児童が自ら課題を把握し挑戦 札幌市立西野第二小学校

同種の問題を解き苦手克服 解けなかった宿題を授業で
レベル別に4種類のプリントが用意されている
レベル別に4種類のプリントが用意されている
■自分で課題を設定

解けなかった宿題から、児童が自分で課題を設定して授業中に同種の問題を解き、苦手を克服――。札幌市立西野第二小学校(村上裕子校長、児童660人)では、プリント配信サービス「問題データベース」と、そのプリントをタブレットで解く教材「タブレットドリル」(いずれも東京書籍(株))を併用し、児童自身が課題を把握し、対応する学びを実現している。同校の河嶋一貴教諭による、6年生算数の授業を取材した。

単元は「文字を使った式」。児童らは「問題データベース」のまとめ問題を宿題として解いてきており、授業はそのプリントの採点から始まった。同教諭が解答を読み上げると、児童は正解した問題には○を、間違えた問題に×をつけていった。そして、自分の苦手なところを把握し、この授業での自身の課題を考えた。

同教諭は児童のプリントをチェックして、一人一人のつまずいた箇所と課題を把握。その上で、「間違いの原因を考え、『次はこうする!』ことをノートに書こう」「間違えたところをやるから意味がある」とアドバイスを送った。

ある男子児童は、「8×x=y」「8+x=y」「8-x=y」「8÷x=y」が表す場面として、「1日に8時間勉強します。x日続けると、全部でy時間勉強したことになります」「折り紙が8枚あります。x枚使うと、残りはy枚です」などを選ぶ問題に正答できなかった。そこで、「文字を使って関係式に表す問題」の克服を課題にすることにし、「文を読んでしっかりと問題に取り組む」と書いた。

■レベルに合った問題を選べる

「タブレットドリル」は、問題を易しくアレンジした「フォローアッププリント」、発展的な内容の「チャレンジプリント」など、レベル別に4種類のプリントが用意され、自分のレベルに合った問題を選べるのが特長。解いたプリントは自動採点され、正答と自分の答えをすぐに確認できる。問題は「問題データベース」と連動している。また、教員用の「タブレットドリル manager」を使えば、学習履歴の管理や、オリジナルプリントの作成、児童への配信などが簡単にできる。

児童らは問題を選び、納得できるまで解き進めた。また採点結果が出ると、児童らは自発的に、周囲の児童と互いに教え合った。

「文を読んでしっかりと問題に取り組む」と書いた男子児童も、似た問題を繰り返し解き、分からないところは同教諭に質問して、「文字を使った式」の解き方、考え方を自分のものにしていった。同教諭によると、男子児童はこの授業以降の単元テストでは、関係式問題はほぼ全問正解しているという。

授業後、児童らは「分かっていたつもりで解いていても、答え合わせで『あ、そうか!』と思ったことが多かった。やった時に『見直す』。これをしっかりしたい」「チャレンジプリントで100点をとれた。ちょっと得意になった」などの振り返りを寄せた。

■コミュニケーションも活発に

河嶋教諭は「札幌市では、問題データベースを10年近く使っている。タブレットドリルへの児童の反応も、かなりいい。自分のレベルに合った問題を選べるし、タブレットなのでプリントアウトする必要なしに、次の問題ができる。すぐに解答できて間違えていた場合に正答と見比べられること、過去の問題に戻れることなどに、ドリルの良さを感じている」と話す。

そして、「タブレットの電源を切ったら、忘れてしまうのでは駄目。間違えた問題はすぐノートに書き、記録する。アナログとデジタルを併用し、よさを組み合わせることで、児童は次の学習にいかすことができる」とポイントを語る。

また授業を参観した村上校長は「何より児童らが楽しそうだった。楽しいからコミュニケーションも活発になる。タブレットに一人で黙々と向かうイメージだったが、全くそうではない。対話が生まれる」と評価した。同校長は2年前の同校着任後、組織的にICT化を進め始め、この4月にはICT教育推進委員会を設置するなど、積極的にICT活用教育を進めてきた。

今後の展望として、「子供たちが楽しく、ドリルを使って、力を少しでも伸ばせていくといい。学校の環境を整え、組織として計画的に考えたい」といい、「サタデースクールや夏休み、冬休みには、希望する児童が多目的室で勉強し、分からないところを地域の人がサポートしている。授業だけでなく、そういうところにもタブレットドリルを置けば、児童が自分で使える。そうやって活用の場を少しずつ発展させていきたい」と語る。


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