パネルディスカッション・グループセッション【第14回博報教育フォーラム】

グループセッションで参加者に問いかける嶋野教授
グループセッションで参加者に問いかける嶋野教授
人の思いを感じられる体験を

基調講演とポスターセッションの後、受賞者らが登壇してパネルディスカッションが行われた。コーディネーターを務めたのは嶋野道弘・元文教大学教授。パネリストは鹿毛教授、池本喜代正特定非営利活動法人障がい者福祉推進ネットちえのわ理事長、岸田蘭子京都市立高倉小学校長、和田節子福島県飯舘村立飯舘中学校長。

「足もとにある宝もの」について和田校長は「学校活動を通して、子供たちはいろいろな人の思いに共感したり葛藤したりしてきた。その体験が宝ものに」。岸田校長は「学校の実践で伝統文化に触れ、縦と横をつないだり、他の地域をつないだりと、人をつなぐ要素が含まれているのが宝ものの魅力」。池本理事長は「子供の声掛けが地域や社会を変える一歩になる。子供たちの心を揺さぶり、心の動きを作っていくのが大切」——などと語った。

これを受けて鹿毛教授は「人の行動の背後にある気持ちに気付くのが大切。将来のために何かを残すのではなく、今残っていることが結果的に次につながっていく」と話した。

嶋野氏は「そこにある思いが大切。心の奥底にある宝ものもあれば、背後にある宝ものもある」と結んだ。

グループセッションでは、嶋野氏がフロアに、自身が持っている宝ものについて尋ねると、ほとんどの人が「持っている」と答え、グループで互いの宝ものを伝え合った。

フロアから発言した教員は「初任時に子供から『先生は無敵ではないけど不死身だ』と言われた。この言葉を胸に今も教育に向かっている」と話した。

その後、「足もとにあるものを未来をひらく宝ものにする方法」について話し合い、全体に向けて発表。▽体験活動▽子供が共感できる内容で、伝える側には熱さが必要▽自分たちの言動で人が喜ぶ姿を子供が感じられるもの——などが出た。

岸田校長は「実際に見る、行く、調べるなどの行動化が大切。子供が自分の実生活に落とし込んで結び付けられるか。自分事として引き寄せて考え、学びがいを感じられたら」と話した。

最後に鹿毛教授は、「子供がどういうところで笑顔になっているか、AIではなく人間だからこそできる教育を改めて見直す必要がある」とし、嶋野氏は、「時間をかけた足もとにある宝ものとの関わりは、未来指向性の高い教育の構築となる」とまとめた。

子供への強い思いが壇上とフロアを一つにした。