無利子奨学金で志を支援 (公財)海技教育財団

小学生向け海洋教室なども

(公財)海技教育財団(会長・武藤光一(株)商船三井代表取締役会長)は、海技教育を受ける船員志望の生徒・学生への資金的援助のために、船員政策の一環として奨学金制度を実施している。また海や船舶への関心を高めてもらうために、生徒・学生を対象とした「海洋教室」などを実施している。

海洋教室での展帆作業・ヤード回し体験
海洋教室での展帆作業・ヤード回し体験
活動の概要は――。
■奨学金制度

同財団による奨学金は、船員を志望する東京海洋大学、神戸大学の商船系学部および商船系高専の学生と(独)海技教育機構傘下校(海技大学校、海上技術短期大学校、海上技術学校)の学生・生徒に貸与するもの。

これまでに、船員を志望する学生・生徒2万7千人以上が奨学金を利用しており、自らの志を実現する上で、重要な支援となっている。

資金は、卒業後の返還金を新たな奨学金として運用し、事業の継続を図っている。一般の奨学金は有利子の貸与が主流だが、同財団の奨学金は無利子での貸与だ。

平成25年度からは、内航業界などからの拠出金を基に、内航船員を志望する生徒・学生向けの貸与枠を創設している。春・秋季の2回、奨学生を募集しており、船員を志す生徒・学生の利用を広く募っている。

■海技教育で啓発DVD

27年度には、(独)海技教育機構傘下の海上技術短期大学校および海上技術学校での座学・実技の教育内容や施設、練習船での実習シーンを紹介したDVDを制作。26年4月に就航した4代目「大成丸」での教育訓練の映像を盛り込んだDVD「青春 Full Ahead 船の学校で夢をつかもう!」(改訂版)を作り、教育訓練内容の紹介と、これらの学校への進学に対するプロモーション効果の向上を図った。

また昨年度は、現下の内航海運業界のニーズを把握するために、内航海運業者の船員の採用状況、就業実態、船員職業への定着等について、(独)海技教育機構傘下校の卒業生を雇用したことのある内航海運事業者等とこれらに雇用されている傘下校の卒業生を対象にアンケートを実施。

さらに、今年度は外航海運に関心を持ち、外航海運の船員をめざす優秀な若者の増加を図るべく、主に中学生向けに外航日本人船員を目指す若者を教育訓練する商船系高専のPR用DVDを制作する予定でいる。

■小学生に貴重な体験

小学校4年生以上を対象にした「海洋教室」を年3回実施している。今年度は、来年1月28日に鹿児島県の鹿児島港、同年2月18日に広島県の広島港で行われる。いずれも日曜日で、内容は、停泊中の船舶で、▽船内見学▽ロープの結び方▽船内諸作業▽操帆作業など。同財団サイト内から申込用紙などがダウンロードできる。昨年度から海洋教室の1回を、児童養護施設の児童を招いて実施することとしている。

また船や船員、海技教育への関心を高めるための一般社会人向け国内体験航海(年6回予定)および国内体験航海体験者を対象とする遠洋体験航海(年1回)を実施している。今年度の遠洋体験は、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のリッチモンドで行う。

同財団が所有する帆船「海王丸」と「日本丸」が練習航海などで寄港した港では、それぞれの帆船がデザインされたキャップ(帽子)やTシャツ、キーホルダーといったグッズを販売。今年度から新バージョンのマフラータオル(今治タオル)、バンダナの販売を始めるなど、練習帆船による教育実習活動の知名度とそのイメージのアップを図っている。


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