自産自消の体験活動で意欲向上 山梨県甲州市立塩山北小学校

学習集団の育成図る
学力を支える素地高まった
サツマイモの収穫
サツマイモの収穫

山梨県甲州市立塩山北小学校は、甲府盆地の東部に位置し、周囲は豊かな自然に恵まれた地域にある。

食育に関しては、平成27年度に、県の食育推進事業実施校の指定を受け、「食と健康」について研究実践に取り組んだ。28年度には、文部科学省のスーパー食育スクールの指定を受けた。「意欲的な学習集団を育成する効果的な『食育プログラム』の開発」を研究主題とし、家庭・地域も含めたチーム学校体制で、アクティブ・ラーニングの視点に立った〝自産自消〟による「食育プログラム」を効果的に実践することにより、「能動的に食にかかわる児童の育成」「家庭の食にかかわる意識の向上」などの学力を支える素地を高めた。これにより、児童の学校での生活習慣や学習意欲、協働意識などを向上させ、学力を支える基盤としての「意欲的な学習集団の育成」を図った。

〝自産自消〟とは、自分たちの手で野菜を育てたり、それを調理して食べたり、お弁当を作ったりする活動の総称として使用する造語であり、本事業の活動をシンボリックに表す言葉として使用している。

◆自産自消等の体験活動

各学年とも、教科と総合的な学習の時間とを関連させ、年間を通して栽培活動を行い、収穫・調理・試食をした。体験活動を確かな学びとするために、学びの足跡が分かる「1枚ポートフォリオ」に全学年が取り組んだ。

低学年にとっては難しそうに感じられるが、五感をいっぱいに働かせて観察し、感じたこと、分かったこと、不思議に思ったことを野菜の成長とともに1枚の紙に書きつづっていくのは、子供たちにとって楽しみとなり、満足感・達成感・学ぶ意欲へとつながった。

全校的には、ミニトマトの1人1鉢栽培を家庭で行った。また学校園でサツマイモを栽培し、収穫したさつまいもは児童会行事でお年寄りと一緒に試食をしたり、食材として給食センターに提供したりできた。この他、校外学習での食育体験も行った。

◆アクティブ・ラーニングの視点に立った授業研究とワークショップ型校内研究会

1年生の生活科において「やさいパーティー」をしようというゴールに向かい、自分が育てたい野菜を自己決定する授業を行った。秋に育てられる野菜はどのようなものがあるのか家の人に聞き、調べてきたことを隣の人に発表して伝え合った。また栽培カレンダーや栄養教諭のアドバイスにより、子供たちは自分が育てたい野菜を、思いや願いを持って自己決定することができた。

5年生の総合的な学習の時間で「お米の秘密を探ろう」の研究授業を行った。米づくりの体験をベースに、それぞれが課題を決定し、調べ、話し合いグループごとに発表した。そこで出された問題点についてグループで検討し、改善した上で、4年生と6年生に、ICTを活用しながら最終発表をした。

授業後に、教師や他学年から高い評価を得た。それは、子供たちの自信となった。

◆家庭・地域との連携

1人1鉢のミニトマトを家に持ち帰り、栽培して観察し、記録にまとめた。収穫したミニトマトをサラダにしたり、ピザのトッピングにしたりした子供もいた。野菜づくりの場を家庭にしたことで、自産自消が家庭にも広がり、各家庭でのその取り組みが、まさにアクティブ・ラーニングになっているのを実感した。

また年2回、お弁当の日を実施した。各学年の発達段階に合った目標を設定し、メニューを考え、食材を準備して調理し、お弁当作りを実践した。この取り組みを通して子供たちは、食について考え、家族への感謝の気持ちや、家族から褒められたことが自己有用感を育むことにもつながった。

この他、米づくり体験、親子料理教室、食育講演会、和食マナー教室、スポーツアスリートに学ぶ食と体力アップ教室、ころ柿づくり体験、レシピ集の作成など、家庭や地域と連携したさまざまな活動に取り組んだ。

◆成果

▽チーム学校体制で、アクティブ・ラーニングの視点に立った「食育プログラム」を行うことで、学力を支える基盤となる意欲的な学習集団ができ、学習意欲の向上や協働意識の向上につながった。

▽体験的・主体的に実施する自産自消の活動を通して、共に考え、工夫・協働して解決しようとする姿が多く見られた。また1枚ポートフォリオの取り組みによって、学ぶ意欲ややる気の向上、自己肯定感や自己評価能力の向上が見られた。

▽家庭・保護者の食に関する意識の高まりが見られた。

今後も食育プログラムを通して、学力を支える基盤となる意欲的な学習集団を育成するために、自産自消等の食育プログラムの継続的な取り組みを行うとともに、家庭の食に関わる意識の向上のための啓発を行っていきたい。


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