「ひとが集い、つながる」を目指す 鳥取県立鳥取工業高等学校

図書委員の活動を活発化

学校図書館を「サードプレイス」に
■はじめに

本校は、主に大学進学を目指す理数工学科と、機械、制御・情報、電気、建設工学の工業学科4科からなる全日制の工業高校である。昨年度創立80周年を迎えた。

人と人をつなげる「Cafeらいぶらり」

図書館は職員室の向かい側にあり、渡り廊下で教室棟とつながっている。教職員や生徒たちが気軽に図書館を訪れることができる位置にある。

各科1クラス編成なので、入学から卒業までクラス替えがなく、他科・クラス間のつながりはやや薄い。図書委員は各クラスから1人選出されるが、比較的おとなしく他者との関わりを苦手とする生徒が多い。

こうした状況を踏まえ、学校図書館の基本的な機能である「読書・学習・情報センター」に加え、生徒や教職員に学校内の第3の場所「サードプレイス」として利用してもらえる学校図書館を目指して、図書委員がクラスと図書館をつなぐ役割を担えるように、と委員会活動の活性化を図った。1年間の活動を紹介する。

■活動の「見える化」

本校では、図書委員が当番やイベント等で活動するたびに、名札の裏にシールを貼っている。お互いの活動状況が一目瞭然となり、シールの数を増やす事を励みに自主的に仕事をする生徒もいて、他の生徒への良い刺激となった。

鳥取県高等学校図書館教育研究会では、毎年各校6人を上限に「優良図書委員」を表彰するが、名札シールがその選定の客観的指標の一つとなった。

■店頭選書会

生徒自らが書店に赴き、実際に選書することで、生徒の実態や興味関心に合致した蔵書を構築し、図書館への参画意識を高めさせる取り組みである。

「図書委員と一緒に書店で本を選びに行こう!」というキャッチフレーズでチラシを作り、図書委員が呼び掛けた結果、1年生を中心に20人程度が参加した。選書した本にはPOPを付けて展示し、図書館便りでも紹介した。

■学校祭イベント

(1)ビブリオバトル

普段は寡黙な生徒が、好きな作品について熱量高く語り、質疑応答の場面では、一般参加者の突っ込んだ質問に対して、たどたどしくも一生懸命に言葉を紡いでいた。

(2)じゃんけん大会

雑誌の付録や司書室にあったフィギュア、図書委員が持ち寄ったお宝を参加者全員がじゃんけんをして獲得する、というシンプルなイベントだが、副委員長が涼宮ハルヒのコスプレをして進行役を務め、大いに盛り上げてくれた。

(3)創立80周年記念展示

図書委員が、各科の先生方に科の歴史や特色・魅力について伺ったものをまとめて、パネル展示を行った。併せて、協力してもらった教師たちの高校生当時(または現在)の愛読書を顔写真と共に紹介した。顔写真があることで、他科の生徒たちにもよくわかると好評であった。

■読書週間にちなんだイベント「鳥工 図書彩~読書の秋、本に青春~」

(1)クラス対抗!イラストジグソーパズル

貸出時に、文芸同好会より提供してもらったイラストを分割したピースを渡し、クラスごとにパズルを完成させた。イベント終了後は、イラスト原画展を開催した。

(2)ジャンル別闇貸し出し

「LOVE&FANTASY」「感動☆青春STORY」などジャンルで図書委員が選んだ本にカバーをかけ、内容がわからないようにしてコーナー展示したところ、生徒の関心を引き、よく貸し出された。

■「鳥工コモンズ Cafeらいぶらり」

人と人、人と情報とが気軽に出会い、つながる「場」を図書館で提供しよう、という目的で2015年度から開始。昼休憩に校内外の講師を招聘(しょうへい)し、各自持参のふた付ドリンクを飲みながら話を聞くイベントである。

多くの先生方が、それぞれの趣味や生徒たちに伝えたいことをテーマに話をした。校外からもさまざまな分野の専門家が来校し、多岐にわたるテーマで講演してもらった。

3年生卒業後の寂しくなった図書館に人を呼び込もうと、1・2年図書委員が「Cafeらいぶらり番外編」として、話題の映画「ボヘミアン・ラプソディ」サントラ盤、アニソン、ジャズ等自分たちが選んだ音楽を日替わりで提供する「MUSIC WEEK」を企画運営した。

■さいごに

イベントを開催するに当たり、全員がそれぞれの持ち味を生かした役割分担をしつつ、協働して活動できるよう留意した。学年末振り返りシートの自己評価はおおむね高評価をつけていて、他者と関わり自信を持てるようになってきた。

これからも、図書委員をはじめとする生徒や教職員と連携し、誰もが気軽に立ち寄り、有用な情報を得られ、ほっとできる時間・空間作りに努めていきたい。

(司書主任・前田恵美子)


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