文科省初等中等教育局 藤原誠局長に聞く【大学通信教育課程特集】

文科省初等中等教育局 藤原誠局長
文科省初等中等教育局 藤原誠局長
義務教育学校スタートで 幅広い免許状のニーズ高い

全国の大学や大学院、短期大学で通信教育教職課程を設置し、さまざまな背景を持った人々が教員を目指している。こうした中で、文科省の藤原誠初等中等教育局長に、通信教育での免許状取得状況や教員研修の在り方などについて聞いた。

◇  ◇  ◇

——通信教育での教員免許状の取得状況は。

現在、通信教育教職課程を設置しているのは、28大学、18大学院、8短期大学。平成27年度に教員免許状を取得したのは6826人。学校種でみると、幼稚園教諭が5874件(延べ数)と最多だった。

幼保一元化で、幼保連携型認定こども園の設置が進み、保育士資格を取得できる専門学校に通いながら、通信教育で幼稚園教諭免許状を取得する人が多いようだ。次いで、小学校465件、高校284件、中学校228件の順。

——通信教育では社会人をはじめ、大学に在学しながら教員免許状の取得を目指す学生もいる。

社会人を経て教員になる人は、多様な経験をしている。こうした人が学校現場で活躍してくれると、他の教員にも刺激になる。さらに現在、団塊世代の大量退職で、20代の新任教員が増加している。それに伴い、30代から40代までの教員が少ない状況だ。社会人で培った経験を教育現場で生かし、若い教員と共に子供たちと向き合ってほしい。多様な人材が教育現場で教員として働いてもらうのは非常によいことだと思っている。

また今年度からは、小学校課程から中学校課程まで一貫して指導する義務教育学校がスタートしたほか、小中一貫校も増えており、複数の学校種の教員免許状を持つ教員のニーズは高まっている。小・中学校の教員免許状を取得することで、指導の幅が広がるのではないだろうか。こうした人にも期待している。

——今回の臨時国会では、教員研修などに関わる法案が成立した。

この法案は昨年12月の中教審答申を受け、今国会で成立し、来年4月から施行される。ミドルリーダーが減っている中で、これまでの十年経験者研修を見直し、中堅となる教員を育成するなどの改革案が盛り込まれている。教育委員会が主体となって、研修のフレームを作るのがこの法案の大きな柱だ。次期学習指導要領が実施される前に、アクティブ・ラーニングや小学校教科外国語(英語)、高大接続などを踏まえた研修の在り方を整えないといけない。

——教員は多くの子供たちの人生に大きな影響を与える存在ともなる。やりがいについて。

個人的な話だが、今でも忘れられない先生がいる。既に亡くなっているが、私の心の中には生きている。私が小学校2年生だった昭和39年は、ちょうど東京オリンピックで、サッカーブームでもあった。校庭で一緒にサッカーをしたり、相撲をしたりと、あの時の思い出は一生忘れられない。そういう思い出をもたらす存在になれれば、教師冥利に尽きると思う。これから教員を目指す人には、教え子たちの心の中で生き続けるような先生になってもらいたい。

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