ご飯の適正量など示し成果 福岡県宇美町立宇美小学校

給食応援団が大活躍
やるぞ・できた・続けようで食育
ご飯量を計測し、適正な量を視覚化
ご飯量を計測し、適正な量を視覚化

福岡県宇美町立宇美小学校は平成28年度に、文部科学省委託事業「スーパー食育スクール」の指定を受けた。学校における食育に関する実証的な資料を得るために、関係機関・団体との連携による食育のモデル実践プログラムを構築し、学校における食育の一層の充実を図るのをねらいに、食育の実践に取り組んできた。

取り組みのテーマは「食生活習慣を改善し、進んで健康な体づくりに取り組むこどもの育成」。

このテーマのもとに、「やるぞ(意識化)」「できた(行動化)」「続けよう(習慣化)」の考え方に基づき、「夢ビジョンUMI食育プログラム」を作成した。

このプログラムに基づき、特別活動や総合的な学習、生活科、体育科などを中心に、体験的な食に関する指導に取り組んだ。食と健康に関する保護者向け講演会、食育研修、家庭と連携しながら行う子供が作る「弁当の日」の実施、親子料理教室の開催、「子ども料理名人」の認定、日頃の食生活を児童と保護者で振り返る「もぐもぐファイル」づくり、栄養教諭・養護教諭が医療機関等と連携して個別活動を行う仕組みづくりにも取り組んだ。

こうした取り組みの中の、「宇美町給食応援団による給食訪問サポート」の活動とその成果、今後の課題などをまとめる。

■給食応援団による給食訪問サポート活動

応援団の目的は、(1)食への関心を高め、正しい食生活の習慣化を図る(2)食事の重要性、食事の喜びや楽しさ、食文化(郷土料理等)について理解させる(3)食事マナーの指導や会食を通して豊かな社会性を育てる――の3つ。

■給食応援団の活動内容

保護者、地域住民、食生活改善推進会など、宇美小学校の食育支援活動への協力者を募集した。秋に発足式を開き、給食応援団の趣旨や活動内容を説明。それ以降、冬にかけて、低中高2学年ずつ、合わせて3回、延べ60人の協力を得て活動した。

内容は――。

(1)ご飯計量=1食分のご飯の適量(高学年180グラム・中学年150グラム・低学年120グラム)を計量器で測り、視覚的に自分が食べる適量を知らせる。

(2)紙芝居をもとに、食事のマナーや栄養バランス、食の大切さ等を伝える。

(3)子供と一緒に会食し、箸の持ち方や食べ方などのマナーの確認を行う。

(4)後片付けの仕方について助言する。

(5)給食が遅れた児童や偏食が多い児童に声掛けをする。

■応援団参加者の感想

▽お箸やお茶碗の持ち方がうまくできていない児童が多かったため、その都度指導し、習慣化していくことが大事だと感じた。

▽食事のマナーを知り、三角食べをすると、食べ物の味の違いがよく分かり、味覚を刺激しておいしく食べられるなどと話した。

▽紙芝居などで話の工夫をしたおかげで、子供たちは食事の大切さなどを理解し、興味・関心をもってくれたのがよかった。

▽1~3年生くらいまでに、しっかりと食事のときのルールや配膳方法などを、応援団として支援し、高学年になったときには、応援団から教わったことを低・中学年に教えていけるようにできたらいいと思う。

■応援団の成果

▽子供たちの食に関する状況(量・食べ方・配膳等)を、保護者・地域の支援者に伝えるよい機会になった。連携して支援する内容などを明確にすることができ、子供たちの食べ方の改善につながった。

▽教科等における食に関する指導において、学級担任と栄養教諭などがそれぞれの専門性を生かしながら指導を行うことができた。

▽宇美町給食応援団、食に関する指導などにおけるゲストティーチャーなど、さまざまな人々がこの取り組みを通して、児童と関わることができた。

■課題と今後の取り組み

▽学級担任との打ち合わせ時間が十分に取れず、指導の方向性の共通理解ができていない部分があった。そのため、指導方法や内容などについて十分に検討し、確認しておく必要がある。

▽今後とも給食応援団の活動を継続するための校内組織や窓口、役割分担など、担当の明確化を図り、年間を通して計画的に実施していく必要がある。

▽教科等における食に関する指導で高まった意識や獲得した知識を生活でも実践し、継続していけるような手立てを仕組む必要がある。

▽「食」や「健康」について学習する際は、自分の問題として課題を明確に把握させる手立てを仕組み、課題解決の方法を考えたり、実際に体験したりする機会をより一層充実させる必要がある。

▽一部の保護者だけではなく、より多くの保護者が「食」について自分自身や児童の切実な問題として考える機会を増やすことや、学校から保護者への一方的な啓発にとどまらず、家庭を巻き込んだ取り組みを充実させる。

▽さまざまな取り組みと取り組みの関連化を図り、ねらいを焦点化してより効果的な取り組みの工夫を図る。


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