安心・安全・おいしい給食で 静岡県富士宮市立学校給食センター

元気の源を子供たちに1万2千食
献立に地域の特色満載
1釜で約1千人分を調理
1釜で約1千人分を調理

学校給食は元気の源――。建て替え後、今年4月から給食調理を開始した静岡県富士宮市立学校給食センター(日原文洋所長)は、22の小学校と13の中学校に向けて、約1万2千食の学校給食を調理している。

同センターは、食材動線が戻らない直線ワンウェイ方式。現在の学校給食衛生管理基準の基本となっている方式である。荷受室や検収室での作業は肉・魚類と野菜類の2室に分け、異なる食材による交差汚染を防ぐ。肉・魚類専用の下処理室では肉や魚への下味付けや下処理を行い、野菜類専用の同室では野菜を洗浄。非汚染作業区域に入室する前にはエアーシャワーを使用し、埃や毛髪などの混入を防止している。

上処理室で野菜類をカットし、煮炊き調理室や焼物・揚物・蒸物室、和え物室で調理。回転釜は1釜で約1千人分を一度に調理できる。連続フライヤーやスチームコンベクションオーブンも活用されている。

学校から戻ってきた残食は、どこの学校のどのクラスがどれくらい残したのか、計量を行っている。残食量は要望する学校に提供していく予定である。すでに中学校からの要望がきているという。

調理場内の床を乾いた状態に保って使用するドライシステムを採用。調理場内での細菌やカビの繁殖を抑え、食中毒の発生要因を抑える効果が見られる。

環境への配慮では、電池容量20キロワット相当の太陽光発電パネルやLED照明を設置し、再生可能エネルギー利用にも取り組んでいる。

平成22年3月に同市は芝川町と合併。翌年1月には「学校給食センター建替基本構想」を策定し、昭和48年9月から給食を作り続けてきた旧富士宮市立学校給食センターの施設や厨房設備の老朽化に伴い、建て替えを決定。同センターと芝川共同調理場、柚野小中親子方式調理場と芝川中学校調理場を統廃合し、富士宮市立学校給食センターとして平成29年4月から供用開始した。

新センターでは、調理の方法は一変した。旧センターでは冷凍した食材を多く使っていたが、現センターでは、市内産、県内産の食材を積極的に取り入れ、野菜はほぼ全て生野菜を調理。焼物・揚物・蒸物室の専用室ができ、肉や魚も下味付けからの調理が可能となった。

食物アレルギーに対応した給食を調理する部屋も設け、対応食ごとに調理機器や場所を決めて調理。各学校で個人面談を始めており、2学期から調理が行われる予定という。

同市では平成16年から月に1回、「富士宮の日」と題した給食が提供されている。地産地消の観点から、地場産のブランド米「う宮米」や市内産の食材を使用した献立を提供している。こうした食材や生産者の紹介は、「富士宮の日のおしらせ」として学校に届け、掲示や放送によって子供たちに呼び掛けられている。身近に暮らしている人たちが自分たちの食を支えているのだと、子供たちに感謝の気持ちを持ってもらいたい。それが、「富士宮の日」に込められた思いだという。

給食について学校とやり取りしている連絡ノートによると、「富士宮の日」は子供たちにも好評という。特に、地場産の豚肉や野菜などが入った「宮汁」は完食するほどの人気メニューの一つである。

同センター2階には、「食育の道」と題した見学通路がある。給食調理の過程がガラス張りの窓から見られるようになっている。このほか、クイズや学校給食の歴史、回転釜の展示などもあり、子供たちの関心を引く内容を盛り込んでいる。栄養バランスや食物アレルギー、地産地消、共食を考えるような展示のほか、同市が取り組んでいる事業の紹介も。

社会科見学の場としての利用については、校長会や教頭会などを通して依頼している。一般の人も、事前に申し込めば見学できる。

日原所長は、「食は元気の源。毎日のことだから、食材に気を付けながら、愛情を込めておいしい給食を提供していきたい」と語る。

佐藤江美栄養教諭は「安全、安心でおいしい学校給食を前提に、内容の改善などをしながら、いろいろな献立づくりなどに取り組んでいきたい」と話す。

全ては子供たちのために――。同センターは、学校や地域の人と交流を深めながら、子供の成長を支えている。


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