司書教諭がマネジメントし探究へ 静岡県沼津市立静浦小中一貫学校【学校図書館特集】

「9年」の利点最大限に
教職員の共通理解で学び展開

 

担任と一緒に読書会をする生徒
担任と一緒に読書会をする生徒
◇学校図書館は三層構造

平成26年4月に開校した本校は、静岡県初の、新設の施設一体型小中一貫校である。小学校3校と中学校1校が一緒になり、全校児童生徒は258人、9学年が同じ校舎で学んでいる。

2階の中央玄関を上がってすぐの場所に、三層にわたる図書館が配置されているのが特徴である。2階は9類の文学の本を配架した読書センター、3階は0類から8類までを配架した学習センター、4階は進路学習で使う資料を配架したキャリアセンターとなっている。

◇全体計画立案しセンター機能充実へ

円滑な図書館運営のためには、「学校図書館全体計画案」が必要である。開校前の旧学校図書館は、学習センターとしての機能がほとんどなかったため、読書センター機能はもちろんのこと、学習・情報センターとして機能し、探究的な学びを支え、学力向上に寄与する学校図書館計画を立案し、実践してきた。

(1)読書センター機能―日常的に読書に親しむ子供に―

朝読書(午前8時から10分間)が週に4日あるため、自由読書だけではなく、授業に関連した読書も計画的に行うようにした。本は、週に1回、学校司書が朝読書を使って紹介した。

今年度は週に2回、4年生~9年生(中3)で月に1度程度(年間8回)を予定している。

また読書に親しみ、読書の幅を広げるために、ビブリオバトルを5年生以上で行った。この結果、友達が紹介してくれた本を読むようになってきた。加えて、本を読んで自分の考えを伝えたり、友達の考えを聞いたりする読書会も行った。読書会では、自分の考えを上手に伝えられた。

さらに、読書をすることで、学力向上に寄与できると考えているため、昨年度、外部の研究者と協力してデータを取った。今年度は、そのデータを読書実践に生かしていく予定である。

(2)学習・情報センター機能―探究的な学習に図書館を使うために―

探究的な学習を行うときに図書館を使う場合、探究の過程である「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」といった段階で、それぞれ必要な情報スキルがある。しかし、それらは各教科の中に埋め込まれているため、意識して指導していく必要がある。

そこで本校では、『すぐ実践できる 情報スキル50』(塩谷京子、ミネルヴァ書房、2016)に沿って、全校で情報スキル習得に取り組むようにした。一昨年度の結果から、教師が指導した情報スキルが意識化されるためには、教科・領域間をつなぐマネジメントが必要になるのが分かった。

そのため今年度は、各学年の授業を行う教員が集まって実施するカリキュラム会議のときに、スキルが必要な教科の単元を取り出して、どう指導するかについて打ち合わせることとした。学校図書館を全職員が意識できるよい機会となっている。

(3)探究学習のゴール

開校1年目から、プレゼングランプリを開いている。全校生徒による探究学習の成果発表の場である。そこで発表されたプレゼンスライドも学校図書館に蓄積され、次年度の資料として使えるまでになってきた。

◇学校図書館の必要性を全教職員が共通理解

本校の研修テーマは「9年間のカリキュラムマネジメントによる確かな学力の保証」である。本校の強みは、その研修を進める上で、学校図書館は必要であると教職員が共通理解しているところである。
これからも、専任司書教諭の立場を生かして、教員、教科・領域をマネジメントし、学校図書館を活用していきたい。

(専任司書教諭・小谷田照代)

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