主体的対話的深い学びに図書館 福岡市立西高宮小学校【学校図書館特集】

図書委活動を見える化
成就感を味わう中で活性化

 

わくわく文庫の貸し出し
わくわく文庫の貸し出し
◇日々工夫と改善

福岡市立西高宮小学校(御厨正治校長、児童数1097人)は、福岡市南区の住宅地に位置し、近くには、福岡市動植物園がある。

福岡市の学校司書配置の現状は、拠点校配置制度によるものとなっている。しかし、図書館教育を充実・推進する上で必要な学校司書の全校配置にはまだ至っていない。今年度は、本校は拠点校配置枠から外れており、学級担任を兼任しながらの司書教諭を中心としての取り組みを行っている。

そのような中で、その実践を充実させるために、図書委員会の活動の充実とボランティアの協力を得ながら、日々、取り組みの工夫改善を行っている。

◇読み聞かせで本の世界へ

近年児童は、保育園や幼稚園で読み聞かせによる言葉のシャワーをたくさん浴びており、読み聞かせが大好きである。
本校では、(1)わくわく文庫(2)ポケットぽっけ(3)つばめ文庫という3つのボランティア主催の児童への読み聞かせが行われている。

(1)わくわく文庫
PTA図書委員会の活動として、32人(各クラス1人)で当番活動している。

毎週火曜日に貸し出し返却を行っている。活動場所はPTA会議室。貸し出しは本校にある本と福岡市総合図書館から貸し出しを受けて行っている。児童と触れ合えるメリットがあり、保護者の間でも人気がある委員会である。

児童への貸し出し方法は、児童各自が貸し出しカードを4月に作り、カードに借りた書名を書く。中休みに返却し、昼休みに貸し出しを行う。年度末には20冊以上借りた児童には「最優秀賞」、15冊以上借りた児童には「優秀賞」の賞状を配布する。たくさんの児童がもらって喜んでいる。

(2)ポケットぽっけ

学年ごとに、水曜日の朝タイム(15分)に読み聞かせを行っている。年度当初、6学年分の学習内容を渡し、学年に応じた選書(行事・学習など)を行っている。

毎週金曜日には「お昼休みの読み聞かせ会」を継続して行い、低学年児童が参加している。内容は、読み聞かせだけでなく、大型紙芝居や手遊びなども行い、しおりの配布もある。

また年2回、「夏のお話会」と「冬のお話会」も実施している。「夏のお話会」では教頭が、「冬のお話会」では校長と私がパネルシアターや読み聞かせで参加した。

(3)つばめ文庫

読書月間の間に、全クラスで1時間、読み聞かせを行ってもらっている(公民館所属)。このように、児童はたくさんの読み聞かせを聞くことで、ますます読書に高い関心を持ち、紹介された本を読もうと、図書館を訪れることが増えた。

◇図書委員会の育成

児童が1千人を超す本校で学校図書館教育を充実させるためには、図書委員会の活動をマニュアル化し活性化し、活動の見える化を図る必要があると考えた。そのために、図書委員会を3部構成にしている。4月の委員会発足時に1つ目の係を決める。

(1)カウンター係=貸し出し返却と、本の修理および本並べを行う。

(2)新聞係=おすすめの本の紹介、お知らせやお願いを紙に書いて掲示し、情報を発信する。

(3)読み聞かせ係=週に1回、1年生の教室に読み聞かせに行く。

本校は運動場が狭いので、奇数日と偶数日で、昼休みの運動場使用が決まっている。委員の読み聞かせは、偶数日の昼休みに行い、それまでは選書と練習を行っている。

3学期制なので、図書委員は学期ごとに係を変わり、(1)(2)(3)の3つの係を1年間ですべて経験する。それぞれの係の仕方を見聞きしているので、アイデアを出したり、教え合ったりと、連携がうまくいき、成就感が味わえる。

特に読み聞かせ係は、はじめは読み聞かせがうまくいかず、緊張していた委員も、場数を踏むことで、読み聞かせが上手になり、選書も短時間で行えるようになった。

そして、何より、1年生と仲良くなれたことが委員にとって、価値あるものになった。

このように、図書委員会の活動を見える化したことは、6年生が卒業しても、3つの係を経験した5年生が次の新しい委員に常時活動を説明するので、4月からの委員会活動がスムーズに行えるというメリットがある。

◇毎月23日の「子どもと本の日」に全校放送

毎月23日は「子どもと本の日」である。その日の給食時間の後半、全児童向けに全校放送を行っている。内容は、「季節の行事・新刊のお知らせ・伝記の読み方・夏・冬休みに読んでほしい本・読書感想文の書き方・科学の本・あまり手にしない本(神話・算数の本等)」。

放送後、放送した本を図書館で探す児童の姿が増えた。担任によると、高学年児童が特に毎回楽しみにしているという。10分程度の短い時間だが、続けることは大切であると考える。

◇おわりに

平成24年度から実施された第四次学校図書館図書整備5か年計画は、28年度で終了となる。引き続き29年度から第5次学校図書館図書整備5か年計画が始まる。次期学習指導要領の主体的・対話的で深い学びができる児童の育成には、学校図書館の利活用が最重要と考える。

(司書教諭・佐伯まゆみ)

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