【書籍紹介】コンピュータとは何か?

中村克彦著
東京電機大学出版局
2400円+税

IoTやAI技術などにより、社会のあらゆるモノやサービスがつながり合うSociety5.0の到来が叫ばれている。このような社会の基盤技術になるコンピューターの理論や概念を、改めて理解する基本がまとめられている。

広範囲かつ複雑になりがちなコンピューターの基本理解が深められるよう、▽言葉と言語、情報伝達と通信とは▽コンピュータの動作原理と技術の発展――などの内容を押さえた構成。

「アルゴリズムとプログラム」「オートマトンと形式言語」の章では、コンピューターは何ができて、何ができないかについても説明する。主要なアルゴリズムを取り上げ、数理的アプローチとAI研究の側面から、コンピューターの原理と能力を明らかにする。

AIの章では、プログラム言語のPrologと述語論理を取り上げながら、その基本理解に迫る。AIが入力内容の計算や解析だけでなく、人のような問題解決能力を持てるかに関しても、「パタン認識」の例などを示しながら複数の検討材料を届ける。

筆者は、昨今、話題になっている「コンピューターは人を超えるか」への危惧より、「新しい発見や理論の創造にコンピュータをいかに役立てるか」という発想を重視するべきだと述べる。

その言葉の背景には「コンピュータは限りなく人間の知性に近づくことができ、限界はない」点を挙げる。それぞれの考察に役立つ1冊だ。

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