主体的な習慣作りを目指す 石鍋浩全日中生徒指導部長

「SNSで生活習慣を乱さないよう指導するとともに、家庭で学習する意欲と習慣をつけさせる。そのためには生徒、保護者、教員への継続的な指導・啓発と、宿題の出し方など工夫が必要」と、全日中生徒指導部長で、東京都港区立御成門中学校の石鍋浩校長は指摘する。課題と方法を聞いた。

◇ ◇ ◇

——生徒の生活習慣が乱れる原因は。

いまはLINEなどで仲間を作る。夜中でもすぐに返信しようと、寝ていない。対戦型のオンラインゲームが流行っていて、夜中でもやってしまう。必然的に生活習慣が乱れる。これは全国的な傾向。だが裏の原因には、保護者、家庭環境の問題がある。保護者が無関心で、放置してしまい、SNS依存から脱却させられない。

——教育現場が取っている対策は。

例えば東京都では、セーフティー教室を開き、生徒にSNSの危険性を教えている。

道徳教育など、日々の積み重ねも重要だ。SNSでのいじめが、どれだけ相手を傷つけるか。思いやりを持ち、相手の尊厳を尊重する重要性を日々伝えている。対処的な指導と、日々の継続した教育のバランスが大切だ。また、保護者にも講演や学校便りで啓発活動を行っている。

——管理職として、教員への指導法は。

SNS対策をテーマにした教職員研修や会議は重要だ。教員は多忙なので、私個人は、既存の会議に組み込んでいる。ミドルリーダーが集まる毎週の会議で、SNS対策について意見交換する。それだけで、ずいぶん意識が変わるし、継続できる。

——生徒に学習習慣を身につけさせるには、どうすればいいか。

東京都教委が昨年、SNSの学校ルールを各学校で作りなさいと指示を出したとき、本校では3年生有志が後輩のためにルールを作った。その際に一番目に挙がった目的が、「学力向上のため」。生活リズムを正し、学習習慣を身につけると学力が向上すると、生徒たちも分かっている。生徒主体の取り組みは意識啓発に大変役立つ。

——主体的に取り組ませる方法は。

例えば本校は、東京都教委の言語能力向上拠点校に指定されており、生徒同士の話し合い活動や、言語活動の充実などの授業改善を全校で行っている。そういう場に生活習慣を課題として提供していくと、深まっていくと思う。日常の学校の研究活動のベースに組み込むだけなので、継続性も高まるし、負担感も大きくない。

——学習習慣についてはどうか。

生徒が主体的に学習習慣を作るほうが、やはり学力は向上する。目指すのはそこだ。学習の場を、家庭につくる。それには学校が宿題を工夫する。家庭学習の方法も指導が必要だ。そしてさらに一歩踏み出さないと、勉強が苦手な子は、学習習慣と生活習慣が身につかない。自己肯定感どころか、宿題をやるたびに自分は駄目だと苦痛を感じてしまう。また、さまざまな事情で、家庭学習できる環境ではない生徒もいる。そのような生徒のためには、学校に学習の場を作らなければいけない。

生活習慣と学習習慣は一朝一夕にはできない。ベースは家庭なので、保護者と地域と学校が、タッグをどう組んで継続するかが重要だ。

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