未来社会を切り拓く資質・能力の育成

日本教育工学協会会長/横浜国立大学教職大学院教授 野中 陽一

野中会長

第44回全日本教育工学研究協議会全国大会を川崎市で開催できますこと、川崎市教育委員会をはじめとする関係者の方々に感謝申し上げますとともに、全国からご参加いただく皆さまに心から歓迎の意を表したいと思います。

本大会のテーマは、「夢!希望!かわさき!未来社会を切り拓く資質・能力の育成」です。

新学習指導要領では、全ての学習の基盤となる資質・能力として、情報活用能力が位置付けられました。未来社会を切り開く資質・能力として最も重要なものといっても過言ではないでしょう。その育成を図るためには、コンピューターや情報通信ネットワークなどの情報手段を主体的に活用できる環境と、これらを適切に活用した学習活動の充実は不可欠です。情報活用能力には、プログラミング的思考、情報モラル、情報セキュリティー、統計に関する資質・能力なども含まれています。

これらの資質・能力を総合的に育成するためには、小中高の体系的なカリキュラムが求められます。そして、「情報活用能力の育成や情報手段の活用を進める上では、地域の人々や民間企業などと連携し協力を得ることが特に有効であり、(中略)学校外の人的・物的資源の適切かつ効果的な活用に配慮することも必要である」と示されているように「社会に開かれた教育課程」を実現する体制づくりも大きな課題です。

全国の教員現場の方々、教育情報化関連企業の方々、教育の情報化を研究対象としている教育工学研究者の方々が、新学習指導要領が求める実践を成立させ発展させるために川崎の地に集い、充実したプログラムを通して実践と理論の交流を行い、連携協力関係を築いていただければ幸いです。

川崎では、全国大会開催に向けて、川崎市学校視聴覚教育研究協議会を中心とした実行委員会を早くから組織し、5校の公開授業校では、情報活用能力の育成、ICT活用に関する実践研究を積み重ねてこられました。川崎市総合教育センター内の情報・視聴覚センターの指導主事の方々や企業の皆さまからのご支援に加え、日本教育工学協会の役員も研究に協力してまいりました。

新学習指導要領に向けての授業が公開され、実践事例、実践研究の成果が報告されます。それを支えるICT環境を目にする機会が豊富に準備されています。年々件数が増加している研究発表は130件を超えたため、ワークショップと並行しての実施になります。ワークショップは、企業、教員現場、教育工学研究者のコラボレーションによる七つが企画されています。これらの多様なプログラムを通して明日の教育実践に役立つ研究成果を交流していただければ幸いです。

日本教育工学協会の活動は、主に賛助会員の皆さまからのご支援、ご協力に支えられて行われております。企業展示の見学、企業の方々との交流をぜひお願いします。

このような充実した全国大会が実施できますのは、川崎市教育委員会をはじめ、多くの先生方のご尽力と関係各位のご支援ご協力のおかげであります。ここにあらためて深く感謝致しますとともに、その成果と交流の絆が教育の情報化のさらなる普及・充実へと発展することを期待したいと思います。


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