図書館を学校教育の中心に 広島市立彩が丘小学校【学校図書館特集】

学びとふれあいが広がる
学習成果物など多様な展示も

読み聞かせボランティア「にわとりかあさん」の活動
読み聞かせボランティア「にわとりかあさん」の活動
◇3本の柱

本校は、平成22年度に学校図書館の整備を始め、23年度から図書を活用した授業実践を開始した。今年度で8年目を迎え、図書館教育を学校教育の中心に据えて取り組んでいる。25年度に子供の読書活動の実践で文部科学大臣表彰を受け、27年度に全国学校図書館協議会から「学校図書館賞」をいただいた。本校の図書館教育の柱は次の3点である。

(1)学校図書館を活用した授業研究(2)読書活動の推進充実(3)授業と読書活動推進を支える図書館づくり

◇学校図書館を活用した授業研究=「目的に応じて読む」「本から学び自らの考えを深める」

本校は、「情報活用」「読書活動」の両方で研究授業を進めてきた。

「学習・情報センター機能を活用した学習」は、必要な情報を入手、的確に記録、情報を比較・関連付け・総合しながら再構成する学習、考えたことを自分の言葉でまとめ伝え合うことで互いの考えを広げ深めていく探究的な学習など言語活動の充実を図ることで、思考力・判断力・表現力を高めるとともに、知的好奇心や主体的に学ぶ意欲を高めていくのを目指しており、国語、社会、理科、図画工作、生活、総合的な学習の時間等、多教科で実践してきた。

「読書センター機能を活用した読書会の学習」では、教科書教材を活用した作品を読んで味わったり、他の作品に読み広げて読み比べたり、考えや感想を交流し合ったりする。複数の本や文章を「読み比べる」ことは、さまざまな違いを発見する知的な喜びを知り、知識や情報を豊かにしたり、読書の範囲を広げたりすることにつながり、多くの本や文章などを読む意義や楽しさを実感させることにつながる。

◇読書活動の推進充実=「本に親しむ」「たくさん読む」

読書活動は、子供たちが言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにすることと考えており、以下のような取り組みを行っている。

(1)読書の目標設定と振り返りを行うために、「読書生活のふりかえり」プリントを配布して、前期と後期に実施している。

(2)朝の読書タイムは、22年度から毎朝8時25分から10分間実施している。朝読書で読む本は「彩の森おすすめの本50冊」から読むように指導している。

(3)必読図書「彩の森おすすめの本50冊」では、低・中・高学年ごとに50冊ずつを選定している。奇数学年は25冊、偶数学年は50冊を目標に読書を進めており、目標を達成した児童には賞状を渡している。28年度の目標達成率は90・8%であった。「彩の森おすすめの本50冊」を読み終えた児童は、広島市こども図書館が選定している推薦図書リスト「どの本を読もうかな」の中から選んで読書を進めている。

(4)全児童が、机の横に図書バッグをかけており、中には朝読書の本、自分の好きな本、国語辞典や漢字辞典、図書ファイルを常時入れている。

(5)読書記録は、図書室の図書管理ソフトから貸し出し、記録をプリントアウトして、前期と後期に各自に配布している。

(6)読書紹介カードという取り組みに、4月と11月の読書週間も含めて年3回、全校児童が取り組んでいる。3回のうち1回は「はがき新聞」((公財)理想教育財団主催)づくりの形で行っている。完成した読書紹介カードを廊下に掲示し、互いに読み合うことで交流している。

(7)子供たちの読書に対する興味を高める活動として、全校児童集会「彩の森ふれあいまつり」を毎年2月に実施している。図書を活用した授業の中から内容を決め、クイズやパズル、実験等の実演を引用した本も紹介しながら行っている。

(8)保護者・地域との連携として、読み聞かせボランティア「にわとりかあさん」が月1回、朝読書の時間に全クラスで読み聞かせを実施している。その他に年3回実施しているお話会(低学年2回、6年生1回)では、ブックトークやパネルシアター等で子供たちの読書への関心を高めてくれている。

◇授業と読書活動推進を支える図書館づくり

図書館づくりのコンセプトは「子供参加型図書館」である。図書委員会の児童が、図書の貸し借りの手続きや図書の整理をするのと同時に、図書ボランティアに指導してもらいながら、本の修繕をしたり図書室の飾りを制作したりしている。また雨天時の休憩時間には、絵本の読み聞かせを行っている。図書を活用した授業を通して完成させた学習の成果物を図書館に残し、次年度以降の学習の参考にできるようにもしている。

図書ボランティアは一応、活動日程を決めているが、「できる時にできる人が活動する」をモットーにして活動してもらっている。
以上が本校の実践概要である。

本校の教員は、子供たちに学力がついてきている実感があり、図書館が学校教育の中心にある大切なもので、学習を土台から支えていることを感じている。学校は、子供たちに学力をつけることが大きな目的の1つである。今後も子供たちに豊かな読書生活と学力をつけていくことを目指して実践を進めていきたいと考えている。

(校長・石田知己)

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