各教科での情報活用能力を育成 京都市立唐橋小学校【学校図書館特集】

調べ方学び自ら探究
教員が図書館活用し授業構想

目次や索引を使って情報を見つける
目次や索引を使って情報を見つける
◇情報教育を研究の柱に

未来を生きる子供たちには、主体的で効果的に情報を収集、選択、活用して問題を解決したり、自分の考えを形成したりしていく力が求められている。そこで本校では、平成27年度から情報教育を研究の柱とし、各教科等において学習・情報センターとしての学校図書館を活用することで、情報活用能力の育成を目指した。

◇学校図書館環境を整備

各教科等の学習の中で学校図書館を活用し、情報活用能力を身に付けるためには、まず、いつでも誰でも学校図書館で学習できる環境を整えることが大切であると考えた。これまで、新刊図書やおすすめの本の紹介といった読書センターとしての環境整備は積極的に行ってきたが、学習・情報センターとしての環境整備を行うことに重点を置き、情報カードを子供たちが手に取りやすいカウンター横に置いたり、「テーマの決め方」「目次・索引の使い方」といった調べ方・学び方がわかる掲示をしたりした。また教室と同じように大型テレビや実物投影機などのICT機器を設置した。

このような環境を整備することで、教員が学校図書館を活用した授業単元を構想・実践しやすくなったとともに、休み時間に学校図書館を訪れ、掲示物を見たり情報カードを活用したりしながら調べる子供たちの姿が見られるようになった。

◇公共図書館との連携とブックリスト作成

各教科等で学校図書館を活用し、教科のねらいを達成するためには、ねらいにふさわしい図書資料を準備することが不可欠である。そのため、司書教諭を中心に京都市の指導計画に沿った選書を行うとともに、市の公共図書館と連携して学習に必要な資料を用意するようにした。公共図書館には「団体貸出」の制度があり、あらかじめ資料のテーマを伝えておくと、市内の公共図書館から集められた資料を借りられる。本校では、公共図書館から借りた資料について、学習のねらいを達成するのにふさわしい資料であったかどうか授業者が◎、○、△で評価し、その評価が高かった資料については、司書教諭が計画的に購入するようにした。

さらに、来年度に引き継ぐために、市が導入している「図書ナビゲーションシステム」を使い、教科・単元ごとのブックリストを作成した。これらの図書資料の充実を目指した取り組みにより、学習・情報センターとしての学校図書館の活用が一層進んだといえる。

◇読書ノートを活用

市からは、毎年、全ての子供たちに「読書ノート」が配布される。このノートは、どのような本を何冊読んだかという自分の読書記録のページだけでなく、低・中・高学年のそれぞれの学習内容と発達段階に応じて「目次・索引の使い方」「百科事典の使い方」「著作権について」「インターネットでの調べ方」などの調べ方・学び方を学べるページがある。説明のページと実際に書き込めるページが見開きになるように作られているため、各教科等において学校図書館を活用した調べ学習を展開する際に、その学習のねらいに応じて指導したりノートとして活用したりすることで、情報活用能力を育成することにつながった。

◇情報活用能力を育成する授業実践事例
(1)2年生・生活科「小さななかまたち」―目次や索引を利用する

本単元は、身近な生き物やそれらがいる場所、飼育の仕方などを調べ、生き物に親しんだり大切にしたりしようとする態度を育てることをねらいとした。また身に付けたい情報活用能力として、目次や索引を使って必要な情報を見つけることを取り上げた。目次や索引の使い方を指導したことにより、必要な情報に早くたどり着き、友達とすみかや飼い方について交流する姿が見られた。

(2)第6学年・算数科「対称な図形」―著作権を尊重し、出典を記す

本単元は、図書資料の中から対称な図形を見付けることを通して、身の回りにある対称な図形に関心をもち、対称な図形の美しさに気付くことをねらいとした。また身に付けたい情報活用能力として、著作権を尊重し活用した図書資料の奥付を見て出典を記すことを取り上げた。学習の振り返りには、「世界遺産などの建物や乗り物、マークなど世の中に対称なものがたくさんあるのは、対称な図形はバランスがとれていてきれいだからだと考えた」というような学習のめあてに対する記述だけでなく、「本などの情報には著作権があり、勝手に使ってはいけないと知った」というような記述も多く見られた。

◇分からないことがあると学校図書館に

2年間のこれらの取り組みにより、子供たちにとって、また教職員にとっても、「学校図書館で学ぶ」ことが当たり前となった。学校図書館を活用した各教科等の学習の中で調べ方や学び方を身に付けた子供たちは、調べたいことや分からないことがあると学校図書館に足を運び、分類から見当をつけて資料を探し、当たり前のように必要な情報を情報カードに記し「わかった」といってうれしそうに戻っていく。

これからも、子供たちの豊かな心と自ら学ぶ力を育成する学校図書館として、さらなる取り組みを進めていく。

(教諭・吉田夏紀)

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