滑らかにICT活用 聖望学園中学校高等学校

無線LANの途切れ解消 障害回避機能で授業中断防ぐ
通信障害で授業が中断する場面はなくなった
通信障害で授業が中断する場面はなくなった

タブレットを使った授業を中断させてしまう、無線LANの通信障害。どこでも起こりうる問題で、貴重な授業時間のロスに悩む授業者は多い。埼玉県飯能市にある学校法人聖望学園中学校高等学校(関純彦校長、生徒数・中学校134人、高校1002人)は、ICT活用に積極的だが、航空レーダー波の影響を受けて無線LANが途切れ、授業が中断してしまう問題が頻繁に起こっていた。そこで、パソコン周辺機器メーカーである(株)バッファロー製の新型無線LANアクセスポイントを導入。この製品のDFS障害回避機能で、問題は見事に解消された。

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DFS障害回避機能を備えた無線LANアクセスポイント
DFS障害回避機能を備えた無線LANアクセスポイント
◇通信障害で授業中断◇

同学園は、中高一貫のミッションスクール。キリスト教精神を教育の柱に据え、新しい時代の国際人育成に向けた独自のプログラムによって、受験とキャリア教育の両方に力を入れている。

ICT機器を積極的に活用する上で頭を大いに悩ませていたのが、校内無線LANの通信障害。頻繁に起きるものの原因が分からず、同校に機器を納入しているバッファローに相談したところ、同社のスタッフが同学園を訪れて調査を実施。その結果、同校付近に点在する入間基地、横田基地、朝霞駐屯地、所沢通信基地などから発せられる航空レーダー波が原因と考えられた。

校内の無線LAN通信は5ギガヘルツ帯の周波数を使っており、航空レーダーや気象レーダーと周波数帯が重なった場合には、航空機の安全運用のために、他の周波数帯にチャンネルを切り替えなければならない。その際、通常は切り替え先のチャンネル監視のため、60秒間、通信停止してしまう。DFS(Dynamic Frequency Selection)障害と呼ばれる現象だ。これは飛行場や基地周辺に限らず、都市部も含め、どこでも起こる障害なのだという。

そこで同校が導入したのが、同社製の無線LANアクセスポイント「WAPM―2133TR」。常にレーダー波を監視し、検知時には瞬時にチャンネルを切り替えるDFS障害回避機能を搭載している。これによって同校は、都度1分間にも及んだ不必要な授業中断から解放された。

◇ストレスフリーで展開◇

そんな教室の様子が、4月20日、「ストレスフリーな全員同時のタブレット学習」として公開された。中学校2年生の数学の授業である。

関校長は授業に先立ち、「本校は、生徒の授業への理解度を深めるために、ICT教育に力を入れている。タブレットを活用した学習によって、わくわくした学びを展開している。生き生きと学ぶためのICT活用を目指している」とあいさつした。

授業の単元は1次関数。授業者は小鹿野琴美教諭。生徒らは4、5人のグループに分かれて着席し、全員が1人1台ずつ、机の上にタブレットPCを準備した。

同教諭は、オリジナルのワークシートを授業支援アプリで生徒らのタブレットに配信・共有したり、自身のタブレット画面を電子黒板に表示したりと、機器操作に慣れた様子。またクラス全員のタブレット画面を電子黒板に表示し、理解できた生徒には表示の色を青く変えさせたりして、テンポ良く、同時に生徒の理解度に応じて着実に授業を進めていった。

続いて行われたグループ学習も含めて、授業が通信停止のトラブルに見舞われて中断する問題は一切発生しなかった。「新たなアクセスポイントを導入する前は、教師が黒板に戻るケースが頻繁にあった」という情景がまるで思い浮かばないほど、授業は非常に滑らかに展開していた。

◇生徒の学習意欲を高める授業実現のために◇

授業中断の問題解決に当たった同学園の永澤勇気教諭は、「通信不良などで授業が停滞するのは避けたい。1クラス50人弱の生徒が同時に接続しても、安定する性能を求めた」と、導入の決め手を話す。

性能については「機器を導入した中学校のクラスでは、リアルタイムで双方向通信をする授業支援ソフトを使用しても、ストレスを感じず、スムーズに授業を進められる」と高く評価する。

今後の展望としては、「ICT機器やシステムを多用し、遠隔地と教室をつなげた授業など多様な実践を取り入れ、生徒の学習意欲を高める授業を模索していきたい」と語る。


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