「リアル」を掴む! 力を感じ、感触を伝える ハプティクスが人を幸せにする

大西公平 著 東京電機大学出版局 1600円+税
大西公平 著
東京電機大学出版局
1600円+税

ハプティクス(Haptics)とは、力を感じる力覚、触った感じを捉える「触覚」を、力、振動、動きなどを通して、利用者に与える技術。介護や福祉など、ロボット分野などで注目され、将来は「50兆円産業」になるともいわれている。

著者は、世界で初めて「鮮明な力触覚の伝送技術」の開発に成功した、慶應義塾大学理工学部の大西教授。インタビュー形式で書かれているので、本来なら難解なはずの理論や技術説明が、とても分かりやすく入ってくる。amazonのメカトロ・ロボット工学カテゴリでベストセラー1位であるのも、よく分かる。

5章立てで、第一章では「ハプティクス義手」、第二章では「遠隔手術」、第三章では「ソフトロボティクス」と「GPM(ジェネラル・パーパス・マシン=多目的に使える機械、汎用性のある機械)」、第四章では理論解説、そして第五章ではハプティクスによって切り開かれる「日本の未来」が語られる。

最先端技術の話が続くが、著者の「工学は価値を生み出す学問であり、人を幸せにするものでなければならない」という信念が通底しているせいか、「未来を信じる気持ち」が生まれ、幸せな読後感を与えてくれる。

本書も、未来に触れるハプティクス義手の一種なのかもしれない。

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