「海・水上競技を普及し強化する」 海洋教育と東京オリパラで鈴木大地スポーツ庁長官に聞く

20170717_鈴木長官2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、海・水上競技も盛り上がりを見せている。ソウルオリンピック100メートル背泳ぎの金メダリストである鈴木大地スポーツ庁長官に、海洋教育の視点からのオリパラ振興策などを聞いた。

◇ ◆ ◇

――海洋教育とオリンピック・パラリンピックを結ぶ現状の取り組みは。

2020年に向けて、海洋教育という観点からも、海・水上競技の普及や強化を図っている。特に、(1)参加国との人的・経済的・文化的な相互交流の促進(2)スポーツによる地域活性化(3)スポーツを通じた国際貢献・交流事業を推進する「スポーツ・フォー・トゥモロー」といった取り組みに、力を入れている。

(1)では、各自治体をホストタウンとして登録し、地域住民等とスポーツ選手との交流活動等を実施している。これらの取り組みを通じて、例えば神奈川県葉山町はこの7月から、英国のセーリング選手らが事前キャンプを行うこととなっているほか、山形県酒田市ではニュージーランドからトライアスロン選手を、滋賀県大津市ではデンマークからボート競技を中心に事前合宿を誘致している。

(2)は、地域ならではの特色とスポーツの掛け合わせだ。三重県熊野市では穏やかな波と美しい景観を持つ新鹿湾を活用し、シーカヤックやスタンドアップパドルボードなどのマリンスポーツ観光を開発している。
(3)は、昨年5月にシンガポールで、障害者を含む地元の子供たちを対象に水泳教室を開いた。また今年は、サーフィンを通じたストリートチルドレンへの支援活動を行っている南アフリカのNGO団体に、中古のサーフボードを寄贈する取り組みを進めている。

――オリンピック・イヤーに向けての展望は。

国際競技力の向上に力を注いでいくのはもちろんだが、ただのスポーツイベントで終わらせるのではなく、海・水上競技を通じて、世界の皆さんとの交流を、東京大会以降も続けたい。

また、外国からの観光客に全国各地でスポーツを楽しんでいただけるよう、われわれもサポートする。

そして、スポーツにおける日本の文化、伝統を知ってほしい。例えば甲冑を着て泳ぐ日本の古式泳法などは、非常に関心が高いのではないかと思う。

――オリパラ出場選手を目指す児童生徒にメッセージを。

地元開催のオリンピックに参加できるチャンスは、なかなかない。プレッシャーなどもあるだろうが、それらを受け入れながら、他の年代では味わえない体験を、むしろ楽しむくらいの気持ちで頑張ってほしい。

――教員や指導者に向けてのメッセージを。

オリパラ教育を通じて、平和の祭典という大会テーマやフェアプレーの精神を、児童生徒に伝えていただきたい。選手の誰が強いとか、どうやって優勝したかなども大事だが、負けた人たちにもそれぞれドラマがある。教育としてのスポーツを教えてほしいと願っている。


【海洋教育特集】トップページへ戻る