高知県南国市立十市小学校

体験からことばの力高める
地域の店に児童作のカルタ掲示

「高知県を味わおう」をテーマにわら焼きでかつおのタタキ作り
「高知県を味わおう」をテーマにわら焼きでかつおのタタキ作り

本校(坂本一美校長)のある高知県南国市は、学校給食を中心とした食育から食をめぐる教育財産を積極的に学校教育へ生かしていこうとする取り組みを推進し、知育・徳育・体育に食育を加えた調和のとれた子どもの育成を目指してきた。

学校給食では「南国方式」といわれる自校方式で、地元の米を家庭用炊飯器で炊いたご飯を提供している。平成17年度には「食育のまちづくり宣言」「食育のまちづくり条例」を策定し、その基本理念にも「学校における積極的な活動の推進」が掲げられている。

こうした中、本校でも食育をキャリア教育の柱と位置付けて取り組みを進めてきた。27・28年度は文科省「スーパー食育スクール」の指定を受けて、児童の実態から「食と学力」をテーマとして「食育の実践から『ことばの力』を高める~主体的・協働的に学ぶ学習(アクティブラーニング)を通して~」を主題として取り組んでいる。

研究推進にあたっては学校全体で組織的に取り組むために主幹教諭を研究部長として、その下に研究主任、そして「生活改善チーム」「授業改善チーム」「食育チーム」の3チームを、栄養教諭を含む管理職外の全教職員で構成し、その3チームで児童の学習意欲の向上、表現力・活用力の育成を目指して、「朝食を中心とした生活改善」「生活科・総合的な学習の時間における食に関する指導の充実」「学校給食及び食に関する体験活動の充実」の取り組みを進めている。

1年目の27年度には「早寝 早起き しっかり朝ごはん」の生活習慣における数値が向上し、児童の生活習慣の改善と学力の向上につながるデータ、また睡眠時間との関係データが得られた。授業改善では「十市小式食育カリキュラム」を開発して、4年生の「高知県を味わおう」をテーマとした「かつおのタタキ作り」や、6年生の「十市自慢のお弁当作り」をはじめ、各学年で体験的な活動を多く取り入れた実践を進めることができた。

食育チームでは「給食もりもり大作戦」に取り組み、残食率が8.4%、6.8%(26・27年度平均)から今年度は1学期平均4.7%となり、事業の評価指標とした5%以下である。

また「ごとおちカルタ(食育カルタ)」の作製や「十市小食育検定」実施などの取り組みでは、児童の食に関する興味・関心が高まり意欲的に活動する姿が見られた。しかし課題としては、生活習慣が改善された児童の学力について「ことばの力」を中心とした活用力の高まりを顕著に示すまでには至っていないことがある。

そのため児童が主体的・協働的に学ぶ学習への授業改善を、一層重視していくことが必要である。学校の取り組みが保護者・地域へ一定の広がりを見せているものの、アンケート結果からは「学校の取り組みを知らない」(3.4%)という回答もある。児童の家庭に食への取り組みを広げるための工夫も必要である。

そこで28年度はカリキュラムの改善と充実、食に関する指導と他教科との関連の一層重視、食の体験で得た驚きや感動をことばの力(表現力)育成につなげる指導の工夫を進めてきた。

バランスの良い朝食に視点を当てた取り組みとともに、「ごとおちカルタ」や「食育検定」を活用した家庭・地域への発信にも取り組んでいる。具体的には食に関する活動と国語科の書くことを関連づけた指導の工夫を進めている。

また、主食におかずを合わせた朝食の70%達成も目指し、各家庭から募集した朝食レシピを冊子にして「わくわく とおちっこ 朝食レシピ集」の作製・配布を行う。さらには、地域との連携として、校区の量販店では児童作成のカルタが野菜や生鮮食品など、それぞれ関連する売り場に掲示されており、買い物する児童、保護者、地域の方の目に触れて学校の取り組みが校外へと広がっている。食育検定についても2年目は問題作成を児童が行い、各学年の体験から児童のことばで興味・関心を高めるものとなっている。

学力との関連においては、朝食の栄養バランスに視点をあて、高知県立大学健康栄養学部の協力を得て、年度内前後期の学力調査結果等との結果分析を進めている。

こうした取り組みの一端を授業を通して紹介し、ご指導いただく場として11月29日に「平成28年度スーパー食育スクール研究発表会」を実施した。

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