東京都杉並区立三谷小学校

和食推進で社会性向上
健康教育で生活習慣の改善へ

漁師をゲストティーチャーに招いて行ったサケの解体
漁師をゲストティーチャーに招いて行ったサケの解体

本校(山岸一良校長)は平成25年度東京都健康教育健康づくり(保健安全)優秀校となり、26年度文部科学省推進モデル事業としてスーパー食育スクールを実践。文部科学省健康教育表彰校となった。「三谷すくすく健康計画」(健康教育全体計画)を柱に実践を重ね、「いのち」につながる食習慣、運動の日常化、早寝早起きの推奨をコミュニティスクールとして地域に発信している。

食育では、指導計画を作成し、学校・家庭の食習慣の改善を図っている。28年度東京都アクティブライフ研究実践校として、さらなる健康づくりの実践活動を、地域も視野に入れて進めている。

スーパー食育スクールの実践報告会では、「和食を推進する中での社会性の向上、生活習慣の改善」を、(1)実態調査からの給食の教材化(2)保護者への啓発(3)生活科、総合的な学習の時間の充実(4)地域交流や体験活動を取り入れた食育体験——を通して発表した。そこでは、子供だけでなく、教師の意識も変えられていくことを、成果として報告できた。

第5学年の総合的な学習の時間では、「米」をテーマに、毎年、学習課題が決まっていく。「いのちをいただく授業・サケの解体」もその一つ。また漁協の漁師をゲストティーチャーに招き、50種類の魚を見比べられる授業(1・2年生活科)やサケの解体(5年生総合的な学習の時間)を行っている。

米づくりに関しては、水田を山梨県忍野村の農家と契約している。田植え体験、田んぼの観察、農家の仕事の聞き取り、秋の稲刈り体験、コンバイン作業の見学などは、体験に勝るものなしという意識を教員にもたせることにもなった。第1学年では生活科「給食室で働く人」、第2学年では生活科「野菜を育てよう」。第3学年では総合的な学習の時間「体によいおやつ」「卵焼き体験」、第4学年は「体によい弁当づくり」、そして、第6学年では「和食から世界の食を考えよう」と広がりを見る。

「食育活動」には、要としての栄養教諭が、時にリーダーシップを取り、時にアドバイザーに回り、担任、児童が安心して課題をもち、主体的に授業づくり、体験活動ができるような役割をもって取り組んでいる。「栄養教諭」の働きは、学校全体の取り組みとなり、学校づくりとなっていく。

▽地域ぐるみの学校経営を考える中で、地域交流(幼保小連携、近隣高校)や「弁当の日」を、食育の節目として大切にし、特色となってきた。

▽弁当の日は、自分で作る、感謝の気持ちを育てるというねらいから今後も続けてほしいという意見を保護者からもいただき、給食指導のひとつとなっている。保護者が忙しいほど、自分で調理ができる、自分のことは自分でするという姿勢をもつことが卒業までの目標である。

▽弁当の日には、低学年「おにぎりづくり」、中学年「おにぎりと卵料理のおかず一品づくり」、高学年は「弁当づくり」を自分の力で行い、給食の時間に試食会を開いている。

▽移動教室、田植え・稲刈り体験を行い、1月の収穫祭の際、校内産の野菜と新米で給食を実施し、地域の方、ボランティアの方を招き、感謝を形に表し、社会性の向上を図っている。

▽収穫祭に向けて三谷小作物暦を作成し、6年間・土と触れ合う体験を大切にしている。緑や自然の営みを感じながら「いのちを育む」学習も、食育には重要なポイントである。1年生ニンジン、カブ。2年生サツマイモ、大根。3年生大豆。4年生小松菜。5年生米。6年生ジャガイモと、「三谷カレー」の材料となる野菜栽培を行うのである。全校で「食育」を行っていくことで、学校全体の「自信と誇り」「慈しみ」など「生きる力」の内面を形成し、新しい特色ある取り組みとして、地域発信ができていく。

これらの取り組みの結果、健康・安全について具体的に何をどう学ばせていくか、教職員の意識の向上が見られただけでなく、結果が児童の体や心に確実に現われ始めてきた。地域運営学校としても、地域との連携や思いを組み入れながら、専門機関や幼保小、小・中・高校連携を探り、「共に育てる、共に育つ」を推進している文科省モデル事業「スーパー食育スクール」の実践を通し、健康づくり推進に取り組む地域の学校として力を重ねている。

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