【農業】北海道標茶高等学校 エゾシカと共生できる地域づくり

新たな食肉利用の分野で調査研究

原料として使用部位にこだわらない「鹿肉ミンチジャーキー」の製造に挑戦

北海道標茶町は、乳用牛5万頭規模の酪農を基幹産業とし、恵まれた自然環境を生かした人と自然が共生する地域づくりを行っている。

本校は、現在は農業や環境を中核とする総合学科校であるが、農業科としての歴史ある充実した農場施設・設備を活用した農業教育は、現在も体験重視の総合学科としてその特色を十分に発揮している。

近年、本町での深刻な農業問題として、エゾシカによる農業被害がクローズアップされている。2016年度の釧路管内でのエゾシカによる被害額は、全道で最も大きい額となった。北海道ではエゾシカの適正な個体管理を行い、狩猟や捕獲を進めることで、道東地区におけるエゾシカの推定生息数はピーク時の34万頭から約半数にまで減少した。しかし、大量に処分や捕獲されたエゾシカをどのように処理し、活用するかが今後の新たな課題として浮き彫りになっている。

これまで本校では、エゾシカの有効利用として、主に骨格や皮革を活用した研究を環境保全の面から進めてきたが、食肉の利用については衛生管理の面から技術的な停滞が生じていた。

しかし昨年度、猟友会標茶支部のご協力により鹿のと畜の解体を経験し、皮を剥ぎ内臓を除去し枝肉処理される様を目の当たりにして、枝肉も一つの命として無駄にすることなく何らかの形で利用されるべきと感じ、エゾシカ有効活用の一環として、食肉利用についても本格的な取り組みに着手することとした。

昨年度は「鹿肉ウィンナー」を検討したが、一般的な肉製品と比較した時の製造コストが課題として残った。今年度は、本校の広大な農地と山林での鹿の捕獲とそれを原料として使用部位にこだわらない「鹿肉ミンチジャーキー」の製造に挑戦している。

本校はこのような研究をはじめとし、新たな食肉利用の分野で今後も継続して調査研究を実践し、エゾシカ利用の拡大を図るとともに、人とエゾシカが共生できる地域づくりを目標として活動していきたい。

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