校務支援システムの導入で さいたま市

教員の作業時間が短縮 セキュリティも万全に
校務支援システム導入のための研修会
校務支援システム導入のための研修会

さいたま市では平成22年度に、幼稚園、高等学校を除く全ての市立学校に校務用PCを導入した。27年9月には、小学校103校、中学校57校、特別支援学校2校の、全教員約5千人全てのPCを入れ替えて、グループウェアの運用を開始。段階的に校務支援システムを稼働させ、28年度から全面運用するに至っている。

22年度導入当初は、「じゃまになる」「誰が使うのか?」といった否定的な反応もあったが、システム導入後は「なくては困る」という声が圧倒的に多くなった。

それは同市の独自調査によっても明らかで、「作業を短縮できた」と実感している教員の割合は、24年には68.8%だったが、28年には87.7%と、20ポイントもアップしている。

同システムの導入・運用を推進してきた、同市教委学校教育部教育研究所の細井博幸主任指導主事兼ICT教育推進係長は、「特に手書きで通知表や指導要録を作成していた小学校の先生方の反応がよく、学期末の作業時間が大幅に短縮できたと喜ばれている。それはエクセルで作成していた中学校も同様で、名簿や出欠、テスト結果を入力するだけで、通知表や指導要録、調査書が簡単に作成できると高く評価されている」と手応えを語る。

約5千人もの大規模なユーザー数に対応できる校務支援システムが必要であるため、同市は(株)内田洋行の「統合型校務支援システム」を採用。導入に当たっては、内田洋行のスタッフが162校全てに巡回研修を2回行い、教員に操作方法を説明した。

細井係長は「きめ細かく研修していただけたのはありがたい。導入後は委託しているヘルプデスクに加え、私たちも窓口になって相談を受けているが、手に余るものについては時間外でも応じてもらえ、システム稼働後に生じたさまざまな変更点についても、迅速に対応してもらっている」と高く評価する。

同システムには、資産管理というアップデート管理機能が搭載されており、約5千台の校務用PCを一括管理できることも高評価の理由だ。

本格的なシステム導入から2年がたつが、いまでも毎月会議を行い、機能を増やすなど、進化し続けている。

例えば、メール機能の拡充。従来、教員が使っていたPCにはメール機能がなく、本人が不在のときはメモを机に置いておくしかなかった。それが現在ではメールで連絡でき、他校ともメールのやり取りができるようになった。それにより、部活動や教科ごとの部会の連絡等の利便性が上がったという。

また、教員から好評なものとして、アンケート機能が挙げられる。これまでは端末にエクセルのデータを送り、それを印刷して各教員に配り、回収して集計を取るというやり方をしていたが、同機能を使えば、約5千人の教員に一括でアンケートを実施でき、集計も自動でやってくれる。教員は画面上で回答し、返信するだけだ。

セキュリティについても、センターサーバに全てのデータが集約され、PCには何も残らない。これで個人情報の漏えいを心配する必要がなくなった。また、個人情報用フォルダを独自のソフトウェアとして導入し、校長だけが閲覧できるもの、教頭まで閲覧できるもの、一般教員まで閲覧できるものといった形で、情報共有できる範囲が細かく切り分けられるようになった。

インターネットに関しては、校務用と教育用とに区別され、校務用PCでは接続できないようになっている。その代わり、職員室に1台、インターネットにつながる端末を用意している。

今後の展望について、細井係長は「校務用PCの有線を外して無線にし、教育用に使えるようなハイブリッド活用を始めたい。そうすれば、少ないPCを有効活用でき、授業でも使えるようになる。それを全市に広げたい」と語った。


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