだと理解に限界がある。視覚効果は十分あると思う」と語る。

テレビの活用は、朝礼でも。同校では、月に1回、朝礼を実施。晴天時にはグラウンドで行い、雨天時には校長室から中継し、全学級にライブ配信している。

小原久直教頭は「伝えるべき内容が全学級統一で伝わる。電子掲示板から情報を得るので、生徒たちは、それに対応した行動を取るようになっていく」と述べた。他にも、生徒会の立会演説の配信、写真部や放送部での作品批評会や作品上映などでも活用している。

また保護者会では、担任が修学旅行のスナップ写真を保護者に画面で見せている。保護者から笑いが起こり、いい雰囲気で行えるという。廊下やピロティのモニターでも示し、保護者が生徒たちの普段の様子を見られるような工夫も。

同教頭は「データをサーバーに入れておけば、どの学級でも使用できる。コンテンツをたくさん増やし、いろいろなところで使えるようにしていきたい」と述べた。さらに、特別授業の中継も実施。本来なら100人以上集まって同時に受けなければならない授業でも、中継を利用すれば各学級で受けられる。移動に時間がかからないので、時間通り始められる。その際は、担任が各学級で生徒たちを見守る形を取る。これは、視聴覚室や体育館などを利用した授業で実施されている。

高橋教諭は「動画も保存できる。リモコン操作ひとつでできるので、難しさは感じない」と話した。同校では、導入当初からモニターリモコンの貸し出しのチェックを行っている。貸し出しは毎日行われているという。生徒や保護者の反応を見た教員が、積極的にICTを活用している姿が、そうした姿にも浮き彫りになっている。

【戻る】