(インタビュー)学校司書養成で新講座開設 実践感覚を生かした研修を【学校図書館特集】

磯部延之全国SLA調査部長に聞く

「学校の中の学校」とも呼ばれる学校図書館。読書だけでなく、学習や、情報ニーズに対応する3つのセンター機能を担っている。司書教諭・学校司書の役割の重要性も増しており、文科省は昨年、学校図書館ガイドラインと合わせて、学校司書のモデルカリキュラムを定めた。(公社)全国学校図書館協議会(全国SLA)では、学校司書の専門性を高めるために、同協議会が作成し、学校司書独自の養成カリキュラムに準拠した新しい研修講座を開設する。同協議会の磯部延之調査部長に、学校司書の養成について聞いた。


磯部延之全国SLA調査部長に聞く
磯部延之全国SLA調査部長に聞く
――学校司書に求められている役割とは。

学校図書館は学び方を学ぶ場所。読書をすると、子供たちが成長する、生きる力が育つ、学力が向上するのが、さまざまな調査で分かってきている。しかし、学校図書館を学習に生かす視点は、まだまだこれからなのが現状だ。

学校図書館メディアとしての図書資料をはじめとする各種資料の収集・整理・提供、学習や授業への助言など、司書教諭や学級担任、教科担任と協力し、学校司書が充実した活動をすれば、子供たちの力はもっと伸びるだろうし、先生たちの意識も変わると思う。

そして管理職の意識改革。校長が学校図書館の館長となって効果を上げている地域がある。管理職の意識を変えていかなければならない。

司書教諭は、司書教諭として仕事をする時間がきちんと確保されていない半面、学校司書に期待されている役割は大きい。学校司書が司書教諭と連携・協力できる体制がとれるようにしたい。

――養成や研修で目指すものは。

学校司書はキャリアがさまざまなので、どの学校も高いレベルで平準化したい。自己流が蔓延するのが最も心配だ。研修を積んだり、常に新しい情報をキャッチしたりしていないと、「テレビで話題になっていて面白そうだったから」といった感覚で選書してしまう。

実践感覚をうまく生かした研修は、現場経験の豊富な私たちならではのものと考える。理論だけでなく、培った実践を踏まえた研修にしたい。学校司書が良くなるだけでなく、司書教諭が活動できる時間を確保し、さらには、学校図書館ガイドラインで示されているように、学校図書館長としての校長をはじめとする管理職の意識向上につなげたい。

――新設する講座の内容は。

学校司書に特化した、職分に見合うような研修内容に振り替えている。現場で培ってきた経験を盛り込んだ、現場感覚が生きる講座を開設する。

具体的には、レファレンスサービスを含め、どういうふうに図書館作りをすれば、子供たちに役立つ図書館になるか、満足してもらえるかを助言したい。実践的な内容も踏まえた話を聞いて、学校司書としての力を伸ばしてもらいたい。
聞いて終わる講座にはしない。

――その開催予定は。

7、8月の長期休業中に集中講座を行う予定。また、半年で1講座を受講できるような形で開講しようと考えている。

現在実施している「実践講座」でも、参加者は全国からどんどん増えており、遠隔地からも来て受講している。私たちもニーズに応え、全国で開講できるようにしたい。研修会の希望があり、条件が合えば、出張して対応したい。


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