熱中症の予防に向けての取り組み 環境、呼び掛け、児童の行動

仙台市立南光台東小学校 養護教諭 菱沼 ゆう

保健委員によるポスター作り
保健委員によるポスター作り

全国的に、夏でなくとも夏日になる日の多い気象の中で、学校はどのような対応をしていけばよいのでしょうか。小学生は、保護者や教師の保健管理や保健指導を受け、いろいろな体験を通して、主体的な望ましい保健行動を培っていくと考えられます。ここでは、保護者や職員への呼び掛けを含め、子供たちの熱中症予防に向けて、3点について述べます。

〈熱中症予防に向けた環境〉
(1)気温に合わせた衣環境

以前、勤務していた中学校には、制服がありました。夏服の着用期間について、生徒指導主事と話をしていたときに、「この気象状況の中では、衣替えを暦から決定するのではなく、気温に合わせて行う必要があるのでは」と述べました。

「衣替えの日」について子供たちが理解するのは大切ですが、「気温に合わせ、衣替えを進めていく」のは、子供たち一人ひとりが、気温と衣環境についての関心を持ち、衣環境と体調を考え、ひいては熱中症予防につながると思います。実際、夏服の期間が気温に合わせて、だいぶ長くなりました。

小学生は服装が自由です。気温の変化の激しい今日ですが、保健室に体調不良を訴えて来室する児童の中には、暑い日に汗を流しながら長袖長ズボンで生活していたり、反対に寒い日に半袖半ズボンで生活していたりする児童もいます。

夢中になって生活している児童は、気温と衣類には考えが及んでいないときがあるようです。「半袖になると快適になるかも……」とか「湯たんぽ持ってみる?」などと声掛けしながら、気温と服装について考えさせているところです。

(2)冷房と氷のある環境

仙台市では昨年度までに、全学校の保健室に冷房が完備されました。前任の中学校で、設置されて間もなくの頃、部活動中に体調を崩し、体温が上昇しかけた生徒を冷房の中で休養させました。30分ほど経過した頃に声を掛けてみると体温の上昇が収まり、すっかり回復し、「部活がしたいです!」という返事でした。もちろん大事をとって帰宅してもらいました。

このとき「熱中症の悪化を防ぐために、冷房のある部屋で休養させるのが、とても有効である」と強く感じました。

暑い日には、木陰も屋内のどこでも、気温は高いわけですから、そこで休養しても回復は望めなかったかもしれません。

また千葉県の養護教諭が前任校の保健室に来訪したとき、仙台市では設置されているのが珍しい製氷機を誇らしげに説明したところ、「千葉県では、ほとんどの学校の保健室に製氷機が設置されています」ということでした。

全国的に、夏日のカウントが多くなっている今日では、地域にかかわらず、子供たちや職員の健康保持に向けて、保健室という場所の限定でなくとも、学校に1台は、製氷機が備え付けられているとよいのではないかと思います。水筒に入れた冷たい水が、午後になるとスッカラカンになっていた生徒が多く見られました。

〈保護者や職員への熱中症予防の呼び掛け〉
(1)保護者の協力を得るために

Taro-H29.4子供たちの保健管理には、保護者の協力が欠かせません。本校では、運動会を前にした4月25日に、教頭が「熱中症予防についてのお願い」のお便りを配布しました(写真)。

他にも、学年だよりや保健だよりで啓発していますが、運動会などの行事では、児童全員が赤白帽をかぶり、水筒を持って活動をしました。登校時や業間休みに外に出るときに、自主的に帽子を被るようになっています。

(2)職員の協力を得るために

5月の職員会議では、養護教諭が次の点を呼び掛けました。

「『熱中症の予防にご協力ください』……水筒の持参については、すでに『熱中症の予防についてのお願い』のプリントでお知らせがありました。流しでも休み時間ごとに、水を飲んでいる児童の姿が見られます。今後とも積極的に水分を補給するようにご指導ください。また、毎朝の健康観察がなされていますが、授業前にも健康観察を行い、体調不良を訴えるときは、体調に合った活動ができるようにご配慮ください」。

〈児童保健委員会の取り組み〉

熱中症予防に対する児童の主体的な行動を生み出すには、児童サイドからの思考や発想も大切にしていきたいところです。5・6年生の保健委員12人は、東っ子の「熱中症予防」に向けポスター作りに取り組みます。みんなで標語を出し合いました。

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◎暑いとおもったら 水分ほきゅう

のどがかわいたら 水分ほきゅう

とにかくこまめに 水分ほきゅう

◎行ってきます 帽子と水分 わすれずに

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力作が、たくさん出てきました。

12人のポスターの完成がとても楽しみです。