特別支援教育部門 特定非営利活動法人障がい者福祉推進ネットちえのわ【第14回博報教育フォーラム】

デモンストレーションで障がいの理解を深める
デモンストレーションで障がいの理解を深める
共に過ごすを当たり前に
特定非営利活動法人障がい者福祉推進ネットちえのわ

栃木県宇都宮市に拠点を置く特定非営利活動法人障がい者福祉推進ネットちえのわの吉永久美子理事は、「障がいを知る。共生社会を拓く。~障がい理解啓発活動を通して~」と題して発表。同法人は、障がいのある人が豊かな生活を送れるよう、研修会や障がい理解啓発活動、相談事業、政策提言などの活動を行っている。

児童生徒や教職員、地域、一般の人を対象とした出前授業は、障がいのある子供のいる母親たちが講師を務める。「当事者だから分かりやすい」「子供の心に響く」と評判になり、小学校でも実施した。

分かりやすく伝える工夫として、(1)障がいをイメージする絵本の読み聞かせ(2)デモンストレーションによる障がいの話(3)障がい(不自由)体験(4)事例紹介として、保護者による障がいのある子の話(5)人権作文朗読(6)まとめ——などで授業を構成する。

(3)では、手に障がいがある設定で、子供に軍手をはめてもらい、教科書をめくったり折り紙をしたり絵を描いたりする。また一般の人には理解されにくい自閉症の理解を推進するため、アイマスクを着けてこんにゃくや毛皮に触るなどの感覚過敏体験も。

(5)では、家族の思いを伝えるために、障がいのある子供の「きょうだい」が書いた作文を朗読。障がいのある弟がいる男の子の作文には「もっともっと弟のことを知ってもらってみんなで遊べたらいいなと思う。弟が大人になっても安心して生きていけたら」などの思いが込められていた。

授業の振り返りでは、▽障がいにはいろいろある▽体験を通して分かった不自由▽障がいがある子の話や作文——などについて考えた。子供たちからは「障がいがあっても、前向きに生きていることを見習いたいと思いました」などの感想が聞かれた。

同法人は宇都宮市と連携し、障がい理解推進のパンフレット作成や研修会も実施している。

同理事は「学校の授業で障がいについて学ぶのが子供たちの自然な理解につながる」とし、「障害のある子とない子が一緒に過ごすことで理解はより深まる。共に過ごす環境が当たり前になってほしい」と語った。

さらに、「障がいのある子が地域社会で当たり前に暮らしていくためには、その器となる地域社会に理解が広がっていくのがなにより大切だ」と結んだ。