教員の利活用が飛躍的に増加 東京都荒川区立第三日暮里小学校

校長が学校図書館長に 全校で組織的に取り組む

ブックワゴンで学年に置いて本を身近に
ブックワゴンで学年に置いて本を身近に
〇研究指定校として

本校は、2016・17年度荒川区教育委員研究指定校として、「図書館活用教育を中心にすえた教育課程の編成~思考力・表現力を高めるために~」を主題に研究を進めてきた。

荒川区は「荒川区学校図書館活用指針」を持ち、学校図書館支援室を中心に区の大きな支えがある。校長が学校図書館長と定められ、司書教諭と学校司書の週2時間の打ち合わせ時間も設けられている。

そのような環境の中で、本校ではより計画的な学校図書館活用を進め、教員の学校図書館の利活用が飛躍的に増えると同時に、子供たちにも「読みたいとき、知りたいときは学校図書館へ」が定着してきた。

〇計画的な活用

1~6年生の全クラスで、週1回の「図書の時間」が計画的に活用されている。毎月末には翌月の各学年の「図書の時間」の予定が示され、それに沿って、担任・学校司書が準備をしていく。特に高学年では、担任の個に応じた指導の下に、読む時間をきちんと確保していくことが、読む力を付けることにつながっている。低・中学年では、担任や学校司書が読み聞かせや本の紹介を行ったり、友達同士で本の紹介をし合ったりして、本を読むことが好きになるよう、読書の習慣が身に付くよう工夫している。

〇「三日読書ノート」の活用

学校図書館の計画的な活用を支えている一つが「三日読書ノート」である。

学年に応じ作成されている「三日読書ノート」で、子供たちは図書館について知り、学び方を学び、さらに自分の読書の記録を残していく。

読書の記録は、1ページ(10冊)ごとに「おすすめの1冊(よかったところ・心にのこったこと)」を書く欄と担任のコメント欄があり、それを通して担任と本の話をする。担任は個々の読書の傾向を知り、読書の量・質・幅を広げる手だてを講じていく。読むのが苦手な子供への配慮もなされていく。

「三日読書ノート」の学び方を学ぶページ(学び方ノート)でも、学年に応じた活動が設定されている。3年生には「図かんをつかってみよう」というワークシートがあり、そこで目次と索引について学ぶ。それは、国語科の授業につながる。「読書ノート」で学んだことを生かし、さらに授業の中で繰り返すことによって確実に自分の力にしていく。

図鑑・百科事典・年鑑の使い方も、第一歩は学校図書館で、その後授業のさまざまな場面で繰り返し使うことで一人一人の力となっていく。

このように、学校図書館は教科の学びにつながり、また、教科の学びの中で当たり前に活用されている。その中で重要なのは、読む力、読み取る力である。

〇読む力をどう付けていくか

読む力をつけるには、手だてを取っていくことが大切である。読書目標(読書量のめあて)の設定、読書の時間の確保などもそのためのものである。2年生は生活科で、野菜を育てる。学校司書はまず、教員への資料提供を行い、その後教員と相談しながら、2年生に適した資料、それに野菜に関するお話の本なども併せて、ブックワゴンで学年に置き、いつでも手に取れるようにする。「図書の時間」でも食物連鎖の本や野菜の花の本などを紹介していく。「へぇー、知らなかった」「初めて知った」という驚きは、野菜と本、両方への興味・関心を醸成していく。子供たちは、自分たちが育てている野菜を観察し、その手触りやにおいなども含めた体験が本とつながっていく面白さを実感し、読むことに、そして調べることにとても意欲的になる。資料から読み取った必要な情報を記録する「情報カード」にも工夫がされているため、さらに調べたくなる。

このように、あらゆる機会を逃さずに、子供たちに本を手渡していこうという学校全体の取り組みが、読む力を着実に育成している。

◇ ◇ ◇

学校図書館はこのように使われていくことで、さまざまな課題が見えてくる。どのように蔵書を構築していくか、いかに資料にアクセスしやすい学校図書館を作っていくか、などである。さらに「学校の教育課程の展開に寄与」(学校図書館法)できる学校図書館になるよう取り組んでいきたい。(学校司書・流王法子)

 


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