小さな積み重ねが改善に 鈴木みゆき和洋女子大学教授

和洋女子大学人文学群こども発達学類こども発達学専修学類長の鈴木みゆき教授に、「早寝早起き朝ごはん」の活動について、専門家の立場から話を聞いた。

同教授は、今年3月には「最近の中高生を取り巻く生活の実態と課題・問題点」「中高生を中心とした子供の生活習慣づくりに関する支援・普及啓発」をまとめた「中高生を中心とした子供の生活習慣づくりに関する検討委員会」の委員を務めていた。

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——朝ごはんについて。

明け方の体温は低いが、脳と体を動かしていくため、起き上がると上がる。体温を上げるにはエネルギーとなる朝ご飯が必要。

——早起きについて。

昼行性の私たち人間は、体内時計が地球のリズムより若干長い人が多い。本来は夜更かしや朝寝坊をする方が楽だが、そのままいくと地球のリズムとずれる。ずれを防ぐため、朝の光で体内時計を調節する。夜更かしはリズムを崩す。

——夜更かしのメンタルへの影響について。

気持ちや情緒をコントロールする重要な脳内ホルモンのセロトニンが、夜更かしや不規則な生活によって出にくくなる。セロトニンの枯渇により▽うつが発生▽攻撃的になる▽イライラする——などが起こる。子供が小さいほど、攻撃は外に向かう。

——子供たちが意欲的に取り組むには。

子供が「夜は寝るもの」「寝た方がいい」とメリットを感じられ、安心、安全に眠れる環境が大切。「朝起きると気持ちがいい」「朝お腹が空いた」などの体の感覚を、子供が認知する必要がある。睡眠不足などのリスクを伝えるのも大切。親が、社会全体が、ワークライフバランスを考えなければならない。

——子供と親に何ができるか。

「朝カーテンを開ける」「簡単な朝ごはんを作る」からでいい。親が「できた」と思うのが大切。小さな積み重ねが大きな輪になっていく。

——課題は。

時間的、経済的に厳しい親を地域でどう支えていくか。地域の人が朝ごはんを作り、夜回りしている地域がある。家庭教育も大切だが、地域全体で支えていくシステムを機能しないといけない。

——年代別では。

幼児期は、親の家庭環境や生活環境、夫婦関係などが大きく影響する。親子で家庭のルールを作るのが良い。小学生は、友達同士で「この時間になったらやめよう」とルールを作る。
中高生にはSNSが関係している。SNSもいいが、直接話すのもおもしろいと思える体験をする必要がある。マイルールを作り、マイコントロールができると良い。

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