図書館とパソコン室を併設 福岡県みやま市立下庄小学校

主体的な学びを支援する 人が集い本に触れる環境充実を

調べ学習に力を入れている
調べ学習に力を入れている

本校はこれまで、本を読むことを楽しみ、自ら資料を使って調べ、まとめ、発信できる子供の育成を目標に、学習過程に図書活用を位置付けてきた。

指導方法としては「学校図書館活用年間計画」を作成し、学校図書館を活用する場を明確にした。授業の実践記録を蓄積し、担任がすぐに活用できるようにしている。

その結果、子供たちはお薦めの本を他校に紹介したり、調べ学習でまとめた作品を校内に掲示したりするなど、自ら情報を収集・活用し、発信するまでに育ってきた。2017年度は、これまでの成果を踏まえて以下に示すような取り組みを行い、図書館教育の充実と質的な向上を目指してきた。

〇図書館からメディアルームへ

学校図書館は、児童にとって主体的な学びを支援する場と考える。特に、学習・情報センターとして力を発揮するのが、本校施設の特色ともいえる図書館とパソコン室の併設である。これまで、図書館とパソコン室を扉1枚で行き来できるようにしていたが、壁を取り払い、一つの空間として開放した。

また、児童が必要な図書を自分で見つけられるように「総合的な学習のコーナー」を設け、学年ごとに整備し、関連するパンフレットやリーフレットなどの資料もそろえた。このような環境づくりも児童一人一人の課題に対応した指導や、調べる内容に応じた適切な支援に役立っている。担任もこれまで以上に指導が行き届き、学校司書も支援者として入りやすい環境となった。

〇調べ学習コンクールの取り組み

みやま市は、教育施策の中に「読書のまち みやま」を打ち出し、市民の生涯教育として読書の推進を掲げている。学校司書を全校に配置し、みやま市学校図書館協議会が主催する研修会では、担任と学校司書が連携して行う授業の在り方について研さんを積んでいる。16年度には本校がモデルとなって全小・中学校が「学校図書館活用年間計画」を作成し、教育課程内に図書館活用を位置付けるようにした。

市立図書館との連携と協力も推進している。市立図書館も学校図書館との連携に、図書資料を活用した授業づくりを掲げ、各学年・教科などに必要な図書をセットで貸し出せるように準備している。発達段階を考慮した、資料の収集やコーナーの設置にも取り組んでいる。

17年度には、みやま市の全小・中学校が、第一回「みやま市 ?(はてな)に挑戦する調べる学習コンクール」に挑戦した。本校では、学校司書や市立図書館司書と連携し、各学級担任と保護者への協力依頼などの準備を経て、60%の児童が挑戦するに至った。ほとんどが、夏休み中の取り組みとなったため、「夏休み相談室」を開催した。本校でも多数の児童が受賞し、全国で優秀賞2人、佳作3人という結果となった。

〇「下庄ベストセレクション」の見直し

本校では、03年度から「下庄ベストセレクション50」として、独自の必読図書を選定している。選書に当たっては、学習に関連した内容、日本・世界の名作や伝記、秀作絵本が中心となっている。

子供たちの読書離れは本校も同じである。これまでの選書では、自分では読むことができない児童が増えてきた。そのため、「自分で読める」を合言葉に大きく見直しを図った。4年生から6年生は半分を必修とし、残りの半分は決められた中から自分で選択できるようにした。移動式書庫「ぺりかん文庫」を教室に隣接したワークスペースに置き、手に取りやすい環境も作っている。

〇保護者による読書ボランティア

授業参観が始まる前の10分間、全学級、保護者による読み聞かせをお願いしている。毎年6月には、PTAの活動として保護者のための読み聞かせ研修会を行い、本の選び方や読み聞かせの仕方などを教えてもらっている。

学年行事では、2年生の親子活動で読み聞かせの研修会を開催している。講師には、読み聞かせの大切さや面白さを話してもらっているため、「家読」の推進にもつながっている。

こうした取り組みが実を結び、念願だった保護者による読書ボランティア「おはなしぺりかん」が発足した。今後も募集を続け、布絵本作りやメディアルームの環境整備などの協力もお願いしたいと考えている。

本校の図書館は、「光差す明るい図書館」である。子供たちはみんな、この図書館が大好きだ。学校図書館のいいところは、図書委員会の児童や学校司書が子供たちを出迎え、1冊1冊の本を介して語り合うことにある。これからも人と人が集い、本に触れる環境を充実させる下庄小の図書館教育を推進していきたい。(司書教諭・栗屋真奈美)


【学校図書館特集】トップページに戻る