学校施設の役割と文科省の学校施設の施策・方向性 「教育の場にふさわしい豊かな環境の形成」

山川昌男文科省大臣官房文教施設企画部施設企画課長に聞く
学校施設を巡る課題や施策を説明する山川施設企画課長
学校施設を巡る課題や施策を説明する山川施設企画課長

少子化による学校の統合や空き教室の利活用、災害時の避難所としての機能を踏まえたバリアフリー化など、時代に対応した学校施設の在り方が求められている。一方で、限られた財源の中、老朽化が進行する学校施設をいかに長寿命化させ、コストを抑えながら整備を進めていくのも重要な課題となっている。文科省大臣官房文教施設企画部の山川昌男施設企画課長に、これからの学校施設に求められている役割や、同省が進める施策の方向性などを聞いた。

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――学校施設を巡る現状の課題は。

公立学校施設については、築25年を超えて改修が必要な建物の面積が全体の7割を占めており、老朽化が大変深刻な状況となっている。公立学校施設は最も身近な公共施設であり、災害時には避難所にもなる重要な施設だ。児童生徒や地域住民が、安全・安心に過ごし、利用できる施設であるよう、必要な予算の確保に努め、より一層の老朽化対策のほか、トイレ・空調の整備や防災機能の強化などに取り組んでいく必要がある。

――これからの時代の学校施設には、どのようなものが求められるのか。

学習内容や方法の変化、社会状況の変化などへの対応や、地域の防災拠点としての機能強化など、これからの学校施設に求められる機能は多岐にわたっている。具体的には、多様な学習内容・学習形態による活動が可能な環境として、「多目的スペースと連結したオープンな教室」「図書室とパソコン室が連携した学習・メディアセンター」などが考えられる。

――新学習指導要領や合理的な配慮など、昨今の教育課題への学校施設の対応には、どのようなものがあるか。

幼稚園教育要領の改訂などを踏まえ、昨年度、「幼児教育の場にふさわしい豊かな環境づくり」「幼児教育の担い手を支え、家庭や地域と連携・協働を促す環境づくり」などの観点から、幼稚園施設整備指針の改訂を行った。今年度は学習指導要領の改訂などを踏まえ、小学校および中学校施設整備指針の改訂を予定している。改訂を通じて、より一層、児童生徒らの教育の場にふさわしい豊かな環境の形成を図っていきたい。

――学校施設の改修や有効活用などで、優れた事例の共有は。

近年、少子化に伴う児童生徒数の減少などにより、廃校となる学校施設が発生したり、学校施設において、クラスルームなどの普通教室としての利用以外にも、さまざまな用途に活用できる余裕教室が生じたりしている。これらの廃校施設や余裕教室の有効活用がスムーズに進められるよう、全国での活用事例を紹介して情報発信を行うなど、今後も取り組みを進めていく。

――読者に向けたメッセージを。

現在、学校教育を取り巻く状況は大きく変化している。ICTやIoT、ビッグデータ、人工知能(AI)などの技術革新が急速に進展し、人々の暮らしも年々大きく変化している。これらの変化に適切に対応していくため、皆さまのお力をお借りしながら、学校施設の改善を進めていきたい。


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